在留申請オンラインシステムとは
在留申請オンラインシステムは、出入国在留管理庁(入管)が提供する、在留資格に関する各種申請・届出をオンラインで行えるシステムです。自宅やオフィスから24時間365日手続きでき、利用料金は無料。審査結果の通知も在留カードの受け取りもすべてオンライン・郵送で完結します。
※引用:在留申請オンラインシステム及び電子届出システムTOP
オンラインで申請できる在留資格関係の手続き
在留申請オンラインシステムでは、在留資格に関する主要な申請手続きの多くに対応しています。具体的には、- 在留期間更新許可申請(続けて在留するとき)
- 在留資格変更許可申請(国内での活動内容が変わるとき)
- 在留資格認定証明書交付申請(国内での活動を開始するとき)
- 就労資格証明書交付申請(許可された活動を証明したいとき)
- 再入国許可申請(一時的に出国するとき)
- 資格外活動許可申請(アルバイトなどを行うとき)
一方で、すべての手続きに対応しているわけではありません。たとえば永住許可申請については、2026年6月時点でオンライン申請の対象外となっています。自分の手続きがオンライン申請に対応しているかどうかは、出入国在留管理庁の公式サイトで事前に確認しておくとよいでしょう。
オンライン申請の対象となる手続きのうち、海外から外国人を呼び寄せる場合に重要なのが在留資格認定証明書交付申請です。在留資格認定証明書(COE)の役割や、申請から入国までの流れを確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
在留資格認定証明書とは?申請方法から入国までの流れをわかりやすく解説
また、すでに日本に在留している外国人が引き続き日本で活動する場合は、在留期間更新許可申請が必要になります。更新申請ができる時期や必要書類、期限直前の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
在留資格を更新するタイミングの確認方法は?更新手続きの方法まで解説
オンラインで在留資格関係の手続きができる人
在留申請オンラインシステムを利用できるのは、大きく分けて「外国人本人」と「代理・取次で申請する立場の人」の2種類です。外国人本人(中長期在留者)であれば、マイナンバーカードを取得していることを条件に、自分自身の申請をオンラインで行えます。法定代理人や配偶者・子・父母といった一定の親族も、本人に代わって手続きが可能です。
企業・学校・登録支援機関などの所属機関の職員や、申請取次の資格を持つ行政書士・弁護士も利用できます。ただし、これらの立場の人が利用するには、あらかじめ「利用申出」を行い、入管の承認を受ける必要があります。なお、外国人本人が行う手続きは「利用者登録」と呼ばれ、所属機関等の「利用申出」とは手続き名が異なります。混同しないよう注意してください。
2026年1月から始まった新しい在留申請オンラインシステム
在留申請オンラインシステムは、令和8年(2026年)1月に大幅にリニューアルされました。添付ファイルの容量拡大や入力内容の一時保存など、下記のように旧システムで使いづらかった点が改善されています。※参考:在留申請オンラインシステム・電子申請システムが新しくなります(出入国在留管理庁)
添付書類の制約が大幅に緩和|合計25MBで複数ファイルを同時送信可能に
旧システムでは、添付できるのは1ファイルのみ、容量の上限は10MBに制限されていました。複数の書類が必要な申請では、PDFを1つに結合したり、スキャンの解像度を落として容量を削減したりする作業が必要で、とくに書類の多い申請では事前準備に手間がかかっていました。新システムではこの制約が大幅に緩和され、複数のファイルを同時に添付できるようになりました。合計容量の上限も25MBに拡大されています(顔写真のデータも含む)。書類ごとに個別のファイルのまま添付できるため、結合や圧縮の手間なく、申請書類をそのままアップロードできます。
入力途中でも保存できる|一時保存ファイルで後日再開が可能に
旧システムには入力内容を保存する機能がなく、途中でブラウザを閉じたり接続が切れたりすると、入力内容がすべて失われて最初からやり直しになっていました。これは、書類を揃えながら申請書の入力を進める所属機関の職員(外国人を雇用する会社の担当者など)にとって大きな負担でした。新システムでは、入力途中の内容をファイルとして自分のPCに保存し、後日続きから再開できるようになっています。書類の準備と入力作業を分けて進めることもできるため、日々の業務の合間に少しずつ作業を進めやすくなっています。
入力画面が紙の申請書と統一|項目名・順番・金額単位が揃った
旧システムは、紙の申請書と画面上の入力項目の順番や名称が一致していない部分があり、紙の申請書を参考にしながら入力しようとすると対応関係がわかりにくいという問題がありました。また、収入などの金額入力の単位が「10千円」や「万円」など申請の種類によって不揃いで、入力ミスが起こりやすい設計でした。新システムでは、画面の項目名・並び順が紙の申請書と原則統一され、金額入力の単位も「円」に統一されています。紙の申請書や過去の記録を見ながらスムーズに入力できるようになっています。
外国人本人の認証がスマホ対応|マイナポータルアプリでマイナンバーカードを読み取れるように
旧システムで外国人本人がオンライン申請を行うには、PCにICカードリーダーを接続してマイナンバーカードを読み取る必要がありました。ICカードリーダーを別途購入・準備しなければならないことが、個人利用の大きな障壁になっていました。新システムでは、スマートフォンの「マイナポータルアプリ」を使ってマイナンバーカードのICチップを読み取ることで認証できるようになりました。ICカードリーダーが不要になったため、準備のハードルが下がっています。ただし、申請情報の入力・送信はPCなどでの操作が必要で、スマートフォンだけで申請を完結させることはできません。
申請後に提出内容を確認できる|送信済みの書類・情報を後から閲覧可能に
旧システムでは、申請を送信した後にその内容や添付資料をシステム上で確認する手段がありませんでした。入管から追加書類の提出を求められた際に、何を送ったかを手元の控えでしか確認できず、対応に時間がかかることもありました。新システムでは、申請送信後もマイページから申請内容・添付資料を閲覧できるようになっています。入管からの問い合わせに対して送信済みの内容を確認しながら対応できるため、審査途中のやりとりもスムーズになっています。
利用申出・定期報告もオンラインで完結できるように
旧システムでは、所属機関が利用を開始する際の利用申出や、一定期間ごとに必要な定期報告は書面での提出か郵送が必要でした。外国人採用が増えるほどこうした事務作業の頻度も増えるため、担当者の負担になっていました。新システムでは、利用申出も定期報告もオンライン上で手続きを完結できるようになっています。特に複数の外国人スタッフを受け入れている企業や登録支援機関にとっては、書類の印刷・郵送の手間が省け、事務作業の効率化につながります。
在留申請オンラインシステムを使うときの注意点
便利になった新システムですが、使い始める前に知っておきたいポイントがいくつかあります。登録手続きから書類の形式、審査期間の目安まで、あらかじめ確認しておくことでスムーズに申請を進められます。利用申出(登録)は申請より前に済ませておく
所属機関の職員や行政書士がシステムを利用するには、まず「利用申出」を行い、入管の承認を受ける必要があります。承認が下りるまでには数日から1週間程度かかるため、承認が完了するまでの間はシステムでの申請を一切行えません。手続きの流れとしては、システムにアクセスして担当者の利用者情報を入力し、在籍を証明する書類をアップロードします。所属機関として申請する場合は、法人番号(13桁)の入力が必要です。外国人の採用が決まってから慌てて登録しようとすると、承認待ちの期間中に申請が進められなくなるため、採用の見込みが立った段階で早めに登録を済ませておくことをお勧めします。
また、利用申出には有効期限があり、一定期間ごとに定期報告を行わないと利用資格が失効します。承認後も出入国在留管理庁からの案内に沿って期限を管理し、定期報告を忘れずに行うようにしてください。
添付書類はアップロード前に形式・容量・ファイル名を確認する
申請時に添付できるファイル形式は、PDF・JPEG・JPGに限られています。顔写真については縦4:横3の比率のJPEG形式で用意が必要で、背景無地・正面・無帽・3ヶ月以内撮影のものを使用します。すべての添付ファイルの合計容量は25MB以内に収める必要があります。見落としがちなのがファイル名のルールです。ファイル名に日本語や全角文字が含まれていると、アップロード時に文字化けエラーが発生することがあります。ファイル名は半角英数字と一部の記号(-、?、! など)で構成し、41文字以内に収めてください。
なお、PDFはパスワード保護や印刷不可の設定がされていると受け付けられません。スキャンした書類をそのまま使う場合は、事前にこれらの設定がかかっていないことを確認しておきましょう。
審査期間はオンライン申請でも窓口申請と変わらない
オンラインで申請すると審査が早くなるのではと期待される方もいますが、審査にかかる期間は窓口申請と変わりません。手続きごとの目安は下表のとおりです。| 手続きの種類 | 審査期間の目安 |
| 在留期間更新許可申請 | 2週間〜1か月程度 |
| 在留資格変更許可申請 | 2週間〜1か月半程度 |
| 在留資格認定証明書(COE)交付申請 | 1〜3か月程度(繁忙期はさらに長期化) |
在留カードの即日受け取りや証明書の同時発行はできない
オンライン申請の場合、審査が完了した後の在留カードは郵送での受け取りとなり、窓口での即日交付はできません。再入国許可申請についても、紙の許可書は郵送で届きます。特定技能・育成就労等の在留資格に対応するカードも同様です。在留カードが手元に届くまでの間は、申請受付票が申請中であることの証明書類になります。受付票は大切に保管しておいてください。
特定在留カードの交付はできない
2026年(令和8年4月1日)から交付されるようになった「特定在留カード」は、マイナンバーカードと在留カードが一体となり、勤め先への個人番号提出などをより便利にするものです。注意したいのは、在留申請オンラインシステムによる更新・変更などの手続きは、現在のところ特定在留カードの交付に対応していない点です。特定在留カードの交付を希望する場合は、所定の書類を用意し、入管に出頭しなければなりません。
特定在留カードの対象者や申請方法を確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
特定在留カードとは?2026年6月14日から始まる新制度を企業担当者向けに徹底解説
なお、在留申請オンラインシステムは、あくまで申請方法をオンライン化するための仕組みです。どの在留資格で申請すべきか、どの書類を用意すべきか、活動内容が在留資格の要件に合っているかといった審査の考え方は、窓口申請の場合と変わりません。
外国人を受け入れる際のビザ申請全体の流れを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
外国人受入れ時のビザ申請の方法|必要な手続きと書類を徹底解説
また、申請前に在留資格の種類や活動内容との違いを整理したい場合は、以下の記事で29種類の在留資格を確認できます。
29種類の在留資格(ビザ)がわかる!目的と滞在期間に合わせて入管手続きをするためのポイント
在留申請オンラインシステムでよくあるエラーと対処法
在留申請オンラインシステムは改修で使いやすくなったものの、認証やファイルのアップロードでつまずくケースが多く見られます。ここでは、よくあるエラーとその対処法をまとめます。マイナンバーカードが認証できない
マイナンバーカードの認証ができない場合は、まずスマートフォンにインストールされている「マイナポータルアプリ」が最新バージョンに更新されているかを確認してください。次に、カードの暗証番号(利用者証明用電子証明書の4桁の番号)を正確に入力しているかを見直します。また、マイナンバーカード本体の有効期限(発行から10年)と、カードに搭載された電子証明書の有効期限(発行から5年)はそれぞれ別に管理されており、電子証明書の期限が切れているとオンライン申請に使用できません。期限が近い場合は市区町村の窓口で更新手続きを行いましょう。
ファイルがアップロードできない
ファイルがアップロードできない場合は、ファイル名に日本語や全角文字・スペースが含まれていないかを確認するところから始めてください。次に、すべての添付ファイルの合計が25MBを超えていないかをチェックします。PDFの場合は、パスワード保護や印刷不可の制限がかかっていると受け付けられないため、設定を解除してから再度アップロードしてください。
在留期限が近い・申請が間に合わない
在留期限が迫っている場合は、早急に対応が必要です。在留期限の当日はシステム上で申請を受け付けられない場合があるため、遅くとも前日までに申請を完了させる必要があります。在留期限が間近に迫っているときや、すでに期限が切れてしまっているときは、オンラインシステムではなく入管の窓口に直接相談してください。
まとめ
在留申請オンラインシステムは、2026年1月のリニューアルによって格段に使いやすくなりました。複数ファイルの同時添付や入力内容の一時保存、スマートフォンによるマイナンバーカード認証など、実務上の手間を大きく減らす改善が加えられています。一方で、審査期間や在留カードの受け取り方法は窓口申請と変わらず、利用申出・書類のフォーマットなど手続き面の注意点もあります。システムの利便性が上がっても、書類の内容や申請の判断に専門知識が求められる点は変わりません。不許可のリスクを下げたい場合や、はじめて外国人スタッフの在留手続きを担当する場合は、申請取次行政書士に相談しましょう。
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