【2026年改正】JESTAとは?日本版ESTAの対象者・導入時期・企業対応を解説

【2026年改正】JESTAとは?日本版ESTAの対象者・導入時期・企業対応を解説
JESTAとは、日本が2028年度中の導入を目指している電子渡航認証制度のことです。ビザなしで来日できる国の旅行者を対象に、入国前にオンラインでスクリーニングを行う新しいしくみで、外国人スタッフの雇用・招聘を行う企業の担当者にとっても「まったく無関係」というわけではないものです。
 
ここでは、2026年5月29日に成立した改正入管法をもとに、制度の概要から対象者・認証の流れ・導入スケジュールまでわかりやすく解説します。
 
外国人を就労目的で受け入れる場合は、JESTAではなく在留資格の手続きが必要です。詳しくは「在留資格認定証明書の申請方法」を解説した記事をご確認ください。

この記事のポイント

  • JESTAとは、査証免除で日本に短期滞在する外国人を対象にした電子渡航認証制度です。
  • 2026年5月29日に成立した改正入管法により創設され、政府は2028年度中の導入を目指しています。
  • Visit Japan Webは入国審査・税関申告をスムーズにするサービスであり、JESTAとは目的が異なります。
  • 就労ビザ・留学ビザなどで来日する外国人は、原則としてJESTAではなく在留資格・査証手続きの対象です。
  • 企業が海外取引先・外国人ゲストを短期商用で招聘する場合は、導入後にJESTA取得の案内が必要になる可能性があります。

JESTAとは?電子渡航認証制度の基本

JESTA(Japan Electronic System for Travel Authorization/電子渡航認証制度)とは、外国人が日本に入国する前に、オンラインで事前の認証を受けることを義務づけるものです。
同様のしくみには、米国のESTA(エスタ)があります。米国ESTAはアメリカへ渡航する外国人が事前に電子渡航認証を受ける制度ですが、JESTAはその日本版にあたります。「日本版ESTA」と呼ばれるのはこのためです。
JESTAには、大きく2つの目的があります。ひとつは、不法残留などを企図する外国人を入国前の段階でスクリーニングし、日本の出入国管理を厳格化することです。もうひとつは、認証済みの渡航者に対してはウォークスルー型ゲートを活用することで、空港での上陸審査の手続きを円滑にすることです。セキュリティの強化と、入国者の利便性向上という両面を兼ね備えた制度といえます。
※参考:出⼊国管理及び難⺠認定法及び出⼊国管理及び難⺠認定法第⼆条第五号ロの旅券を所持する外国⼈の上陸申請の特例に関する法律の⼀部を改正する法律案概要(出入国在留管理庁)

Visit Japan WebとJESTAの違い

JESTAと混同されやすいサービスとして、Visit Japan Webがあります。どちらも訪日外国人に関係するデジタル手続きですが、目的・タイミング・強制力がまったく異なります。
Visit Japan Webは、入国審査・税関申告・免税手続きをスマートフォンで事前登録しておくことで、空港到着後の手続きをスムーズにするものです。申請に対する「審査」や「承認」は存在せず、あくまで入国後の手続きを効率化するツールです。
JESTAはこれとはまったく別物で、渡航前に認証(スクリーニング)を受け、承認を得なければ航空券を発券できない制度です。JESTA導入後は、両方の手続きが必要になる可能性があります。
比較項目Visit Japan WebJESTA
運営主体デジタル庁出入国在留管理庁
役割入国後の手続き(入国審査・税関申告・免税)をデジタル化入国前の事前スクリーニング・渡航認証
タイミング出発前〜入国時(任意)渡航・航空券発券の(義務)
審査・承認の有無なし(登録するだけ)あり(不承認の場合は渡航不可)
対象者訪日者全般(任意)ビザ免除の短期滞在者(義務)
利用開始時期すでに運用中2028年度中を目標に導入予定
費用無料有料(金額は政令で決定、未確定)
有効期限渡航ごとに登録未定(毎回認証が必要)
なお、JESTA導入後も Visit Japan Web は廃止されず、両制度が並存します。「Visit Japan Webを登録済みだからJESTA不要」という誤解が生じやすいため、日本側で外国人を受け入れる際などは、両者の違いを説明できるようにしておきましょう。

JESTAの対象者は?

JESTAの対象となるのは、ビザなしで短期滞在する訪日外国人です。就労ビザや留学ビザを持って来日する外国人は対象外であり、いまのところ外国人を雇用や受入れを行う立場の個人・法人にはそれほど関係しません。

対象となる3つのカテゴリー

改正入管法では、JESTAの認証が必要となる外国人として、以下の3つのカテゴリーが定められています。
  1. 査証(ビザ)を必要としない外国人で、日本に短期間滞在して観光などの活動を行おうとする者
  2. クルーズ船(指定旅客船)に乗って入港し、観光のために日本に上陸することを希望する外国人など
  3. 船舶などの乗継ぎのために一時的に日本に入国する外国人の一部
訪日外国人の大多数は①に該当します。観光や短期商用で来日する査証免除国の外国人は、JESTA導入後は渡航前に認証を受けることが入国の条件となります。

米国のESTAとJESTAの違い

JESTAは「日本版ESTA」と呼ばれるため、米国ESTAとの違いも整理しておきましょう。基本的なしくみは似ていますが、有効期限・費用・運用上の重要な違いがあります。
比較項目米国ESTAJESTA(日本)
運用国アメリカ合衆国日本
対象者ビザ免除プログラム(VWP)対象国の渡航者査証免除国・地域からの短期滞在者
申請タイミング渡航前(搭乗72時間以上前を推奨)渡航前(詳細は今後確定)
有効期限2年間(複数回渡航可能)※パスポート期限が先に切れる場合はその日まで未定(毎回認証が必要とされる見込み)
費用40米ドル(約6,000円)※2025年9月改定後未定(政令で決定)
審査結果の通知通常72時間以内(多くは即時)未定
審査不承認の場合通常のビザ申請が必要渡航・乗機が不可(運送業者に禁止義務)
有効期間中の再申請不要(2年間繰り返し利用可)原則として渡航のたびに毎回申請が必要
最も大きな違いは有効期限の扱いです。米国ESTAは一度取得すれば2年間・複数回利用できますが、JESTAは現行の制度設計では渡航ごとに毎回認証が必要とされています。ビジネス目的で頻繁に日本への出張・来日を繰り返す外国人や、定期的に外国人ゲストを招聘する企業にとっては、渡航スケジュール管理の負担が増える可能性があります。

そもそも査証(ビザ)と在留資格はどう違う?

JESTAの対象者を理解するうえで、査証(ビザ)と在留資格の違いを押さえておく必要があります。似た言葉として混同されがちですが、両者はまったく異なる概念です。
査証(ビザ)とは、外国人が日本に入国するための事前許可を確認する書類で、外務省や在外公館が発行します。一方、在留資格とは、入国後に許可される活動内容や身分の種類のことを指し、就労・留学・永住などがその代表例です。
 
JESTAの対象になる短期滞在と、就労ビザ・在留資格を取得して来日するケースでは、必要な手続きが大きく異なります。外国人を雇用・受け入れる企業担当者は、JESTAだけでなく、在留資格申請の流れもあわせて確認しておきましょう。
外国人受入れ時のビザ申請の方法|必要な手続きと書類を徹底解

就労ビザ・留学ビザ等の保持者は対象外

技術・人文知識・国際業務や特定技能、留学などの在留資格を持って来日する外国人は、JESTAの認証対象にはなりません。これらの外国人はすでに査証審査を経て入国するため、JESTAによる事前スクリーニングの対象から外れます。
ただし、注意が必要なのは「短期商用」のケースです。たとえば、ビザ免除国の外国人を商談や視察のために短期間招聘する場合、その外国人はビザ免除で来日することになるため、JESTA導入後は事前の認証取得が必要になります。
採用・雇用とは別に、ゲストとして外国人を招く機会のある企業も、この点を見落とさないよう注意が必要です。

「短期滞在」からの在留資格変更は原則不可

外国人の採用実務でとくに陥りやすいのが「とりあえずビザなしで入国させてから、国内で在留資格を変更すればよい」という誤った認識です。しかし、短期滞在(ビザ免除入国を含む)で入国した外国人は、原則として国内で就労目的の在留資格へ変更することはできません。
外国人を正式に雇用するためには、まず会社側が在留資格認定証明書(COE)を事前に取得し、外国人本人が本国の日本大使館または領事館でビザを取得してから来日するのが正規の手順です。
JESTA導入後も、この原則は変わりません。JESTAで認証を受ければ就労できるというわけではなく、あくまで短期滞在のスクリーニング制度である点を、企業の人事・総務担当者は正確に理解しておく必要があります。

JESTA認証の流れ(申請から上陸まで)

JESTAでは、外国人が日本に入国する前に認証を受けることが義務づけられます。認証は渡航者本人がオンラインで申請するものですが、航空会社などの運送業者にも新たな義務が課される点が、これまでの制度にはない大きな特徴です。

JESTA認証手続きの流れ(改正後)

改正後の入国手続きは、以下の流れで進みます。
  1. 外国人本人が、認証のための情報をオンラインで提供する
  2. 出入国在留管理庁長官が認証を実施する
  3. 航空会社などの運送業者が、チケット発行前に予約者の氏名等を入管庁長官へ報告する(報告義務)
  4. 入管庁長官が運送業者に対し、「入国させることが相当か否か」を通知する
  5. 「相当である」旨の通知を受けた外国人のみ、運送・チケット発行が行われる
  6. 入国後は、ウォークスルー型ゲートで記録が行われ、旅券への上陸許可の証印が省略される
現行の制度では、査証免除対象の外国人はチェックイン手続きを経てそのまま搭乗でき、入国審査は日本到着後に行われます。改正後は、渡航前の認証と運送業者による報告・情報連携が加わり、問題のある渡航者を「日本に乗せる前」の段階でブロックできるしくみになります。

JESTA認証の条件と禁止事項

JESTA導入後は、認証を受けていることが上陸のための条件となります。認証も査証も受けていない外国人の入国は禁止され、出入国管理が大幅に厳格化されます。
また、米国ESTAと異なる重要な点として、JESTAは新規入国のたびに毎回認証が必要です。米国ESTAは一度取得すれば2年間有効で繰り返し使用できますが、JESTAはその都度認証を受ける仕組みとなっています。頻繁に日本に来日する外国人や、定期的に外国人ゲストを招く企業にとっては、渡航ごとの手続きが必要になる点として認識しておく必要があります。
運送業者(航空会社・船会社等)に対しては、入管庁長官から「入国させることが相当でない」旨の通知を受けた場合、その人物を日本へ入らせてはならない義務(運送禁止義務)が課されます。義務違反には過料の制裁も設けられており、運送業者にとっても無視できない制度変更といえます。

JESTAの手数料

手数料は、認証を受けようとする際および認証を受ける際に、政令で定める額が徴収されます。現時点では具体的な金額は政令に委任されており、まだ確定していません。
参考として、米国ESTAの手数料は約21米ドル(約3,000円程度)です。JESTAの手数料の額を定めるにあたっては、実費のほか、出入国・在留管理に要する費用の額や、諸外国における同種の手数料の額が勘案されるとされています。正式な金額は、今後の政令で明らかになります。

JESTAの導入スケジュール

JESTAは2026年5月29日の改正入管法成立により、着実に導入に向けて進んでいます。企業の人事・総務担当者は、JESTA本体の施行時期だけでなく、先行して施行される在留資格手数料の値上げについても、早めに把握しておく必要があります。

法改正から施行までのタイムライン

現時点でのスケジュールは以下の通りです。
時期内容
2026年3月10日入管法改正案を閣議決定・衆議院に提出
2026年4月28日衆議院本会議で可決
2026年5月29日参議院本会議で可決・改正入管法成立
2027年3月31日まで在留許可手数料の改正規定を施行(政令で定める日)
2029年3月31日までJESTAの認証制度を施行(政令で定める日)≒2028年度中の運用開始を目標
JESTAの認証制度の施行日は「令和11年(2029年)3月31日までの間において政令で定める日」とされており、政府は2028年度中の運用開始を目標としています。
なお、この後解説する在留資格手数料の改正規定は「令和9年(2027年)3月31日まで」と、JESTAより早い段階での施行が予定されています。
改正入管法は2026年5月29日に成立しており、今後は政令の制定・公布を経て具体的な施行日が確定します。外国人を雇用している企業にとっては、JESTA導入よりも先に手数料の値上げが現実の問題として迫ってくる点に注意が必要です。

在留資格手数料の値上げも同時に要確認

今回の改正入管法では、JESTAの創設と並行して、在留資格に関する手数料の上限額も大幅に引き上げられます。現行の入管法では、在留資格の変更許可・在留期間の更新許可・永住許可の手数料の上限はいずれも1万円とされていますが、改正後はそれぞれ以下のように変わります。
● 在留資格の変更許可:上限10万円
● 在留期間の更新許可:上限10万円
● 永住許可:上限30万円
ただし、これはあくまで「上限額」の引き上げです。具体的な手数料の額は引き続き政令に委任されており、在留期間などに応じて定められます。値上げ幅が大きいだけに、外国人スタッフを多数雇用している企業は、年間の手続きコストの見直しが必要になるでしょう。外国人スタッフを雇用している企業は、JESTAよりも先にこちらの影響を受ける可能性があります。
手数料値上げのタイミングや新料金、企業がとるべき対策は以下の記事で詳しく解説しております。
【2026年改正】在留資格更新の手数料値上げはいつから?新料金・永住許可・企業対応を解説

JESTA導入に向けて企業担当者がとるべき対応

JESTAはまだ施行されていませんが、法改正はすでに成立しています。「導入されてから考える」では対応が後手に回るおそれがあります。以下では、企業の人事・総務担当者が今から動くべき対応ポイントを整理します。

ビザ免除国からの招聘状況を棚卸しする

まず確認したいのは、自社の外国人招聘でJESTAの影響を受けるケースが実際にあるかどうかです。対象となるのは就労ビザ・留学ビザ等で来日する外国人スタッフではなく、ビザ免除で短期来日する外国人です。
下記に当てはまる場合は、JESTA導入後に対応が必要になります。
● 海外拠点・取引先の担当者を短期商用・視察・研修で招聘している
● 外国人ビジネスパーソンをセミナー・展示会・会議に招いている
● クルーズ船など団体旅行・イベントの受け入れを行っている
就労ビザ保持者の採用・雇用管理だけを担当している企業は、直接的な影響は限定的です。ただし、将来的な制度拡大の可能性も踏まえ、制度の概要は把握しておきましょう。

受け入れフローにJESTA申請ステップを組み込む

JESTA導入後、ビザ免除国籍の外国人が日本に来るためには、渡航前にJESTA認証を受けることが必要です。現行の招聘フローで「航空券の手配」が発生する場合、その前段階にJESTA申請・承認の取得が加わります。
また、航空会社などの運送業者も入管庁への報告義務を負うため、チケット発行までにかかる時間が現行より長くなる可能性があります。従来の感覚で渡航直前に手配を進めると間に合わないケースが生じるため、渡航日から逆算した余裕のあるスケジュール設計をこころがけましょう。
具体的には、次のような予定を意識したいところです。
● 招聘状の送付・航空券手配より前に「JESTA申請・承認の取得」ステップを追加する
● JESTA認証が却下された場合の代替対応(ビザ申請への切り替え等)を事前に検討しておく
● 渡航日の少なくとも1〜2週間前には手続きが完了している状態を目標にスケジュールを組む

外国人ゲスト・招聘者への多言語案内を準備する

JESTA導入後に最も混乱が起きやすいのは、制度の存在を知らない外国人側です。とくにビザ免除国の出身者は、これまで事前の電子申請なしに来日できていたため、新たな手続きが必要なことを知らないまま渡航しようとするケースが想定されます。
招聘する企業・団体は、来日予定の外国人に対して渡航前にJESTA認証が必要である旨を事前に案内する責任があります。以下の対応を準備しておきましょう。
対応項目内容
多言語案内資料の作成JESTAの申請方法・手順を英語・中国語・韓国語等で案内できる資料を準備する
招聘書類へのJESTA案内の追加招聘状・受け入れ確認書等にJESTA申請の必要性を明記する
申請期限の周知渡航〇週間前までにJESTA認証を取得するよう案内する(詳細は施行後の政令で確定)
コンプライアンス対応「JESTA未取得=日本への渡航不可」を社内でも周知し、担当者が正確に説明できる状態にしておく

在留資格手数料の値上げも確認しておく(2027年3月31日までに施行)

実のところ、外国人を受け入れる企業にとってJESTA本体よりも大きな課題となるのは、近年の法改正のひとつである在留資格に関する手数料の上限額の大幅な引き上げです。
現在出ている案では、在留資格の更新などの際に納める手数料につき、従来の約2倍〜10倍に引き上げる方針となっています。これまでの外国人スタッフの在留資格変更・更新・永住許可の申請を毎年行っている企業にとって、直接的なコスト増となる可能性があります。
 
手数料の値上げや企業側がとるべき対策は以下の記事で詳しく解説しております。
【2026年改正】在留資格更新の手数料値上げはいつから?新料金・永住許可・企業対応を解説

まとめ

JESTAは、2026年5月29日に成立した改正入管法に基づき、2028年度中の導入が目指されている電子渡航認証制度です。査証免除対象の外国人を対象に入国前のスクリーニングを行うもので、就労ビザや留学ビザで来日する外国人は原則として対象外となります。ただし、ビザ免除国の外国人を短期商用で招聘するケースでは、渡航者本人のJESTA認証が必要になる点に注意が必要です。
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この記事の執筆・監修者

氏名:遠藤 秋乃
行政書士・司法書士資格保有

経歴:

大学卒業後、不動産会社で4年・メガバンクの融資部門での勤務2年を経る。

2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かしてさまざまな分野の相談に200件以上対応。

入管手続き、相続、企業法務、事業承継などさまざまな分野について最新事例の調査・研究を進め、行政書士資格保有者の立場から、読者に良質な情報をお届けしています。