デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の採択率の推移
デジタル化・AI導入補助金は、IT導入補助金からの制度刷新とほぼ同時期に、かつて7割前後で推移していた採択率が4割台まで落ち込んでいます。ここでは締切分ごと、年度ごとの2つの視点から採択率の推移を見ていきます。※以下、参考:申請数および交付決定数(デジタル化・AI導入補助金事務局)、交付決定事業者一覧および交付申請件数2025(同左)、交付決定事業者一覧および交付申請件数2024(同左)
2025年最終〜2026年1次・2次の締切分別採択率
2025年最終の締切分から2026年の1次・2次締切分にかけて、枠ごとの採択率にはばらつきがあるものの、全体としては緩やかに回復する傾向が見られます。通常枠は3割台後半から4割台前半に上昇し、インボイス枠(インボイス対応類型)は締切を重ねるごとに採択率が大きく伸びています。セキュリティ対策推進枠はいずれの締切分でもほかの枠より高い採択率を維持していますが、そもそも申請数が少なく(申請数全体の0.2%程度)、採択に向けた対策が徹底された結果だと考えられます。
| 枠/締切分 | 2025年8次締切分 | 2026年1次締切回 | 2026年2次締切回 |
| 通常枠 | 35.9% | 43.9% | 43.5% |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | — | 46.8% | 55.3% |
| 旧インボイス対応類型 | 45.0% | — | — |
| セキュリティ対策推進枠 | 52.9% | 72.7% | 71.4% |
| 全体の採択率 | 42.6% | 46.3% | 51.5% |
2021年〜2025年の採択率の推移
年単位で見ると、採択率の変化はより顕著です。2021年から2023年にかけては6割から7割台という高い水準を維持していましたが、2024年に7割を下回り、2025年には4割台まで急落しました。この落差は、申請件数の増加に対して採択枠が追いつかなくなったことに加え、審査の厳格化や過去採択者への減点措置といった制度側の変化が重なった結果と考えられます。| 年 | 全体の採択率 |
| 2021 | 59.2% |
| 2022 | 73.9% |
| 2023 | 75.9% |
| 2024 | 69.9% |
| 2025 | 43.8% |
デジタル化・AI導入補助金の採択率が低下している4つの要因
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、以前と比べて採択されにくくなったと感じる事業者は少なくありません。不正受給問題を受けた審査の厳格化や、過去採択者への減点措置の導入など、制度側の変化がその背景にあります。不正受給問題を受けた審査の厳格化
過去の実地検査では、376事業主体・445事業(令和2〜4年度)のうち30事業主体・41事業で不正が確認され、補助金交付額にして計1億0812万円がIT導入補助金として過大に交付されていたことが判明しています。このような経緯から、事業計画の内容や経費の実態について、より厳密な確認が行われるようになりました。※参考:IT導入支援事業の実施状況(中小企業庁)
前回不採択者の再申請の集中
不採択事例、再申請を行うのが多数派です。公募回を重ねるごとに再申請者の割合が増えると、限られた採択枠を新規申請者と競い合う形になり、全体の採択率を押し下げる要因になります。過去採択者への減点措置の導入
制度の連続利用を抑制する観点から、過去に交付決定を受けた事業者に対する減点措置が設けられたことも、採択率低下の要因のひとつです。具体的には、過去に交付決定を受けた事業者や、その決定の中で今回の申請と内容が重複している場合は、減点によって最終的には不採択となる傾向です(詳しくは後述します)デジタル化・AI導入補助金で採択されない条件とは
デジタル化・AI導入補助金は、公募要領のなかで「対象外」「不採択」「減点」という3つの段階に分けて条件が定められています。単に事業計画の内容が良くても、これらの条件に該当していると採択が難しくなるため、それぞれの違いを正しく理解しておくことが大切です。ここでは、申請前の段階から審査に至るまで、採択を遠ざける代表的な条件を順番に確認していきます。そもそも申請できない場合がある
交付規程には、デジタル化・AI導入補助金に申請できる「中小企業・小規模事業者等」の定義を満たしていても、対象外となる条件がいくつか明記されています。前提として、資本金や従業員数が業種ごとに定められた基準を超える事業者は、そもそも中小企業・小規模事業者等の定義に当てはまりません。さらに、この定義を満たしていても「みなし大企業」に該当する場合は対象外とされます。具体的には、以下のいずれかに当てはまる事業者です。
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している
- 大企業の役員または職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている
- 上記に該当する中小企業・小規模事業者等に発行済株式等を所有されている、またはその役員・職員を兼ねている者が役員の全てを占めている
- 確定している直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える
こうした前提条件を満たしていなければ審査の土台に乗ることさえできないため、とくに成長中の企業は、申請を検討し始めた段階で自社が対象外に該当していないか確認しておきましょう。
申請しても不採択になる条件とは
事務局は個別の不採択理由を公表していないため、それ以外の不採択は事業計画書の内容や審査項目への適合度から推測するしかありません。不採択になる条件と明確なのは、過去にIT導入補助金で交付決定を受けたソフトウェアの業務プロセスと、今回申請するソフトウェアのプロセスが完全に一致する場合です。プロセスとは「顧客対応・販売支援」や「決済・債権債務・資金回収」といった業務分類のことで、同じ分類のツールを重ねて導入しようとすると、この条件に引っかかりやすくなります。
上記以外の理由で不採択になる可能性の大きい申請については、この記事内で詳しく解説します。
減点措置の対象となる条件とは
不採択とまでは言われていないものの、審査で評価が下がる減点措置が公募要領には明示されています。この規定はインボイス枠(電子取引類型)に明記されているもので、単独では大きな影響がなくても、複数の項目に該当すると採択の可能性がさらに下がるため、自社がどの条件に当てはまるかを事前に確認しておくことが重要です。①過去採択者ペナルティ
IT導入補助金2022〜2025のいずれかで交付決定を受けた事業者は、この項目の減点対象になります。同一制度の連続利用を抑制する観点から設けられている措置と考えられます。②同年度内重複ペナルティ
デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠で申請中、または交付決定済みの事業者も減点対象です。①と②の両方に該当し、かつ会計・受発注・決済など同一機能のITツールを導入する場合は、さらに減点が重なります。③プロセス重複ペナルティ
IT導入補助金2024または2025で交付決定を受けたソフトウェアの業務プロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複する場合も減点対象となります。プロセスが完全に一致する場合は、減点ではなく不採択という扱いに切り替わる点に注意が必要です。④賃上げ未達ペナルティ
IT導入補助金2024以降で賃金引上げ計画による加点を受けて採択されたにもかかわらず、その後加点要件を達成できなかった事業者も減点対象になります(やむを得ない理由による場合を除く)。⑤横断ペナルティ
中小企業庁が所管する他の補助金で賃金引上げ計画による加点を受けて採択された後、加点要件を達成できなかった事業者も対象です(やむを得ない理由による場合を除く)。対象となる補助金には、令和8年1月時点で以下が含まれます。- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第17次公募以降)
- 小規模事業者持続化補助金(第15回公募以降)
- 事業承継・M&A補助金(旧事業承継・引継ぎ補助金、第8次公募以降)
- 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業、令和6年度公募以降)
- 事業再構築補助金(第12回公募)
- 中小企業省力化投資補助事業(第1回公募以降)
なお、この横断ペナルティとは別に、加点要件の未達自体についても、効果報告で未達が判明してから18か月間は同じ対象補助金への申請で大幅減点となる規定があります。
関連記事:AI補助金を徹底解説【2026年最新版】中小企業・個人事業主が使える制度一覧と申請の流れ
過去の交付決定歴により条件が厳しくなる場合
過去にIT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、賃上げに関する要件そのものも厳しくなります。給与支給総額の年平均成長率について、通常は3%(物価安定目標+1%)以上が求められるのに対し、交付決定歴のある事業者は3.5%(物価安定目標+1.5%)以上が必須要件として求められます。デジタル化・AI導入補助金で不採択になりやすい5つの理由
事務局は個別の不採択理由を公表していませんが、公募要領に示された審査項目や減点項目、そして実際の申請事例からは、不採択になりやすいパターンがいくつも見えてきます。ここでは、事業計画の内容から書類の形式まで、申請者が陥りやすい5つの理由を順番に見ていきます。
ITツールと自社課題のマッチングが不明確
よくあるのは、導入するITツールと自社の課題との結びつきがはっきりしないことです。よくあるのは「話題性の高いAIツールを選んだものの、自社の業務課題と直接結びついていない」といったケースで、この場合は評価が得られず不採択となる確率が高まります。事業計画の具体性・定量性の不足
最も多い不採択の理由は、事業計画の内容が抽象的にとどまっていることです。自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか審査される過程で「業務を効率化したい」「DXを進めたい」といった表現だけでは、この視点を満たしているとは評価されにくくなります。◼︎不採択の例「受発注業務が非効率なので、ITツールを導入して効率化したい」
→採択されやすい表現「受発注業務の入力作業に月間40時間を要しており、ITツール導入により入力工程を自動化し、月間30時間の削減と入力ミスによる再作業ゼロを目指す」
◼︎不採択の例「DXを推進し、会社全体の生産性を上げたい」
→採択されやすい表現「紙の請求書処理に伴う月次の突合作業に3名体制で5営業日かかっている状況を、クラウド請求書システム導入により1名・2営業日体制に短縮し、労働生産性を年4%以上向上させる」
◼︎不採択の例「顧客管理がバラバラなので一元化したい」
→採択されやすい表現「エクセルと紙台帳に分散している顧客情報を、導入するCRMツールで一元管理し、営業担当者1人あたりの顧客対応件数を月20件から月28件に増やす」
書類の不備・記載漏れ・誤字脱字
事業計画の内容がどれだけ優れていても、書類の形式的な不備によって不採択となるケースは少なくありません。デジタル化・AI導入補助金では申請後の内容修正が原則できないため、提出前に見つけられなかった誤りは、そのまま審査に持ち込まれてしまいます。代表的な不備としては、
- 必須項目の記載漏れ
- 添付書類の抜け
- 代表者名や金額の誤字脱字
- 登記情報と申請書の会社名や住所の不一致
- 事業計画書と決算書の数値の不一致
対象外経費での申請
補助対象となる経費には明確な線引きがあり、これに反する申請は不採択や差戻しの対象になります。よくある例が、ハードウェア単体での購入です。パソコンやタブレットは、インボイス対応のソフトウェアなど対象となるソフトと組み合わせた場合に限り補助の対象となり、単独での申請は対象外とされます。
補助対象経費として認められるのは、主に以下の費用です。
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用費(クラウド利用料は最大2年分まで)
- PC・タブレット等のハードウェア関連費(対象となるソフトウェアと組み合わせて導入する場合に限る)
- レジ・券売機等の関連機器費(対象カテゴリーのソフトウェアと組み合わせて導入する場合に限る)
- 導入関連費(導入設定、マニュアル作成、導入研修などの役務費用)
一方、以下に該当する経費は補助対象外とされます。
- 補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの(売上原価に相当すると事務局が判断するもの)
- 交通費・宿泊費
- 補助金申請・報告に係る申請代行費
- 公租公課(消費税)
- 交付申請時にITツールの利用金額が定められないもの
- 対外的に無償で提供されているもの(ITツール登録が認められたものを除く)
- リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
- 中古品
- 交付決定前に購入・契約したITツール
その他にも、業務と直接関係のないソフトウェア開発費や、既に購入済みのツールにかかった費用、交付決定前に契約や支払いを済ませてしまった経費なども対象外です。ソフトウェア本体の価格に対して導入支援費や保守費といった役務費用の比率が高すぎる申請も、補助金目当てと判断されやすく、審査で不利になる傾向があります。申請前に、導入予定のツールと経費の内訳が補助対象に含まれるかどうかを、支援事業者と一緒に確認しておくと安心です。
減点項目の重複
減点措置は項目ごとに単独でも適用されますが、複数の項目に同時に該当すると、その分だけ審査上の評価が下がり、不採択のリスクが一段と高まります。特に注意したいのは、以下のような重複パターンです。たとえば、過去にIT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者が、さらに今回導入するソフトウェアの機能(会計・受発注・決済など)が前回導入したツールと同一である場合、過去採択者としての減点に加えて、機能重複による追加の減点が発生します。
同様に、2024年または2025年に交付決定を受けたソフトウェアの業務プロセスと、今回導入するプロセスが一部でも重複する場合も減点対象となり、完全に一致する場合はこの時点で不採択が確定します。
デジタル化・AI導入補助金の採択率を上げるには
採択率が下がったとはいえ、準備を徹底すれば採択の可能性は十分にあります。ここでは、加点項目の取得から支援体制の整え方まで、採択に近づくための具体的な4つのアプローチをご紹介します。取得しやすい加点項目を漏らさず満たす
デジタル化・AI導入補助金の通常枠には、公募要領上15項目の加点項目が明示されています。SECURITY ACTION宣言や賃上げ計画といった有名な項目だけに注目してしまいがちですが、それ以外にも比較的取り組みやすい項目が複数あり、これらを漏らさず取得できるかどうかが採択と不採択の分かれ目になりやすい傾向があります。ここでまず、15項目にわたる加点項目を確認してみましょう。
| No. | 加点項目 |
| 1 | 導入するITツールとしてクラウド製品を選定している |
| 2 | 導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定している |
| 3 | 導入するITツールとしてインボイス制度対応製品を選定している |
| 4 | 交付申請時点までにデジタル化セカンドオピニオンの取組みを実施している |
| 5〜7 | 賃上げ計画(申請額・過去の交付決定歴に応じて複数パターン)に取り組んでいる |
| 8 | SECURITY ACTIONの宣言を行っている |
| 9 | 女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし等)または次世代法に基づく認定(くるみん等)を受けている |
| 10 | 「成長加速マッチングサービス」に会員登録し、挑戦課題を掲載している |
| 11 | 「省力化ナビ」で解決策のPDFをダウンロードしている |
| 12 | 一定期間、最低賃金近傍の従業員が多い状態にある |
| 13 | 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げている |
| 14〜15 | その他、公募回ごとに追加される項目(決済機能を有するクラウド製品の選定、スマートレジの選定など) |
取り組みやすい加点項目
なかでも取り組みやすいのは、オンラインで手続きが完結する加点項目です。「IT戦略ナビwith」で診断を受けてIT戦略マップを出力する取り組みや、「成長加速マッチングサービス」に会員登録して自社の課題を掲載する取り組み、「省力化ナビ」で診断を受けて解決策のPDFをダウンロードする取り組みは、いずれも特別な費用や認定を必要とせず、申請者が能動的に動くだけで加点を積み重ねられます。◼︎「IT戦略ナビwith」でIT戦略マップを出力する
……無料の診断ツールに自社の情報を入力するだけでIT戦略マップが出力され、交付申請時に提出することで加点対象となります。専門家への相談や費用負担が発生しないため、申請を検討し始めた時点でまず取り組んでおきたい項目です。
◼︎「成長加速マッチングサービス」に会員登録し、課題を掲載する
……会員登録を行い、自社の挑戦課題を「掲載中」のステータスで登録しておくことで加点対象となります。登録自体はオンラインで完結しますが、交付申請締切日時点で「掲載中」になっていることが条件のため、締切直前ではなく早めの登録が安全です。
◼︎「省力化ナビ」で解決策のPDFをダウンロードする
……省力化ナビを活用し、自社の課題に対する「解決策」のPDFをダウンロードすることで生産性向上の知見を確認したとみなされ、加点対象となります。ダウンロード時に申請に使用するGビズIDプライムを入力する必要があるため、事前にGビズIDを取得しておくことが前提条件になります。
新しい加点項目も要注目
近年の公募回では、従来の加点項目に加えて新たな項目も設けられるようになりました。以下の4項目は、特に見落とされやすい一方で、対応しておくことで他の申請者と差をつけやすいものです。◼︎デジタル化セカンドオピニオン
……確認者との面談を経てから交付申請を行う取り組みで、認知度がまだ低く対応している事業者が限られているため、早めに取り組むことで他の申請者との差をつけやすくなります。面談の完了が加点の条件となるため、申請締切から逆算して早めに確認者へのアプローチを始める必要があります。
◼︎事業場内最低賃金の引き上げ(複数パターンの賃上げ計画)
……事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる賃上げ計画については、申請額や過去の交付決定歴に応じて複数のパターンが用意されており、達成できる見込みが高い場合は積極的に活用する価値があります。ただし、賃上げ加点は未達成の場合に他の補助金にも影響する減点措置が設けられているため、確実に実現できる範囲で計画することが欠かせません。
◼︎健康経営優良法人の認定
……日本健康会議が認定する制度で、申請前から準備を進めていないと交付申請のタイミングまでに認定を取得できないことがあります。取得までに一定の期間を要するため、補助金の申請を検討し始めた段階で早めに準備を進めておくとよいでしょう。
◼︎えるぼし・くるみん等の認定
……女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定や、次世代法に基づく「くるみん」認定も加点対象です。いずれも自治体や労働局への申請から認定まで時間がかかる項目であるため、補助金の申請スケジュールとは別に、早めに認定取得の手続きを進めておくことが望まれます。
公募の早い回に申請する
デジタル化・AI導入補助金では、公募の早い回ほど採択率が高くなる傾向が見られます。予算に余裕がある序盤の締切では採択枠に対する競争が緩やかになりやすく、後半になるほど申請数が積み重なって競争が激しくなっていくためです。早期申請を実現するためには、前倒しの準備が何よりも重要になります。加えて、加点項目の事前取得や、導入するITツールの選定、事業計画書の骨子作りといった準備も、公募要領の公開前から進めておくことで、早い締切回に余裕を持って申請できるようになります。
減点項目に該当していないか事前確認する
採択率を高めるには、加点を積むことと同じくらい、減点を避けることが大切です。公募要領では複数の減点項目が明示されており、これらに複数該当すると採択の可能性は大きく下がってしまいます。とくに注意したいのは、賃上げ計画の加点を受けて採択されたにもかかわらず、その後に目標を達成できなかった場合の減点です。この減点は同じ補助金だけにとどまらず、ものづくり補助金など中小企業庁が所管する他の補助金でも一定期間にわたって横断的に適用される仕組みになっているため、見落とされがちなポイントといえます。
申請前には、過去の交付決定歴や賃上げ計画の達成状況、複数枠への同時申請の有無などを一つずつ確認し、該当する項目がないかをチェックしておきましょう。
事業計画書・申請書類を専門家にチェックしてもらう
デジタル化・AI導入補助金は、申請する事業者自身が単独で書類を仕上げるのではなく、専門家の視点を借りながら準備を進めることで、質を高めやすくなります。とくに事業計画書は、経営課題の定量化やITツールとの結びつきの明確さが評価の軸となるため、自社の視点だけでは客観性を保ちにくい面があります。実績のある専門家に相談すれば、加点項目の取得状況の整理から事業計画の論理構成の見直しまで、幅広い観点でサポートを受けられます。
申請までの時間に余裕がある段階から専門家に相談しておくことで、書類の完成度を高めながら、無理のないスケジュールで準備を進めることができるでしょう。
まとめ
デジタル化・AI導入補助金は、かつて7割前後だった採択率が2025年には4割台まで落ち込みました。採択率の低下には審査の厳格化や過去採択者への減点措置といった制度側の変化が関係しており、対象外条件・不採択条件・減点条件を正しく理解したうえで、加点項目の取得や事業計画書の作り込みを進めることが通過率を高めるためのポイントです。とはいえ、こうした条件は年度・回次によって細かく更新されるうえ、事業計画書の書き方一つで評価が大きく変わるため、自力での対応には限界があります。国内最大の行政書士検索サイト「申請Navi」では、補助金申請のサポート実績が豊富な行政書士を分野・地域から探すことができます。デジタル化・AI導入補助金の申請を検討している方は、ぜひご活用ください。