車検の印紙代とは
車検費用の見積書に記載されている「印紙代」とは、いったい何のための費用なのでしょうか。自動車重量税や自賠責保険料と並んで請求されることが多いため混同されがちですが、それぞれ性質がまったく異なります。印紙代=検査手数料(法定費用)
車検の印紙代とは、国土交通省(および独立行政法人自動車技術総合機構)が定めた検査手数料です。車検とは、国が自動車の安全基準への適合を確認する行政サービスであり、その対価として支払う手数料が印紙代にあたります。車検にかかる費用は、大きく3つに分けられます。
| 費用内訳 | 概要 |
|---|---|
| 法定費用 | 自動車重量税・自賠責保険料・印紙代(検査手数料) |
| 車検基本料 | 業者への点検・検査の作業料金 |
| 整備・部品交換費用 | 不具合箇所の修理や消耗品の交換費用 |
よく混同される自動車重量税は、車の重量に応じて課される税金です。エコカー減税などの適用によって金額が変わることもあります。自賠責保険料は、交通事故の被害者を救済するための強制加入保険の保険料です。どちらも印紙代とは別の費用で、仕組みも納付先もまったく異なります。
法定費用の中での印紙代の位置づけ
車検の「法定費用」は3種類あり、金額はすべて法律で定められているため業者によって変わりません。法定費用の種類 | 金額の目安 (普通車・継続検査) | 納付先 | 業者による変動 |
自動車重量税 | 車両重量・年式・エコカー区分による | 国(税金) | なし |
自賠責保険料 | 24ヶ月:17,650円(2025年4月〜) | 保険会社 | なし |
印紙代(検査手数料) | 1,850〜2,600円(申請方法による) | 国・NALTEC | 申請方法により異なる |
重量税の仕組みや金額、節約方法は重量税の解説記事にて解説しておりますので併せて確認しましょう。
車検の必要書類や手続きのポイントは車検の解説記事で詳しく解説しておりますので、併せてご参考ください。
なお、2026年以降はディーラーや整備工場から車検の書類代行を断られるケースも増えています。理由や対処法については、【2026年最新】車検代行をディーラーや整備工場に断られる理由で詳しく解説しています。
印紙代が車検を受ける場所で変わる理由
印紙代が場所によって異なるのは、どこで・どのように検査を行うかによって、手数料の納付先と内訳が変わるためです。車検には主に2つのルートがあります。
■認証工場(一般の整備工場)やユーザー車検
……国の機関(NALTEC=自動車技術総合機構)が直接検査を行う
■指定工場(民間車検場・ディーラーなど)
……工場で検査し、発行する書類(保安基準適合証)をもって車検完了とする
持込検査では、国(運輸支局)への手数料と、NALTECへの審査手数料の両方を納付します。一方、指定工場では実車持込がない分、NALTECへの審査手数料(自動車審査証紙)の金額が少なくなるため、合計額が安くなります。
さらに、OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を使ってオンラインで申請すると、窓口申請よりも手数料が引き下げられるため、最も安い金額になります。
また、車両の構造変更を伴う場合は通常の継続検査とは異なり、検査内容や手数料も変わります。こうしたケースに該当するかどうかは見落としやすいため、構造変更車検の必要条件と費用もあわせて確認しておきましょう。
【金額一覧】車種別・申請方法別の印紙代
車検の印紙代は「どこで受けるか」と「どのように申請するか」の2つの条件で金額が変わります。以下の金額は国土交通省の公表資料に基づくもので、2026年4月1日より法定手数料が改定されています。現行金額と改定後の両方を確認しておきましょう。※参考:自動車の登録・検査の法定手数料変更について(国土交通省)、運輸支局等へ持込検査をされる方へのご案内(国土交通省)
認証工場・ユーザー車検(持込検査)の印紙代
一般の整備工場(認証工場)やユーザー車検で運輸支局に実車を持ち込む場合、自動車検査登録印紙(国へ納付)と自動車審査証紙(NALTECへ納付)の2種類を購入して納付します。継続検査(通常の車検更新)の場合、金額は以下のとおりです。| 車種 | 現行(〜2026年3月) | 改定後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 普通自動車(3ナンバー) | 2,300円(国500円+NALTEC1,800円) | 2,600円(国600円+NALTEC2,000円) |
| 小型自動車(5ナンバー・二輪以外) | 2,200円(国500円+NALTEC1,700円) | 2,500円(国600円+NALTEC1,900円) |
| 軽自動車 | 2,200円(軽検協1,800円+NALTEC400円) | 2,500円(軽検協2,100円+NALTEC400円) |
| 小型二輪(バイク) | 1,800円(国500円+NALTEC1,300円) | 2,100円(国600円+NALTEC1,500円) |
指定工場・ディーラーで車検を受ける場合の印紙代
ディーラーや車検専門チェーン(指定工場、民間車検場とも)で車検を行い、保安基準適合証を提出する場合は、はじめに説明したとおり法定費用が安くなります。上記のように手続きする場合の印紙代は下記の表のとおりです。| 車種 | 現行(〜2026年3月) | 改定後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 普通自動車 | 1,800円(国1,400円+NALTEC400円) | 2,100円(国1,700円+NALTEC400円) |
| 小型自動車(二輪以外) | 同上 | 同上 |
| 軽自動車 | 1,800円(軽検協1,400円+NALTEC400円) | 2,100円(軽検協1,700円+NALTEC400円) |
| 小型二輪(バイク) | 1,200円(国1,200円+NALTEC0円) | 1,500円(国1,500円+NALTEC0円) |
OSS申請の印紙代
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)とは、車検に関連する複数の手続きをインターネット上でまとめて行える国のオンラインシステムです。OSS申請では、電子車検証に記録された車両情報を利用する場面もあります。電子車検証の仕組みや、従来の紙の車検証との違いについては、電子車検証の特徴と使い方を解説した記事で詳しく解説しています。
OSS申請を利用すると、窓口申請より手数料が引き下げられるため、最も安い金額で車検を受けられます。指定工場での車検(保安基準適合証の提出)の場合の金額は以下のとおりです。
| 車種 | 現行(〜2026年3月) | 改定後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 普通自動車 | 1,600円(国1,200円+NALTEC400円) | 1,850円(国1,450円+NALTEC400円) |
| 小型自動車(二輪以外) | 1,600円(国1,200円+NALTEC400円) | 1,850円(国1,450円+NALTEC400円) |
| 軽自動車 | 1,600円(軽検協1,200円+NALTEC400円) | 1,850円(軽検協1,450円+NALTEC400円) |
| 小型二輪(バイク) | OSS申請非対応 | OSS申請非対応 |
トラック・貨物車・商用車の印紙代(参考)
事業用・商用車(1ナンバー・4ナンバー等)の印紙代は、乗用車とは区分が異なります。 以下は持込検査(継続検査)の参考金額です(2026年4月改定後)。車種・区分 | 2026年4月以降の目安 |
普通貨物自動車(1ナンバー・車両総重量8t未満) | 約2,600〜2,700円 |
小型貨物自動車(4ナンバー) | 約2,500円 |
大型貨物自動車(車両総重量8t以上) | 約3,000円前後 |
大型特殊自動車 | 約2,500円前後 |
| 軽貨物自動車(軽トラ等) | 2,500円(軽自動車と同様) |
構造変更検査・新規検査の印紙代
自動車を所有・使用しているあいだに必要となる通常の車検更新(継続検査)以外にも、車検を受け、印紙代を支払うことがあります。たとえば、中古車を購入して名義変更する場合は、車両が一時抹消されており、新規検査(中古新規登録)が必要になることがあります。ほかに、架装や改造によって車の寸法・最大積載量などが変わった場合にも、車検を受ける必要があります。
上記のような場合の持込検査の金額は下の表のとおりで、継続検査より高くなります。
| 車種 | 現行(〜2026年3月) | 改定後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 普通自動車 | 2,600円(国500円+NALTEC2,100円) | 2,900円(国600円+NALTEC2,300円) |
| 小型自動車(二輪以外) | 2,500円(国500円+NALTEC2,000円) | 2,800円(国600円+NALTEC2,200円) |
| 軽自動車 | 2,300円(軽検協1,900円+NALTEC400円) | 2,800円(軽検協2,400円+NALTEC400円) |
| 小型二輪(バイク) | 2,100円(国500円+NALTEC1,600円) | 2,400円(国600円+NALTEC1,800円) |
なお、車両の改造や架装によってサイズ・用途・最大積載量などが変わった場合は、通常の車検とは別に「構造変更車検」が必要になります。対象となるケースや必要書類、手続きの流れについては、構造変更車検とは?費用・必要書類・手続きの流れで詳しく解説しています。
軽自動車の印紙代は普通車とほぼ同水準ですが、軽自動車だけで詳しく知りたい方はこちらで解説しています。
軽自動車の車検印紙代の詳細を見る
車検の印紙代を経費処理する方法【勘定科目・仕訳・消費税区分】
社用車の車検費用を経費処理する際、印紙代の会計処理を正しく行うためのポイントをまとめます。勘定科目は「租税公課」
車検の印紙代(自動車検査登録印紙・自動車審査証紙)は、国や独立行政法人に納付する公的な検査手数料です。税金・公的手数料の性格を持つため、勘定科目は 「租税公課」 として処理するのが適切です(「車両費」ではありません)。自動車重量税も同様に「租税公課」ですが、印紙代とは別の費用です。見積書上でまとめて記載されている場合でも、自動車重量税と印紙代を区分して計上することが望ましいです。
消費税区分は「不課税」
印紙代の消費税区分は 「不課税取引」 です。非課税(自賠責保険料)とは異なり、そもそも消費税の課税対象外の取引として分類されます。| 費用の種類 | 勘定科目 | 消費税区分 |
| 印紙代(検査手数料) | 租税公課 | 不課税 |
| 自動車重量税 | 租税公課 | 不課税 |
| 自賠責保険料 | 保険料 | 非課税 |
| 点検・整備費用 | 車両費 / 修繕費 | 課税 |
| 代行手数料 | 支払手数料 | 課税 |
車検の印紙代に関するよくある疑問/Q&A
車検の印紙代については、金額や支払い方法、経費処理の方法など、さまざまな疑問が寄せられます。ここでは特によく検索されている5つの質問に答えます。Q. 車検の印紙代は値上がりした?
A. はい、直近では2回の改定が行われています。1回目は2023年1月1日施行の改定で、それまで長年据え置かれていた手数料が車種・申請方法によって100〜400円程度引き上げられました。2回目は2026年4月1日施行の改定で、国土交通省が「近年の人件費・物価の上昇に伴う施設・設備・機器の老朽化更新費および自動車検査登録情報処理システムの維持費の増加等に対応するため」と理由を公表しており、さらに200〜300円程度の値上げとなっています。
Q. 車検の印紙代はクレジットカードや電子マネーで支払える?
A. 印紙・証紙そのものは、原則として現金での購入のみです。自動車検査登録印紙と自動車審査証紙は、運輸支局内の販売窓口で現金を払って購入する仕組みになっており、クレジットカードや電子マネーには対応していません。ユーザー車検で自分で用意する場合は、当日の現金を忘れずに準備する必要があります。
ただし、ディーラーや車検チェーンに車検を依頼する場合は、業者への支払い全体(印紙代を含む車検費用の合計)をカード払いできるケースもあります。これは業者がいったん立て替えて処理するためです。カード払いを希望する場合は、事前に依頼先に確認しておきましょう。
なお、OSS申請では印紙・証紙の購入が不要となり、手数料をPay-easy(ペイジー)などで電子納付できるため、現金を用意しなくてよい点もOSSのメリットのひとつです。
Q. ユーザー車検で印紙を自分で用意するには?
A. 当日、運輸支局内の窓口で購入できます。事前に用意する必要はありません。ユーザー車検の当日、運輸支局に到着したら構内または周辺にある印紙・証紙の販売窓口に立ち寄り、検査種別と車種を伝えて必要な金額分を購入します。
購入後は、窓口で受け取った「手数料納付書(OCRシート)」の所定欄にそれぞれ貼付します。印紙と証紙は貼付欄が別々になっているので、間違えないように確認しながら貼りましょう。
Q. 車検費用の見積書にある「証紙代」と印紙代は別物?
A. 別物ではありません。「証紙代」は印紙代の内訳のひとつです。前述のとおり、車検の印紙代は「自動車検査登録印紙」と「自動車審査証紙」の2種類を合算したものです。業者によって見積書の記載方法が異なるため、以下のようにさまざまな書き方がされています。
- 「印紙代 2,300円」と1行にまとめて記載するケース
- 「印紙代 500円/証紙代 1,800円」と2行に分けて記載するケース
- 「検査登録印紙代」「自動車審査証紙代」と正式名称で記載するケース
まとめ
車検の印紙代は、国や自動車技術総合機構(NALTEC)に納付する法定の検査手数料です。受ける場所や申請方法によって金額が異なり、認証工場・ユーザー車検(持込検査)が最も高く、指定工場・ディーラー経由、OSS申請の順に安くなります。また、2026年4月1日の法定手数料改定により、すべての区分で200〜300円程度引き上げられています。車検手続きや自動車登録に関する申請を専門家に任せたい場合は、申請取次行政書士への依頼も選択肢のひとつです。国内最大級の行政書士検索サイト「申請Navi」では、自動車登録・車検手続きに対応した行政書士を地域・分野から簡単に検索できます。手続きに不安を感じたときは、ぜひご活用ください。
手続き内容や地域、行政書士事務所によって、費用や対応範囲は大きく異なります。
「どこに頼めばいいかわからない」「費用感を知りたい」という方は、まずは概算費用や対応可否を確認してみましょう。