【2026年最新】物流事業者が使える補助金一覧|運送・倉庫業の対象設備と申請代行・費用の目安

【2026年最新】物流事業者が使える補助金一覧|運送・倉庫業の対象設備と申請代行・費用の目安
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、2026年4月からは改正物流効率化法によって、一定規模以上の荷主や物流事業者に物流効率化の取り組みが本格的に求められるようになりました。人手不足への対応や荷待ち時間の削減に向けて、設備投資やDXを進める物流事業者にとって、補助金は心強い支えになります。
 
2026年9月下旬からは、物流向けの補助金と汎用型の補助金の公募が集中しており、申請期間が10日ほどしかない制度や先着順の制度もあります。ここでは、運送業・倉庫業の事業者が使える補助金の対象設備や補助率、申請の注意点に加え、行政書士に依頼できる範囲と費用の目安をわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 2026年は、運送業・倉庫業の省力化や物流効率化に活用できる補助金が複数公募されています。テールゲートリフターや配車・動態管理システム、自動倉庫、搬送ロボットなど、制度によって対象となる設備や補助率、申請要件は異なります。特に9月下旬から12月にかけて申請が集中し、約10日間しか申請できない制度や、予算に達し次第終了する先着順の制度もあるため、導入したい設備と利用できる補助金を早めに確認し、申請準備を進めることが重要です。
利用できる補助金があっても、自動的に受け取れるわけではありません。「対象だったのに申請期限を過ぎていた」というだけで、数十万・数百万円規模の支援を取り逃す可能性もあります。まずは申請できる補助金がないか確認しましょう。
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物流事業者向け補助金の公募スケジュール早見表(2026年9月時点)

物流事業者が使える補助金は、2026年9月下旬から12月にかけて申請期間が集中しています。締切の早い順に並べると、主な制度のスケジュールは次のとおりです。
 
補助金名主な対象申請期間補助率
トラック輸送省エネ化推進事業(4次)荷主等と連携して輸送効率化に取り組むトラック事業者・荷主など9月28日 〜10月7日16時定額(2分の1以内)
中小企業省力化投資補助金 (一般型第8回)人手不足の解消に向けて省力化設備を導入する中小企業など9月18日 〜10月16日17時2分の1〜3分の2(事業者の規模や特例の有無による)
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)新製品・新サービスの開発や新事業に取り組む中小企業など9月30日 〜10月30日18時2分の1〜3分の2(申請枠や事業者の規模による)
中小物流事業者の労働生産性向上事業(2次)中小トラック運送事業者など9月28 〜11月27日17時(先着順)2分の1または4分の1
小規模事業者持続化補助金(一般型 第20回)小規模事業者11月5日 〜12月15日17時3分の2以内(賃金引上げ特例の赤字事業者は4分の3以内)
低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業中小トラック運送事業者受付中 〜2027年1月29日定額(車両区分ごと)
 
表の申請期間は、あくまで受付の最終期限です。中小物流事業者の労働生産性向上事業は書類を受理した順に審査され、期間内でも予算額に達した時点で受付が締め切られます。低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業も、予算の残りが2割程度になると申込順の審査から抽選を含む方式に切り替わるため、検討中の方は早めに準備を始めておくと安心です。
 
関連記事:【2026年版】中小企業向け補助金一覧|主要制度・対象・申請ポイントを解説
利用できる補助金があっても、自動的に受け取れるわけではありません。「対象だったのに申請期限を過ぎていた」というだけで、数十万・数百万円規模の支援を取り逃す可能性もあります。まずは申請できる補助金がないか確認しましょう。
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【テールゲートリフター・配車システム・免許取得費用】中小物流事業者の労働生産性向上事業

中小物流事業者の労働生産性向上事業は、国土交通省が中小トラック運送事業者の経営改善を目的に実施している補助金です。テールゲートリフターなどの荷役機器に加え、配車計画や車両動態管理といった業務システム、原価管理システム、M&A、求人活動、ドライバーの免許取得まで、幅広い取り組みが補助対象になっています。
 
2026年(令和8年)9月28日からは2次公募が始まっており、申請書類を受理した順に処理される先着順の方式です。予算額に達した時点で受付が締め切られるため、締切日より前に終了する可能性もあります。
制度の概要は次のとおりです。
 
項目内容
補助金の名称物流効率化等推進事業費補助金 中小物流事業者の労働生産性向上事業(テールゲートリフター等導入等支援)
対象者中小トラック運送事業者(事業によっては、連携する荷主企業・倉庫事業者・元請トラック運送事業者、リース事業者、人材育成機関なども対象)
枠の種類車両の効率化設備の導入等事業、業務効率化事業、経営力強化事業、人材確保・育成事業の4事業(全13メニュー)
補助率導入費用等の2分の1または4分の1(メニューにより異なる)
補助上限額メニューごとに設定
補助対象経費テールゲートリフター、トラック搭載型クレーン、業務効率化システム、原価管理システム、M&A、求人活動、人材育成、中型・大型・けん引免許やフォークリフト運転資格の取得など
申請方法執行団体(日本能率協会コンサルティング)のWEB申請フォームから申請
公募スケジュール2次募集:2026年9月28日14:00〜11月27日17:00必着(先着順)/補助対象期間:2026年2月7日〜11月27日
 
※参考:「中小物流事業者の労働生産性向上事業(テールゲートリフター等導入等支援)」の2次公募を実施します(国土交通省)国土交通省 中小物流事業者の労働生産性向上事業(国土交通省)

制度の補助率

中小物流事業者の労働生産性向上事業の補助率は、導入費用等の2分の1または4分の1です。どちらの補助率が適用されるかは、導入するメニューによって異なります。メニューごとの補助率と上限額は執行団体が公開する交付規程と公募要領に定められているため、申請前に自社の導入予定がどの区分に当たるかを確認しておく必要があります。
 
補助対象事業は、複数のメニューに重ねて申請できる場合があります。たとえば、テールゲートリフターの導入と配車計画システムの導入を同じ年度に予定している事業者なら、別々のメニューとして補助を受けられる可能性があります。組み合わせの可否は公募要領で個別に定められているので、あわせて確認しておくと安心です。

補助対象になる設備・経費

中小物流事業者の労働生産性向上事業における補助対象は、4つの事業と13のメニューに分かれています。車両設備やシステムだけでなく、M&Aや人材確保まで対象になっている点が、ほかの物流向け補助金との大きな違いです。各メニューの内容は次の表のとおりです。
 
事業区分補助対象メニュー
車両の効率化設備の導入等事業①テールゲートリフター、②トラック搭載型クレーン、③トラック搭載用2段積みデッキ、④ダブル連結トラック
業務効率化事業⑤物流連携最適化システム(予約受付システム、受注情報事前確認システムなど)、⑥業務効率化システム(配車計画システム、運行・労務管理システムなど)、⑦車両動態管理システム
経営力強化事業⑧原価管理システム、⑨M&A
人材確保・育成事業⑩人材確保(求人活動など)、⑪人材育成、⑫中型免許・大型免許・けん引免許・フォークリフト運転資格、⑬外免切替等教習
 
①テールゲートリフター、②トラック搭載型クレーン、③トラック搭載用2段積みデッキについては、執行団体が型式一覧を公開しています。購入を検討している機器が一覧に載っているかどうかを、発注前に確認しておかなくてはなりません。
 
⑦の車両動態管理システムは、⑤の物流連携最適化システムまたは⑥の業務効率化システムと同時に導入する場合に限って補助対象になります。車両の位置を把握するシステムだけを入れても補助は受けられないため、配車計画や予約受付などのシステムとあわせた導入計画を立てることになります。

制度の利用要件

中小物流事業者の労働生産性向上事業による補助を申請できるのは、原則として中小トラック運送事業者です。ただし、メニューによってはトラック運送事業者以外も申請者になれます。

倉庫事業者・荷主企業が申請できるケース

前章の表⑤〜⑦のシステム系メニューでは、中小トラック運送事業者と連携して⑤の物流連携最適化システムを導入する元請トラック運送事業者、荷主企業、倉庫業者も申請できます。倉庫業を営む事業者が単独で使える補助金ではありませんが、取引先の運送会社と一緒にバース予約システムなどを導入する場面では、活用の余地があります。
 
表⑨のM&Aでは譲受人(買い手)、⑪の人材育成では講習を実施する人材育成機関も申請の対象です。

人材確保・育成メニューには宣言や認証が必要

前章の表⑩〜⑬の人材確保・育成事業を申請するには、中小トラック運送事業者であることに加え、次のいずれかに該当している必要があります。
 
  • 「ホワイト物流」推進運動の自主行動宣言を行っている
  • 働きやすい職場認証制度による認証を取得している
  • パートナーシップ構築宣言を行っている
 
免許取得費用の補助を受けたいと考えていても、これらの宣言や認証がなければ申請できません。自主行動宣言やパートナーシップ構築宣言はWeb上で手続きできますが、申請の準備と並行して早めに済ませておく必要があります。

補助対象期間と先着順の受付に注意

補助の対象になるのは、2026年2月7日から11月27日までに実施した導入や取り組みです。この期間より前に購入した機器は対象外となります。また、2次募集は申請書類を受理した順に処理され、予算額に達した時点で受付が締め切られます。11月27日が締切だからといって準備を後回しにすると、申請する前に受付が終了してしまうおそれがあります。
利用できる補助金があっても、自動的に受け取れるわけではありません。「対象だったのに申請期限を過ぎていた」というだけで、数十万・数百万円規模の支援を取り逃す可能性もあります。まずは申請できる補助金がないか確認しましょう。
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【動態管理・バース予約システム・ダブル連結トラック】トラック輸送省エネ化推進事業

トラック輸送省エネ化推進事業は、経済産業省(資源エネルギー庁)と国土交通省が連携して実施している補助金です。トラック事業者と荷主等が連携して輸送を効率化し、燃料の使用量を減らす取り組みを後押しする制度で、車両動態管理システムや予約受付システム、配車計画システムといった輸送効率化システムのほか、ダブル連結トラックやスワップボディコンテナ車両の導入費用も補助対象になります。
 
2026年(令和8年)度は9月28日から4次公募が始まりますが、申請期間は10月7日16時までの約10日間しかありません。申請には連携先の荷主等との調整や事前の運行データの整理が必要になるため、早めの準備が欠かせない制度です。
制度の概要は次のとおりです。
 
項目内容
補助金の名称運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金(トラック輸送省エネ化推進事業)
対象者貨物自動車運送事業者などのトラック事業者、荷主等(発荷主・着荷主・元請事業者)、リース事業者
枠の種類輸送効率化システムの導入、高輸送効率車両の導入
補助率定額(2分の1以内)
補助上限額システム・車両の種類ごとに設定(例:ダブル連結トラック・スワップボディコンテナ車両は1台あたり1,000万円、1事業者10台まで)
補助対象経費車両動態管理システム、予約受付システム等、配車計画システム、AI・IoTによるシステム連携ツール、ダブル連結トラック、スワップボディコンテナ車両の導入費用
申請方法補助事業ホームページから申請書類をダウンロードし、電子申請システムにアップロード
公募スケジュール4次公募:2026年9月28日10:00〜10月7日16:00/実績報告期限:2027年1月15日
 
※参考:輸送効率化を通じた更なる省エネ化に必要なシステムや車両に対する導入補助の4次公募を開始します!~令和8年度「トラック輸送省エネ化推進事業」~(国土交通省)令和8年度「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金(トラック輸送省エネ化推進事業)」の4次公募について(資源エネルギー庁)令和8年度トラック輸送省エネ化推進事業 公募要領(4次公募)(資源エネルギー庁・国土交通省)予約受付システム等・配車計画システムの活用を検討されている皆様への補助(資源エネルギー庁・国土交通省)

制度の補助率

トラック輸送省エネ化推進事業の補助率は、定額(2分の1以内)です。この「定額(2分の1以内)」は、システムや車両ごとに決められた補助金の上限額と、補助対象経費の2分の1のうち、いずれか低いほうの金額が補助されるという意味です。高額なシステムを導入しても、上限額を超える部分は補助されません。
 
システム・車両ごとの補助上限額は次のとおりです。
 
システム・車両補助上限額・台数の目安
車両動態管理システム1台あたり14万円、1事業者30台まで(優遇措置対象車両を含めて最大60台)
予約受付システム等1事業者あたり4,000万円(パレタイズシステムは5,000万円)
配車計画システム1事業者あたり4,000万円
AI・IoTによるシステム連携ツール1事業者あたり5,000万円
ダブル連結トラック1台あたり1,000万円、1事業者10台まで
スワップボディコンテナ車両1台あたり1,000万円、1事業者10台まで(荷台は1台あたり3基まで)
 
車両動態管理システムの上限台数は、EVなどの非化石トラックや、省エネ法の燃費基準(2025年度目標)を満たすトラックに搭載する場合に限って緩和されます。こうした優遇措置対象車両は基本の30台に含まれず、1事業者あたり最大60台まで補助を受けられます。

補助対象になる設備・経費

トラック輸送省エネ化推進事業の補助対象は、トラックの運行を効率化する輸送効率化システムと、一度に多くの荷物を運べる高輸送効率車両の2つに分かれています。各設備の内容は次の表のとおりです。
 
区分補助対象の設備
輸送効率化システム車両動態管理システム、予約受付システム等(ASNシステム、受注情報事前確認システム、パレット等管理システム、パレタイズシステムなどを含む)、配車計画システム、AI・IoTによるシステム連携ツール
高輸送効率車両ダブル連結トラック、スワップボディコンテナ車両
 
車両動態管理システムは、トラックの位置や走行状況をリアルタイムで把握するシステムです。予約受付システムは、倉庫や物流センターの荷降ろし場(バース)の利用時間を事前に予約する仕組みで、荷待ち時間の削減につながります。ダブル連結トラックは1台で大型トラック2台分の荷物を運べる車両、スワップボディコンテナ車両は荷台を切り離して積み替えられる車両です。

車両動態管理システムは単独では申請できない

車両動態管理システムを導入する場合は、予約受付システム等または配車計画システムとの連携が必須です。すでに導入済みのシステムと連携させる形でも申請できますが、車載器は燃料消費量や積載率を把握できる機器に限られます。AI・IoTによるシステム連携ツールも、ほかの輸送効率化システムと連携させる場合に限って申請が認められます。
 
一方、予約受付システム等や配車計画システムは、車両動態管理システムと連携させなくても申請できます。ただし、これらを単独で導入する場合は、少なくとも車両5台以上で取り組みを実施することが条件です。

制度の利用要件

トラック輸送省エネ化推進事業による補助は、トラック事業者と荷主等が連携して輸送の効率化に取り組むことが前提になります。トラック事業者が単独でシステムを入れるだけでは、補助の対象になりません。さらに、取り組みによる省エネ効果(トン・キロあたりの燃料削減率)について、3%以上の計画を立てて達成することも条件とされています。

倉庫事業者・荷主企業も申請者になれる

この補助金でいう荷主等とは、貨物を引き渡す発荷主、貨物を受け取る着荷主、輸送を請け負わせる元請事業者を指します。倉庫事業者や物流センターを運営する荷主も、予約受付システム等や配車計画システムであれば単独で申請できます。ただし、単独申請の場合でも、連携して事業を実施するトラック事業者を確保したうえで申請しなくてはなりません。車両動態管理システムや高輸送効率車両については、荷主等はトラック事業者との共同申請のみ認められています。

交付決定前の発注は補助の対象外

この補助金は、交付決定を受けたあとに発注・契約した設備だけが補助の対象になります。交付決定前に発注したシステムの費用は、補助を受けられません。ただし、ダブル連結トラックとスワップボディコンテナ車両に限っては、2026年4月30日以降に新車登録された車両であれば、交付決定前に導入していても申請できます。

支払い方法と実績報告の期限

補助対象経費の支払いは、すべて金融機関の振込で行う必要があります。現金などで支払った場合は、いったん返金を受けたうえで振込で支払い直すことになります。また、4次公募の実績報告の提出期限は2027年1月15日です。導入後は連携前後の運行データを取得し、省エネ効果を自己評価して報告するところまでが補助事業に含まれるため、導入スケジュールには余裕を持たせておく必要があります。

【搬送ロボット・自動倉庫など倉庫の省人化設備】中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等が、IoTやロボットなどの省力化設備を導入する費用を支援する補助金です。中小企業庁と中小企業基盤整備機構が実施しており、省力化によって生産性を高め、賃上げにつなげることを目的としています。物流業では、倉庫内の搬送や仕分け、梱包、在庫管理といった人手のかかる作業を自動化する設備の導入に活用できます。
 
この補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2つのタイプがあります。自社の現場に合わせた設備やシステムを導入できる一般型は、2026年(令和8年)9月18日から第8回公募の申請受付が始まっており、締切は10月16日17時です。
 
制度の概要は次のとおりです。
 
項目内容
補助金の名称中小企業省力化投資補助金(一般型・カタログ注文型)
対象者中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人など
枠の種類一般型(オーダーメイド・セミオーダーメイドの設備やシステム)、カタログ注文型(製品カタログに登録された省力化製品)
補助率一般型:中小企業2分の1、小規模・再生事業者3分の2(最低賃金引上げ特例の適用で中小企業も3分の2)/カタログ注文型:一律2分の1
補助上限額一般型:従業員数に応じて750万円〜8,000万円(大幅賃上げ特例の適用で最大1億円)/カタログ注文型:従業員数に応じて設定
補助対象経費一般型:機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費
申請方法電子申請(GビズIDプライムが必要)。カタログ注文型は販売事業者と共同で申請
公募スケジュール一般型:公募回制(第8回は2026年9月18日〜10月16日17:00)/カタログ注文型:随時受付
 
※参考:中小企業庁担当者に聞く | 令和8年度 中小企業省力化投資補助金[一般型](中小企業庁)トップページ(一般型)|中小企業省力化投資補助金(中小企業庁)一般型とは|中小企業省力化投資補助金(中小企業庁)

制度の補助率

中小企業省力化投資補助金の一般型の補助率は、中小企業が2分の1、小規模事業者と再生事業者が3分の2です。補助上限額は従業員数によって5段階に分かれており、大幅な賃上げに取り組む場合は上限額が引き上げられます。
 
従業員数補助上限額大幅賃上げ特例の適用時
5名以下750万円1,000万円
6〜20名1,500万円2,000万円
21〜50名3,000万円4,000万円
51〜100名5,000万円6,500万円
101名以上8,000万円1億円
 
中小企業(小規模・再生事業者を除く)は、最低賃金引上げ特例の条件を満たすと補助率が3分の2に上がります。この特例を受けるには、基本要件をすべて満たしたうえで、指定された期間に3か月以上、2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることが必要です。
 
一方、カタログ注文型の補助率は一律2分の1です。補助上限額は一般型と同じく従業員数に応じて設定されており、たとえば従業員5人以下の場合は500万円(大幅賃上げ特例の適用時は750万円)となっています。

補助対象になる設備・経費

一般型とカタログ注文型では、補助対象になる設備の考え方が異なります。カタログ注文型は、事務局の製品カタログに登録された省力化製品の中から、自社の課題に合う製品を選んで導入するしくみです。一般型は、カタログに登録されていない設備や、現場に合わせたオーダーメイド・セミオーダーメイドの設備・システムの導入に活用できます。
 
一般型では、独自の設備やシステムを組み合わせて導入できるため、倉庫業務の省力化とも相性の良い制度です。中小企業庁は活用例として、通信販売事業で自動梱包機と倉庫管理システムをオーダーメイドで開発・導入するケースを挙げています。物流業であれば、たとえば搬送ロボットや自動倉庫、仕分け・検品の自動化設備などを、自社の倉庫の動線や取扱品目に合わせて導入する場面が考えられます。
 
なお、一般型の補助対象経費は、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費です。このうち機械装置・システム構築費は必須の経費で、設備やシステムの導入を伴わない申請は認められません。

一般型とカタログ注文型の選び方

導入したい設備がすでに製品カタログに登録されている場合は、カタログ注文型のほうが手続きの負担は軽くなります。カタログ注文型は販売事業者と共同で申請し、申請書類も簡便で、いつでも申請でき、申請から最短1か月で交付決定を受けられます。一方、一般型は事業計画などの詳細な書類が必要で、交付決定までに3か月程度の審査期間がかかります。そのぶん補助上限額が高く、自由度の高い設備投資ができる点が一般型の特徴です。

制度の利用要件

中小企業省力化投資補助金の一般型は、既存事業の省力化を通じて、限られた人材でより高い付加価値を生み出し、賃上げにつなげることを目的としています。そのため、申請にあたっては賃上げを含む基本要件をすべて満たす事業計画を立てなくてはなりません。

賃上げを含む基本要件

一般型の基本要件は次のとおりです。
 
  • 労働生産性の年平均成長率を4%以上向上させる事業計画を策定し、取り組む
  • 事業計画期間内に、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる
  • 事業計画期間内に、事業場内最低賃金を事業実施都道府県の最低賃金+30円以上の水準にする
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表する(従業員21名以上の場合のみ)
 
事業計画期間中は毎年効果報告を提出し、目標が達成されなかった場合は補助金の返還を求められることがあります。大幅賃上げ特例を受けた場合も、要件を達成できなければ、通常の補助上限額との差額を返還しなくてはなりません。

第8回公募から「足下の賃上げ」も審査の対象に

第8回公募からは、補助事業の完了後の賃上げに加えて、事業の完了を待たずに実施する足下の賃上げも評価される運用に変わりました。応募申請時の直近決算期から基準年度までの1人当たり給与支給総額の伸びが、物価上昇率を上回る程度に達しない計画は、審査で大幅に不利になります。また、採択後から交付決定までの間に、足下の賃上げについて従業員へ表明することが必須とされています。

口頭審査と申請の準備

一般型では、書類審査に加えて、必要に応じてオンラインでの口頭審査が行われます。口頭審査では、審査員が法人の代表者などから事業計画の詳細をヒアリングします。社内の申請担当者は同席できますが、社外の経営コンサルタントなどは同席できません。事業計画の作成を外部に依頼する場合でも、代表者自身が計画の内容を説明できるようにしておく必要があります。
 
申請は電子申請システムで行い、GビズIDプライムのアカウントが必要です。アカウントの取得には時間がかかる場合があるため、申請を検討している場合は早めに手続きを済ませておくと安心です。なお、一般型は公募回ごとに締切が設けられており、第8回の申請締切は2026年10月16日17時となっています。

【冷凍倉庫・流通加工など新事業への設備投資】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧ものづくり補助金)

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、中小企業等が新しい製品・サービスの開発や、新たな市場への進出、海外への販路開拓に取り組む際の設備投資などを支援する補助金です。2026年(令和8年)度に、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)」と「中小企業新事業進出補助金」が統合されて新設されました。
 
物流業では、これまで手がけていなかった冷凍冷蔵倉庫の運営や、流通加工サービスへの参入といった新事業に活用できる可能性があります。補助上限額は最大9,000万円と大きく、建物の建設・改修費まで補助対象になる枠もあるため、大型の投資を検討している事業者にとって有力な選択肢です。第1回公募の申請受付は、2026年9月30日から10月30日18時までです。
 
制度の概要は次のとおりです。
 
項目内容
補助金の名称新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
対象者日本国内に本社・事業実施場所を有する中小企業等
枠の種類革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠
補助率革新的新製品・サービス枠:中小企業2分の1(条件により3分の2)、小規模事業者3分の2/新事業進出枠:中小企業2分の1(条件により3分の2)/グローバル枠:3分の2
補助上限額革新的新製品・サービス枠:最大3,500万円/新事業進出枠・グローバル枠:最大9,000万円(いずれも従業員数と賃上げ特例の適用有無により異なる)
補助対象経費機械装置・システム構築費、建物費(新事業進出枠・グローバル枠のみ)、技術導入費、知的財産関連費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費など
申請方法電子申請(GビズIDプライムが必要)
公募スケジュール第1回公募:2026年9月30日〜10月30日18:00
 
※参考:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小企業庁)新事業進出・ものづくり補助金のご案内(中小企業庁)「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」第1回公募要領を公開(中小企業庁)

制度の補助率

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の補助率は、申請する枠と事業者の規模によって異なります。革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠は中小企業が2分の1で、最低賃金の引上げに関する条件を満たすと3分の2に上がります。革新的新製品・サービス枠では、小規模事業者の補助率は3分の2です。グローバル枠は、中小企業も3分の2となっています。
 
補助上限額は、従業員数に応じて段階的に設定されています。新事業進出枠とグローバル枠の上限額は次のとおりで、補助額の下限は750万円です。
 
従業員数補助上限額賃上げ特例の適用時
1〜20人2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円
 
革新的新製品・サービス枠の上限額は、従業員の規模に応じて750万円から2,500万円です。賃上げ特例の適用を受ける場合は、上限額が100万円から1,000万円引き上げられ、最大3,500万円になります。

補助対象になる設備・経費

この補助金には3つの枠があり、それぞれ支援の目的が異なります。各枠の違いは次の表のとおりです。
支援の目的事業実施期間
革新的新製品・サービス枠自社の技術力等を生かした革新的な新製品・新サービスの開発交付決定日から10か月以内
新事業進出枠既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出交付決定日から14か月以内
グローバル枠海外市場開拓(輸出)に向けた国内体制の強化交付決定日から14か月以内
 
補助対象経費は、機械装置・システム構築費、技術導入費、知的財産関連費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費などです。新事業進出枠とグローバル枠では、事業に必要な工場や倉庫などの建設・改修にかかる建物費も対象になります。ただし、老朽化した建物の補強や雨漏りの修理のように、維持管理を目的とした修繕費は原則として対象外です。

物流業で活用しやすいのは新事業進出枠

物流事業者がこの補助金を使う場合、中心になるのは新事業進出枠です。新事業進出枠では、新たに提供する製品やサービスが自社にとって新しいものであり、かつ、その製品やサービスが属する市場も自社にとって新しいものであることが求められます。たとえば、常温の一般貨物だけを扱ってきた運送会社が冷凍冷蔵倉庫を新設して低温物流に参入するケースや、保管・配送だけを請け負ってきた倉庫会社が検品・値札付け・セット組みなどの流通加工サービスを始めるケースが考えられます。
 
一方、革新的新製品・サービス枠は、新製品・新サービスの開発を伴う取り組みが対象です。既存のサービスの生産プロセスを改善するだけの事業や、単に機械装置を導入するだけで新サービスの開発を伴わない事業は対象になりません。同業他社ですでに広く普及しているサービスの開発も該当しないため、既存の倉庫業務を効率化する設備投資であれば、前章の中小企業省力化投資補助金のほうが適している場合があります。

制度の利用要件

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を申請するには、補助事業終了後3〜5年の事業計画を作成し、その中で次の基本要件をすべて満たす必要があります。
 
  • 付加価値額の年平均成長率を4.0%以上増加させる
  • 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる
  • 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準にする
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表する
 
このほか、金融機関から資金を調達する場合は金融機関による確認書の提出が必要です。また、追加要件として、子育てや職場環境の整備に関する取り組みのいずれかを実施することも求められています。

目標未達の場合は返還義務が生じる

この補助金は、採択されて補助金を受け取れば終わりではありません。事業完了後も5年間にわたって事業化状況を報告する必要があり、賃上げや最低賃金の目標を達成できなかった場合は、補助金の一部または全額の返還を求められることがあります。賃上げ特例を受けた場合も、給与支給総額の年平均成長率6.0%以上と事業場内最低賃金+50円以上の要件が未達になると、上乗せ分を返還しなくてはなりません。事業計画の数値目標は、実現可能性を十分に検討したうえで設定することが欠かせません。

申請できない事業者と申請時の注意点

従業員が0名の事業者、みなし大企業、過去の補助金で不正や未返還がある事業者などは申請できません。新事業進出枠については、創業から1年未満の事業者も対象外です。また、採択されたからといって申請額が満額交付されるとは限らず、審査の結果、減額されたり一部の経費が対象外になったりする場合があります。
 
申請は電子申請で行い、GビズIDプライムのアカウントが必要です。アカウントの取得には時間がかかる場合があるため、第1回公募の締切である10月30日から逆算して、早めに準備を進めておく必要があります。

【小規模事業者の荷主開拓・業務効率化】小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら策定した経営計画に基づいて行う販路開拓等の取り組みや、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みにかかる経費の一部を補助する制度です。中小企業庁が実施しており、補助上限額は原則50万円ですが、特例を組み合わせると最大250万円まで引き上げられます。
 
物流業では、新しい荷主を獲得するためのチラシやホームページの制作、展示会への出展のほか、販路開拓とあわせて倉庫管理システムを導入し配送業務を効率化するといった取り組みに活用できます。2026年(令和8年)度の第20回公募は、11月5日から12月15日17時まで申請を受け付けます。
制度の概要は次のとおりです。
 
項目内容
補助金の名称小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉
対象者小規模事業者(常時使用する従業員が、商業・サービス業〈宿泊業・娯楽業を除く〉は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下。運送業は「製造業その他」の基準を用いる)
枠の種類一般型 通常枠(インボイス特例、賃金引上げ特例による上乗せあり)
補助率3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3)
補助上限額50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円を上乗せ。両特例の適用で最大250万円)
補助対象経費機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費
申請方法電子申請システムのみ(GビズIDプライムが必要。郵送での申請は不可)
公募スケジュール第20回公募:2026年11月5日〜12月15日17:00(事業支援計画書の発行受付締切:12月4日)
 
※参考:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(中小企業庁)小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 参考資料(中小企業庁)「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)」の公募要領を公開しました(中小企業庁)商工会地区 小規模事業者持続化補助金【一般型・通常枠】(中小企業庁)

制度の補助率

小規模事業者持続化補助金の補助率は、補助対象経費の3分の2です。後述する賃金引上げ特例を受ける事業者のうち、直近1期(個人事業主は直近1年間)の課税所得金額がゼロ以下の赤字事業者に限っては、補助率が4分の3に引き上げられます。
 
補助上限額は原則50万円ですが、条件を満たすと次の2つの特例による上乗せを受けられます。
 
特例上乗せ額主な要件
インボイス特例50万円2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった事業者、または2023年10月1日以降に創業した事業者が、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていること
賃金引上げ特例150万円補助事業実施期限日(2028年3月31日)を終点とした連続する12か月とその前年同月の12か月を比べて、従業員1人あたりの給与支給総額を3.0%以上増加させること
 
2つの特例をあわせて利用すると、上乗せ額は200万円となり、補助上限額は最大250万円になります。ただし、特例を希望したにもかかわらず補助事業の終了時点で要件を1つでも満たせなかった場合は、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されません。特例を使う場合は、賃上げやインボイス登録の計画を申請前に具体的に固めておく必要があります。

補助対象になる設備・経費

小規模事業者持続化補助金の補助対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8つです。いずれも経営計画に基づく販路開拓等の取り組み、またはそれとあわせて行う業務効率化の取り組みに使われる経費に限られます。
 
物流業であれば、新しい荷主に向けたチラシの作成や発送、自社のサービスを紹介するホームページの制作、物流関連の展示会への出展などが考えられます。中小企業庁の参考資料では、業務効率化の取り組み例として、倉庫管理システムのソフトウェアを新たに購入して配送業務を効率化するケースが挙げられています。ただし、業務効率化の取り組みだけでは申請できず、必ず販路開拓等の取り組みとセットで計画する必要があります。

トラックやフォークリフトは補助の対象外

物流事業者が注意しておきたいのは、自動車などの車両が補助対象外とされている点です。公募要領では、自動車、フォークリフト、キッチンカーなどが対象外経費として明記されています。老朽化した既存設備の単なる入れ替えや、貸倉庫経営のように顧客に貸し出す事業のための機械装置等も対象になりません。車両や荷役機器の導入を検討している場合は、本記事で紹介しているほかの物流業向けの補助金を検討するほうが適しています。

第20回公募での主な変更点

第20回公募では、広報費とウェブサイト関連費について、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円とされました。どちらの経費も、それだけで申請することはできず、ほかの経費と組み合わせる必要があります。また、補助対象事業の要件として、事業効果報告の時点で売上高や売上総利益が補助事業終了時よりも増加すると見込めることが明記されました。申請時には、市場や顧客ニーズの分析、新規取引や値上げの見込みといった根拠とともに、売上高・売上総利益の増加目標を補助事業計画に記載することが求められます。

制度の利用要件

小規模事業者持続化補助金を申請できるのは、常時使用する従業員が一定数以下の小規模事業者です。業種の判定について、中小企業庁の参考資料では、運送業のように商業・サービス業や製造業の定義に当てはめにくい事業は「その他」として、「製造業その他」の従業員基準を用いるとされています。そのため、運送業者であれば常時使用する従業員が20人以下であれば対象になります。なお、商工会・商工会議所の会員でなくても申請できます。
 
申請にあたっては、電子申請システムに経営計画と補助事業計画を入力したうえで、地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼し、発行を受ける必要があります。事業支援計画書は申請に必須の書類で、第20回公募の発行受付締切は2026年12月4日です。締切を過ぎると、いかなる理由があっても発行を受けられません。

その他、物流事業者が確認しておきたい補助金・助成金

ここまで紹介した制度のほかにも、物流事業者が活用できる補助金・助成金は数多くあります。車両の安全対策やIT化、冷凍冷蔵設備の更新など、目的に合わせて次の制度もあわせて確認しておくと、使える支援の幅が広がります。
 
制度名概要申請の窓口・相談先
デジタル化・AI導入補助金配車や勤怠管理、会計などの業務効率化につながるITツールの導入費用を補助。通常枠の補助額は5万円〜450万円で、補助率は2分の1(最低賃金近傍の事業者は3分の2)IT導入支援事業者(ITベンダー)のサポートを受けて共同で申請
標準仕様パレット利用促進支援事業(4次:10/2締切)標準仕様パレット(レンタルT11型)を使ったユニットロード化や一貫パレチゼーションに必要な設備の導入費用などを補助。補助率は2分の1で、パレタイザーやフォークリフトなど荷役等の効率化は上限500万円、RFIDや入出庫管理ゲートなど物流効率化の取り組みは上限1,000万円事業の特設Webサイト(執行団体:パシフィックコンサルタンツ)。予算の残額によっては締切前に受付終了
商用車等の電動化促進事業(トラック)電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)などの電動トラックと充電設備の導入費用の一部を補助一般財団法人環境優良車普及機構
事故防止対策支援推進事業(ASV・IT点呼等)衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全自動車(ASV)装置を搭載した事業用車両の新車購入費の一部を補助。トラックは1台あたり20万円(車輪脱落予兆検知装置を備えた場合は25万円)が上限。IT点呼機器など過労運転防止の機器導入を支援するメニューもある公益財団法人日本自動車輸送技術協会(ASVの申請受付は2027年1月29日17時まで。予算に達した時点で終了)
共同輸配送・帰り荷確保のデータ連携促進支援事業複数の荷主企業や物流事業者などが連携し、共同輸配送や帰り荷の確保に向けて物流・商流情報のプラットフォームを構築・運営する取り組みの経費を補助事業の特設Webサイト(執行団体:日本能率協会コンサルティング)
自然冷媒機器の導入補助(冷凍冷蔵倉庫向け)冷凍冷蔵倉庫などに、温室効果の小さい自然冷媒を使った省エネ性能の高い冷凍冷蔵機器を導入する費用の一部を補助。2026年度の秋公募は複数年度にわたる事業に限定して実施一般財団法人日本冷媒・環境保全機構
全日本トラック協会・都道府県トラック協会の助成会員事業者を対象に、安全対策や環境対策の機器導入、人材育成などを助成。対象や金額は協会ごとに異なる所属する都道府県トラック協会
自治体の燃料費支援金燃料価格の高騰対策として、都道府県や市区町村が運送事業者に支援金を支給する場合がある。実施の有無や金額、申請期間は自治体ごとに異なる事業所のある都道府県・市区町村
雇用関係の助成金(働き方改革推進支援助成金など)業種別課題対応コースでは、運送業などを対象に、労働時間の削減などに向けた設備導入や労務管理の改善にかかる費用を助成。2026年度は荷主と運送事業者が連携して荷待ち時間を削減する取り組みを支援するコースも新設都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)。申請書類の作成代行は社会保険労務士の領域
 
表のうち、厚生労働省が所管する雇用関係の助成金は、国の補助金とは申請先も書類作成を依頼できる専門家も異なります。補助金は行政書士、雇用関係の助成金は社会保険労務士と、制度ごとに相談先を使い分けることが大切です。
 
関連記事:デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の採択率は?最新データと通過率を上げるコツを行政書士が解説

物流補助金の申請を行政書士に依頼するメリットと費用目安

物流向けの補助金は、制度ごとに要件や申請方法が異なり、先着順や短い締切の制度も少なくありません。本業と並行して準備を進めるのが難しい場合は、補助金申請に対応している行政書士に相談するのも一つの方法です。ここでは、行政書士に依頼できることと、依頼する際の費用の目安を解説します。

行政書士に依頼できること

行政書士は、官公署に提出する書類の作成を業務とする国家資格者です。補助金の申請書類も官公署に提出する書類に当たるため、報酬を受け取って申請書類の作成を代行できるのは、原則として行政書士に限られます。
 
行政書士に依頼できる主な業務は、次のとおりです。
 
  • 自社の取り組みに合う補助金の選定と、公募要領に基づく要件の確認
  • 事業計画書をはじめとする申請書類の作成・作成支援
  • 見積書や決算書など添付書類の準備に関する助言
  • 採択後の交付申請、変更申請、実績報告に必要な書類の作成
 
一方で、依頼先を間違えやすい手続きもあります。厚生労働省が所管する働き方改革推進支援助成金などの雇用関係の助成金は、社会保険労務士の業務です。補助金と助成金の両方を検討している場合は、行政書士と社会保険労務士に分けて相談することになります。

事業者自身が担う部分もある

補助金によっては、事業者自身が計画づくりや申請手続きに関わることが求められています。たとえば小規模事業者持続化補助金は、事業者が自ら経営計画を策定することを前提としており、商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けた場合は、支援者と報酬額を申請書に記載しなくてはなりません。また、中小企業省力化投資補助金(一般型)の口頭審査では、法人の代表者などが審査員に計画を説明し、社外のコンサルタントは同席できないとされています。
 
電子申請で使うGビズIDプライムも、申請する事業者自身のアカウントです。行政書士に依頼する場合でも、事業の方向性や数値目標は自社で判断し、専門家には要件の確認や書類の精度を高める部分を任せるという役割分担を意識しておくと、採択後の手続きまでスムーズに進められます。

行政書士に依頼するメリット

補助金申請を行政書士に依頼する最大のメリットは、要件の見落としによる不採択や交付取消しのリスクを減らせることです。物流向けの補助金は、制度ごとに対象となる事業者や設備、申請のタイミングが細かく定められています。
 
たとえば、中小物流事業者の労働生産性向上事業の人材確保・育成メニューは、ホワイト物流の自主行動宣言などが申請の前提です。トラック輸送省エネ化推進事業は、交付決定前に発注したシステムが補助の対象外になります。小規模事業者持続化補助金では、トラックやフォークリフトは対象外です。こうした制度ごとのルールを、公募要領をもとに事前に確認できる点は、専門家に相談する大きな利点といえます。
 
先着順や申請期間の短い公募に対応しやすくなる点もメリットです。トラック輸送省エネ化推進事業の4次公募は申請期間が約10日間しかなく、中小物流事業者の労働生産性向上事業は予算に達した時点で受付が終了します。必要書類の洗い出しや作成を並行して進められれば、受付開始後すぐに申請できる体制を整えやすくなります。
 
さらに、補助金は採択されて終わりではありません。交付申請、事業期間中の変更申請、実績報告、事業完了後の効果報告まで手続きが続き、不備があれば補助金の減額や取消しにつながります。採択後の手続きまで対応している行政書士に依頼すれば、補助金を受け取るまでの一連の流れを通して支援を受けられます。

行政書士に補助金申請を依頼するときの費用目安

補助金申請を行政書士に依頼するときの報酬は10万円から20万円程度が目安です。日本行政書士会連合会が2026年1月に実施した「令和7年度報酬額統計調査」によると、「公的補助金・助成金の受給申請」の報酬額は次のとおりでした。
 
項目金額
平均247,375円
最頻値(最も多かった金額)100,000円
最小値20,000円
最大値1,430,000円

報酬体系は着手金と成功報酬の組み合わせが多い

補助金申請の報酬は、依頼時に支払う着手金と、採択された場合に支払う成功報酬を組み合わせた料金体系を採用している事務所が多く見られます。成功報酬の金額は、補助金額の一定割合で設定される場合もあれば、固定額の場合もあります。
 
成功報酬型の契約を結ぶ前には、次の点を確認しておくと、後からのトラブルを防げます。
 
  • 成功報酬の計算基準が、採択時の申請額か、交付決定額か、実績報告後の確定額か
  • 成功報酬の支払時期が、採択時か、補助金の入金後か
  • 交付申請や実績報告の書類作成が報酬に含まれるか、別料金か
  • 不採択の場合に着手金が返金されるかどうか
 
補助金は、事業の完了と実績報告の後に支払われる後払いの仕組みです。成功報酬の支払時期が採択時の場合、補助金が入金される前に報酬を支払うことになるため、資金繰りの計画にも織り込んでおく必要があります。
 
※参考:令和7年度報酬額統計調査の結果(日本行政書士会連合会)

物流分野に強い行政書士の選び方

行政書士であれば誰でも補助金申請に精通しているわけではありません。取り扱う業務は事務所ごとに異なるため、物流事業者が補助金申請を依頼する際は、次の3つの観点で依頼先を比べると選びやすくなります。
 
1つ目は、物流関連の補助金を扱った実績があるかどうかです。物流向けの補助金には、運送業や倉庫業の業務の流れを理解していないと計画に落とし込みにくい要件が多くあります。一般貨物自動車運送事業の許可や倉庫業の登録など、物流関連の許認可も扱っている行政書士であれば、業界の実情を踏まえた相談がしやすくなります。
 
2つ目は、対応できる補助金の範囲です。本記事で紹介したように、物流事業者が使える補助金は、国土交通省、経済産業省、環境省など所管が分かれています。複数の制度を比較したうえで、自社の投資計画に合う補助金の組み合わせを提案してもらえるかどうかは、依頼先を選ぶ重要な判断材料です。
 
3つ目は、採択後の手続きまで対応しているかどうかです。申請書類の作成だけを請け負い、交付申請や実績報告は対象外という事務所もあります。補助金を最後まで確実に受け取るためには、依頼前に支援の範囲を確認し、採択後まで伴走してもらえる事務所を選ぶと安心です。

物流・倉庫向けの補助金についてよくある質問

物流向けの補助金を検討する際には、自社が対象になるのか、資金をどう準備すればよいのかといった疑問が出てきやすいものです。ここでは、物流事業者や倉庫事業者から寄せられることの多い質問をまとめました。申請を検討する前の確認にお役立てください。

Q. 倉庫業のみの事業者でも使える補助金はある?

A. 倉庫業のみを営む事業者でも使える補助金はあります。本記事で紹介した制度のうち、倉庫業の事業者が活用しやすいのは次のような補助金です。
 
補助金倉庫業での活用例
中小企業省力化投資補助金搬送ロボットや自動梱包機、倉庫管理システムなど、倉庫作業を省人化する設備の導入
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金冷凍冷蔵倉庫の新設や流通加工サービスへの参入など、新事業に必要な設備投資や建物の建設・改修(新事業進出枠)
標準仕様パレット利用促進支援事業標準仕様パレットを使った一貫パレチゼーションに必要なパレタイザーやフォークリフト、入出庫管理ゲートなどの導入
自然冷媒機器の導入補助冷凍冷蔵倉庫への省エネ型の自然冷媒機器の導入
小規模事業者持続化補助金小規模事業者が行う荷主開拓のための販路開拓と、あわせて行う倉庫管理システムの導入など
 
トラック輸送省エネ化推進事業や中小物流事業者の労働生産性向上事業のように、トラック運送事業者を主な対象とする制度もあります。ただし、予約受付システムなどを取引先の運送会社と連携して導入する場合は、倉庫事業者や物流センターを運営する事業者も申請者になれる場合があります。いずれの制度も申請できる事業者の条件が細かく定められているため、公募要領で確認しておくことが大切です。

Q. リースで導入する設備も対象になる?

A. リースで設備や車両を導入する場合も、補助の対象になる制度があります。ただし、リースの場合は購入とは申請の仕組みが異なるため注意が必要です。
 
中小物流事業者の労働生産性向上事業では、トラックやシステムを貸し渡すリース事業者も申請者として認められています。低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業では、中小トラック運送事業者に車両を貸し渡すリース事業者が申請者となり、リース期間は保有義務のある期間以上(最大積載量2トン超は48か月以上、2トン以下は36か月以上)であることが条件です。補助金はリース料金に反映させる必要があり、申請時にはリース契約書やリース料金の算定根拠を提出します。
 
トラック輸送省エネ化推進事業でも、同じ事業者に5年以上連続してリースする事業者であれば、トラック事業者などと共同で申請できます。一方、小規模事業者持続化補助金では、機器のリース料は借料として補助対象になりますが、補助事業期間分のみが対象です。制度によって扱いが大きく異なるため、リースでの導入を予定している場合は、リース会社と申請の段取りを事前に相談しておくと安心です。

Q. 不採択になった場合、行政書士への費用はどうなる?

A. 不採択になった場合の費用の扱いは、行政書士との契約内容によって異なります。補助金申請の報酬を着手金と成功報酬の組み合わせで設定している事務所では、不採択の場合に成功報酬は発生せず、着手金のみの負担となるのが一般的です。ただし、着手金が返金されるかどうかは事務所によって異なります。
 
完全成功報酬型で、不採択の場合は費用がかからない料金体系を採用している事務所もあります。また、次の公募回に再申請する場合の費用を割り引くなど、再チャレンジに配慮した料金設定を設けているケースもあります。不採択時の扱いは契約前に必ず確認し、書面で残しておくことをおすすめします。

Q. 補助金は後払い?先に資金は必要?

A. 補助金は、原則として後払いです。交付決定を受けてから設備を発注・購入し、代金の支払いを済ませたうえで実績報告を行い、補助金額が確定してから入金されます。そのため、設備の購入代金は、いったん全額を自社で立て替える必要があります。
 
たとえば、低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業は、車両を購入して代金を支払った後に申請するしくみです。小規模事業者持続化補助金も、公募要領で補助金は後払いであり、事業の遂行には自己負担が必要と明記されています。事業の開始から補助金の入金までは数か月から1年以上かかる場合もあるため、自己資金だけで対応が難しい場合は、金融機関からの借入れも含めた資金計画を申請前に立てておくことが大切です。

Q. 補助金に税金はかかる?

A. 補助金は、税金の対象になります。小規模事業者持続化補助金の公募要領では、補助金は経理上、補助金の額の確定を受けた事業年度の収益として計上し、法人税や所得税の課税対象になると説明されています。
 
ただし、補助金で固定資産を取得した場合には、法人税法や所得税法の規定により、圧縮記帳と呼ばれる特例を使える場合があります。圧縮記帳を適用すると、補助金を受け取った年度に一度に課税されるのを避け、税負担を将来に繰り延べることができます。具体的な会計処理や税務上の取り扱いは、顧問税理士に確認しておくと安心です。
 
※参考:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(中小企業庁)

まとめ

物流事業者が使える補助金は、テールゲートリフターや配車システムの導入を支援する物流専用の制度から、倉庫の省人化設備や新事業への投資に使える汎用型の制度まで、目的に応じて幅広く用意されています。
 
自社に合う補助金がわからない場合や、本業と並行して申請準備を進めるのが難しい場合は、補助金申請に対応している行政書士へ相談しましょう。資金調達の目標額の設定から、補助金の紹介・申請まで一括でサポートを受けられます。

補助金申請サポートの費用は地域や対応内容、依頼主のご状況によって異なります。
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利用できる補助金があっても、自動的に受け取れるわけではありません。「対象だったのに申請期限を過ぎていた」というだけで、数十万・数百万円規模の支援を取り逃す可能性もあります。まずは申請できる補助金がないか確認しましょう。
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この記事の執筆・監修者

氏名:遠藤 秋乃
行政書士・司法書士資格保有

経歴:

大学卒業後、不動産会社で4年・メガバンクの融資部門での勤務2年を経る。

2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かしてさまざまな分野の相談に200件以上対応。

入管手続き、相続、企業法務、事業承継などさまざまな分野について最新事例の調査・研究を進め、行政書士資格保有者の立場から、読者に良質な情報をお届けしています。