永住権取得・配偶者などの呼び寄せで必要になる身元保証書とは
日本の在留資格(いわゆるビザ)を取得・更新する際に必要となる身元保証書とは、日本に在留する外国人の「滞在費」「帰国旅費」「法令の遵守」の3点を、身元保証人が責任をもって保証することを法務大臣に宣言する書類です。身元保証人は日本国内に住所を持つ日本人または永住者(特別永住者を含む)が担い、書面には保証人となる人物が自ら署名・押印しなければなりません。なお、身元保証書の提出が必要となるのは、入管法別表第二に定められた「身分・地位に基づく在留資格」の申請をする場合です。出入国在留管理庁の在留資格一覧表によれば、該当する在留資格は以下のとおりです。
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
※参考:在留資格一覧表(出入国在留管理庁)
行政書士法改正後の身元保証書作成のポイント
2026年1月、行政書士法の改正が施行されました。内容に大きな変化はないものの、悪質な無資格業者の増加を受け、入管手続きのための書類作成・申請取次などを代行できるのは行政書士など申請取次者として認められた者だけであることが改めて強調されています。※参考:行政書士制度(総務省)、行政書士法の一部を改正する法律案新旧対照表
身元保証書の作成に関する変更はない
今回の改正で最初に確認しておきたいのは、身元保証書の取扱いそのものに変更はないという点です。改正の前後を問わず、身元保証書は身元保証人本人が作成・署名する書類であり、行政書士の業務範囲には含まれません。行政書士が担えるのは、身元保証人探しへのアドバイス、身元保証書の記載内容の確認・指導、そして申請書をはじめとする他の在留資格関係書類の作成・収集と申請取次です。署名・押印だけは、いかなる理由があっても保証人本人以外が行うことはできません。この原則は改正前から変わりません。
<参考>【2026年施行】行政書士法改正で何が違法に?変更点と注意点を解説
支援業者や親族に依頼できること・できないこと
永住権取得や配偶者の呼び寄せなどのための入管手続きは、身元保証書の作成だけに留まりません。支援業務を担う業者や本人の親族に依頼できることを、下の表にあるように全体で捉えることが大切です。| 業務内容 | 行政書士への依頼 | 支援業者や親族に依頼 |
|---|---|---|
| 在留資格申請書類一式の作成 | 可 | 行政書士が関与する場合のみ可 |
| 身元保証書の書き方確認・アドバイス | 可 | 可 |
| 身元保証書への署名・押印 | 不可 | 不可(身元保証人のみ可) |
| 申請取次(入管への提出代行) | 可(申請取次行政書士) | 申請人が16歳未満の場合などに限り、法定代理人や親族(配偶者・子・父又は母など)なら可 |
申請取次者でない業者に依頼するとどうなる?
申請取次の資格を持たない業者に手続きを任せることは、思わぬリスクを招きます。最大の問題は、上陸許可基準や在留審査の実務に関する知識が不十分なまま対応されてしまう点です。直接的に違法な行為をしないとしても、複数の外国人申請者に対して同一人物を身元保証人として紹介するといった対応は、入管の審査がかえって厳しくなる原因になります。
入管の審査が長引いたり、不許可になったりした場合に起こりうることは、決して軽くありません。一時帰国を余儀なくされるケースや、審査期間の長期化により外国人名義での融資契約など生活上の重要な予定に影響が出るケースも実際に起きています。
信頼できる申請取次行政書士に依頼することが、結果として最もリスクの少ない選択です。
ビザ申請で必要となる身元保証書の書き方
身元保証書は、法務省が定めた所定の様式に必要事項を記入して提出します。様式自体はシンプルですが、記入ミスや有効期限切れが原因で書類の再提出を求められるケースも少なくありません。スムーズに在留の許可を得るため、各項目の意味と正しい書き方をあらかじめ把握しておきましょう。
※参考:身元保証書の様式(法務省)
身元保証書に必要な項目
法務省所定の様式には以下の8項目が設けられています。- 記入年月日
- 被保証人(外国人)の国籍
- 被保証人(中長期滞在者または日本人)の氏名
- 身元保証人の氏名(および押印)
- 身元保証人の住所・電話番号
- 身元保証人の職業・勤務先名・勤務先電話番号
- 身元保証人の国籍(在留資格・期間)
- 被保証人との関係
各項目の記載方法
身元保証書の記載項目には、それぞれ記入時の注意点やポイントがあります。詳しくは下記のとおりです。①記入年月日
……身元保証書は私文書に分類されるため、法律上の有効期限は定められていません。ただし、入管実務では他の添付書類との整合性から、申請日に近い日付のものが求められます。申請直前に記入するのが確実です。複数名分をまとめて作成する場合も、それぞれ申請のタイミングに合わせて日付を入れるよう注意してください。
②被保証人の国籍
……申請人(外国人本人)のパスポートに記載された国籍をそのまま記入します。日本語での国名表記が難しい場合は、パスポートの英語表記(例:China、Philippines、Viet Nam など)を記載しても差し支えありません。
③被保証人の氏名
……パスポートに記載されているとおりのローマ字で記入します(例:WANG Fang)。在留カードの氏名表記と異なる場合はパスポート表記を優先してください。
④身元保証人の氏名・押印
……必ず保証人本人が自筆で署名します。ゴム印・スタンプ・代筆はいずれも不可です。押印については、各申請共通様式(永住許可申請を除く)では認印で差し支えありません。永住許可申請の場合は、地方出入国在留管理局によって実印と印鑑証明書の提出を求められることがあるため、事前に提出先に確認しましょう。
⑤住所・電話番号
……住民票に記載された住所を正確に記入します。身元保証書に記載する住所と、身分証明書(運転免許証の写し等)の住所が一致していることを必ず確認してください。電話番号は入管から確認の連絡が入ることがあるため、確実に連絡のとれる番号を記入します。
⑥職業・勤務先
……身元保証人の現在の職業と勤務先名・勤務先電話番号を記入します。自営業の場合は屋号または法人名を記入します。年金受給者や無職の場合は「無職」または「年金受給者」と記入して差し支えありません。身元保証人には滞在費や帰国旅費を支弁できるだけの経済力が求められるため、安定した収入と継続的な納税実績があることが実務上の目安となります。
⑦国籍(在留資格・期間)
……日本人の場合は「日本」と記入し、在留資格欄は空欄のままで問題ありません。永住者の場合は国籍・「永住者」・在留カードに記載された在留期限を正確に記入してください。
⑧被保証人との関係
……申請人との関係を具体的に記入します(例:夫、妻、父、母 など)。「日本人の配偶者等」での申請であれば「夫」または「妻」と明記します。「定住者」での申請の場合は「父」「母」など扶養関係を示す続柄を記入します。関係性が明確であるほど、審査での確認がスムーズです。
まとめ
身元保証書は、永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等の在留資格を申請する際に必要となる書類です。最も大切なポイントは、書面への署名・押印は身元保証人本人が行わなければならないという点です。行政書士であっても、支援業者であっても、保証人に代わって署名することはできません。この原則は、2026年1月の行政書士法改正の前後を通じて変わりません。外国人の永住・定住、配偶者の在留資格取得などは、呼び寄せる人や本人に対する審査が厳しいため、専門家に相談するのが無難です。在留資格の申請手続きに精通した行政書士をお探しの方は、国内最大の行政書士検索サイト「申請Navi」でお探しください。