在留資格の更新のしくみ
在留資格の更新とは、活動や居住の許可の期限を延長するための手続きです。在留資格が「永住者」である場合を除き、外国人が本邦で引き続き滞在したい場合は、在留期間更新許可申請が必要です。在留資格には有効期限がある(例外あり)
在留資格にはさまざまな種類がありますが、取得または前回の更新の際に「在留期間」が定められています。その満了日までは日本に適法に滞在できますが、引き続き同じ資格で滞在する予定がある場合は、更新を許可してもらわなくてはなりません。在留期間の最終日(満了日)は、在留カードの表面下部に年月日形式で記載されています。更新しないまま上記の日付を過ぎると、原則として在留資格は無効となり、不法残留(いわゆるオーバーステイ)とされ、
- 3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金
- 退去強制
上記の処分を受けることになります。
ここで注意したいのが、在留カードには「在留期間の満了日」と「カード自体の有効期間」の両方が記載されている点です。この二つは別のもので、日付も一致するとは限りません。カードの有効期間だけを見て「まだ先だ」と判断していると、在留期間の満了日を過ぎてしまうことがあります。更新の期限として確認すべきなのは、在留期間の満了日のほうです。
もっとも、在留資格「永住者」である場合は、在留期間はとくに定められていません。ただし、外国人の身分証である在留カード自体の有効期限は、永住者であっても注意して更新し続けなくてはなりません。
※参考:「在留カード」及び「特別永住者証明書」の見方(法務省)
【参考】日本への入国手続きについては、今後デジタル化が進み、短期滞在者向けには電子渡航認証制度(JESTA)の導入が予定されています。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
更新許可申請は在留期限の3か月前からできる
在留期間更新許可申請は、在留期間満了日のおおむね3か月前から受け付けられます。入院や長期出張など特別な事情が認められるときは、入管に申し出れば、3か月より前から申請できる可能性があります。在留期間を更新するための審査には通常数週間から1か月程度かかるため、なるべく在留期限が切れる前に新しい在留カードを受け取れるよう、早めに申請しておくと良いでしょう。
※参考:在留期間更新許可申請(出入国在留期間)
関連記事:外国人受入れ時のビザ申請の方法|必要な手続きと書類を徹底解説
更新の申請中は期限が切れても最長2か月は滞在できる
在留期間満了日までに更新許可申請を行っていれば、期限までに審査が終わらなくても、審査が終わって許可または不許可の処分がされる時まで(最長で在留期間の満了日から2か月が経過する日まで)、引き続き適法に本法で在留できます。上記のように特別にオーバーステイ扱いにはならない期間を「特例期間」と呼びます。
特例期間中は、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されるため、警察身分証の提示を求められても安心です(オンライン申請の場合を除く)
特例期間があるからといって、期限までに何もしなくてよいわけではありません。在留期間更新の手続きが遅れた場合・不許可の処分が出た場合は、下記からご相談下さい。
※参考:特例期間とは(出入国在留管理庁)
在留資格更新許可申請の方法
在留資格の更新申請は、オンライン、窓口、郵送のいずれかの方法で行えます。オンライン申請なら24時間365日利用できるため、日本で活動する外国人が家事や仕事のあいだに手続きするときは、積極的に利用したい方法です。【参考】オンライン申請を利用する場合は、在留申請オンラインシステムの利用者登録や添付書類の形式、在留カードの受取方法などを事前に確認しておく必要があります。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
申請できる人
在留期間更新許可申請の手続きができるのは、外国人本人だけに留まりません。日本語が苦手な人のケースでは、所属する機関や配偶者が行うことが多いといえます。- 外国人本人
- 本人の法定代理人(未成年者の親や、成年後見人など)
- 申請取次の承認を得た所属機関の職員(会社や学校の担当者など)
- 親族または同居人あるいはこれに準ずるもの※
※申請人本人が16歳未満の場合または疾病そのほかの事由により自ら出頭することができない場合に限ります。
なお、上記以外にも、弁護士や行政書士が申請取次者として扱うこともできます。入管手続きを専門とする行政書士は、この後説明するオンライン申請のための準備が整っており、在留期間更新のための書類の案内から手続きの代行までスムーズに行ってもらえます。
オンライン申請
在留資格のオンライン申請は「在留申請オンラインシステム」を通じて行います。利用時に注意したいのは、事前準備が必要になる点です。具体的には、下記の手順をこなしてから在留期間を更新するための手続きに進むことになります。
- マイナンバーカードを取得する※
- パソコンとマイナンバーカードに対応したICカードリーダライタを用意する
- JPKIクライアントソフトをインストールする
- 在留申請オンラインシステムで利用者情報登録を行う
なお、マイナンバーカードについては、有効な署名用電子証明書および利用者証明用電子証明書が不可欠です。すでに取得している場合は、市町村役場で相談しながら証明書があるか確認しましょう。
※参考:在留申請のオンライン手続(出入国在留管理庁)
【参考】在留申請オンラインシステムは、2026年1月から新システムに切り替わりました。利用方法や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
窓口または郵送での申請
窓口での申請は、申請人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。来庁する場合は、在留期間更新許可申請書などを事前に用意しなければなりません。郵送での申請でも、上記のような書類を用意して送付することになります。在留期間更新許可申請の必要書類
在留期間の更新では「法令を遵守しながら在留資格で認められた活動を引き続き行っていること」を証明しなくてはなりません。必要書類は在留資格によって異なりますが、基本的には下記一式です。- パスポートと在留カード
- 在留期間更新許可申請書
- 活動内容や身分がわかる書類
- 住民税の課税証明書・納税証明書
※以下、参考:在留期間更新許可申請(出入国在留期間)
【参考】在留期間更新の要件は厳格化されつつあります。とくに留学生の要件が厳しくなっており、こちらの記事で詳しく解説しています。
住民税や社会保険料に未納がある場合、更新が不許可になったり、認められる在留期間が短くなったりすることがあります。不安がある方は、以下より相談内容と費用の目安をご確認ください。
パスポートと在留カード
更新申請が許可されたときは、原則として有効なパスポートと現在の在留カードの提示・提出が求められます。在留カードは新しいものと交換するため、パスポートは在留資格に関する証書を貼り付けるためです。在留期間更新許可申請書
在留期間更新許可申請書は、在留資格の種類ごとに書式が分かれており、自分の在留資格に合った様式を選んで記入します。出入国在留管理庁のWebサイトで記入前の書式が配布されており、在留資格別のページでダウンロードして利用できます。申請書には、氏名・生年月日・国籍といった基本情報のほか、日本での活動内容、所属機関や配偶者情報、これまでの在留履歴などを記入しなければなりません。就労系の在留資格では、勤務先の名称や所在地、従事している業務内容、雇用形態、給与額などを詳しく書く欄が設けられています。
活動内容や身分がわかる書類
在留資格の更新では「どのような活動をしているのか」「どのような身分関係にあるのか」をあらためて証明する必要があり、次の在留期間の判断基準となります。たとえば、就労系であれば、
- 勤務先が作成した在職証明書や雇用契約書の写し
- 給与所得の源泉徴収票
- 勤務先の会社概要資料
などを用意しなければなりません。これらの書類によって、就労実態が在留資格の要件に合っているか、安定した雇用と収入があるかが確認されます。
一方、身分系の在留資格(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、家族滞在など)の場合は、婚姻関係や家族関係が継続しているかどうかが重視されます。そこで、
- 戸籍謄本や住民票(世帯全員記載のもの)
- 配偶者との同居状況が分かる資料
- 家族の生活状況を説明する書面
などが必要になることがあります。
在留資格「留学」の場合は、在学証明書、成績証明書、出席状況を示す資料などにより、学業を継続している実態が確認されます。さらに、進学・転校・日本語教育機関から専門学校や大学へ進むケースでは、日本語能力を示す試験結果や履修歴の確認が重要になることがあります。
住民税の課税証明書・納税証明書
多くの在留資格で提出を求められるのが、居住地の市町村役場で取得できる住民税の課税証明書および納税証明書です。これらの書類は、市区町村役場で発行されるもので、前年の所得と課税状況、そして税金をきちんと納めているか(ひいては法令に沿った義務を果たしているか)どうかを示します。とくに就労系や身分系の在留資格では、安定した収入があること、納税義務を果たしていることが審査のポイントとなるため、原則として直近1年分または2年分の証明書が必要になるケースが多いです。
税金の未納がある場合には、その理由と今後の支払い計画を説明する必要が出てくることもあり、場合によっては更新の許可に影響します。
なお、納税状況や社会保険・年金の支払い状況は、将来の永住許可申請でも重要な審査ポイントになります。永住を目指す場合は、更新時だけでなく、日頃から税金・年金・健康保険の納付状況を整えておくことが大切です。
理由書や疾病を証明する書類(必要に応じて)
標準的なケースでは必須ではないものの、事情がある場合には理由書や医師の診断書などを添付しなければなりません。具体的には、- 生活状況の変化により一時的に収入が減少している
- 家族との同居開始が遅れた
- 配偶者との別居期間があった
などの事情が挙げられます。こういった内容は在留期間更新のための審査でマイナスに働くため、その経緯や現在の状況、今後の見通しを日本語または日本語と母国語の併記で説明する理由書を作成しなければなりません。
ほかに、疾病やけがのために自ら出頭できなかったり、就労や学業に一時的な影響が出ている場合には、医師の診断書や入院証明書などを添付する必要があります。16歳未満の子どもの申請や、本人が重い疾病で出頭できないケースでは、親族や同居者が代わりに申請に行くことが認められており、その場合にも事情を説明する書面や証明書が必要です。
在留資格更新許可が下りた後の在留カードの受取方法
更新申請が許可されると、新しい在留カードを受け取るまでの流れが始まります。受取方法には窓口と郵送があり、オンライン申請か窓口申請かによっても手続きが異なります。また、2025年4月には手数料が改定され、申請方法によって負担額に差が生まれるようになりました。2026年の在留資格更新手数料の変更点や新料金については、在留資格更新の手数料値上げと企業の対応策で詳しく解説しています。
窓口で受け取る場合
窓口での在留カード受取は、許可通知が届いた後、指定された期日までに申請者が地方出入国在留管理官署に出頭して行います。許可通知のハガキには受取可能な日時や必要な持ち物が記載されているため、必ず確認してから訪問しましょう。在留カード受取のため持参するものには、
- 審査結果の通知ハガキ
- 現在の在留カード
- パスポート
- 手数料分の収入印紙
があります。
郵送で受け取る場合
郵送での受取は、2020年12月以降に導入された比較的新しいしくみで、オンライン申請または一定の条件を満たした窓口申請で利用できます。在留期間更新後の新しい在留カードを郵送で受け取りたい場合は、許可通知を受け取った後に郵送の手配が必要です。返信用の赤いレターパックプラス(青のレターパックライトは不可)に下記のような必要書類を入れ、指定された入管の部署に送付しなければなりません。
- 現在の在留カード
- パスポートの写し
- 手数料分の収入印紙
なお、郵送受取が可能なのは、旅券への証印を伴わない手続きに限られます。たとえば「資格外活動許可申請」や「再入国許可申請」と同時に行う場合はパスポートに証印が必要となるため、郵送受取の対象外です。
在留期間更新後の在留カードの交付手数料
在留期間が更新され新しい在留カードを受け取るときは、所定の交付手数料がかかります。手数料は2025年4月1日に改定され、在留期間更新の場合、窓口申請で4,000円から6,000円へ、オンライン申請では5,500円となりました。
さらに2026年10月1日からは、改正入管法に基づき手数料が大幅に引き上げられます。改定後は許可される在留期間に応じて金額が変わり、在留期間が長いほど1回あたりの手数料は高くなります。在留期間更新の場合、最も高い区分では窓口申請で7万5,000円、オンライン申請で6万5,000円となります。
なお、9月30日までに申請が受理されていれば現行料金が適用される見込みですが、在留期間更新許可申請は満了日のおおむね3か月前からしか受け付けられません。そのため、満了日が年内に到来する方は前倒し申請の対象になり得る一方、満了日が2027年以降の方は受付期間に入っておらず、前倒しはできません。
※参考:在留手続等に関する手数料の改定(出入国在留管理庁)
【参考1】2026年年から始まる手数料改定について知りたい人は、こちらの記事も合わせて読んでみて下さい。
【参考2】日本での生活基盤を安定させたい人は、帰化申請や永住許可申請を検討しましょう。
まとめ
在留資格の更新は、在留期間満了日の3か月前から申請でき、オンライン・窓口・郵送のいずれかの方法で手続きを行います。更新が許可されるかどうかは、法令遵守や活動実態、納税状況など多角的な審査によって判断されるため、書類の不備や説明不足に注意しましょう。在留期間の更新が許可されるかどうかだけでなく、何年の在留期間が認められるかどうかは、入管の審査で決まります。日本での生活・外国人従業員の受け入れを長く続けるのであれば、一度の申請でできるだけ長い在留期間を得ておくようにしましょう。書類の準備から申請までを依頼した場合の費用の目安は、下記から無料でご確認いただけます。