省力化投資補助金とは?中小企業が使える制度をわかりやすく解説【2026年最新】

省力化投資補助金とは?中小企業が使える制度をわかりやすく解説【2026年最新】
「省力化投資補助金を使いたいけれど、自社に使えるのかわからない」「カタログ型と一般型の違いが複雑でよくわからない」と感じていませんか。ここでは、制度の概要から補助額・申請要件・申請の流れ・採択のポイントまで、申請前に知っておきたい情報を整理します。
 
中小企業が申請できる補助金の一覧は以下の記事でも解説しております。
【2026年版】中小企業向け補助金一覧|主要制度・対象・申請ポイントを解説

省力化投資補助金とは

中小企業省力化投資補助金(省力化投資補助金)は、深刻な人手不足に悩む中小企業・小規模事業者を支援するために、2023年度補正予算で創設された国の設備投資補助制度です。
深刻化する人手不足は、製造業・飲食業・介護・建設業など業種を問わず、多くの中小企業が直面している経営課題です。本制度はこうした状況を踏まえ、IoT・ロボット・AI・自動化システムといったデジタル技術を活用した設備投資を促進することで、労働生産性の向上と賃上げの実現を同時に後押しすることを目的としています。
補助の対象となる設備は幅広く、工場の自動化ラインや配膳ロボット・清掃ロボットのような汎用製品から、事業者の業務環境に合わせて専用設計されたオーダーメイドのシステムまで対応しています。申請方法は「カタログ注文型」と「一般型」の2種類があり、自社の状況や投資規模に応じて選択できます。
※参考:中小企業省力化投資補助金のご案内(中小企業基盤整備機構)
 
なお、AIツールやAIロボットの導入を検討している場合は、省力化投資補助金だけでなく、IT導入補助金やものづくり補助金も候補になります。AI導入に使える補助金を比較したい方は、AI補助金を徹底解説【2026年最新版】中小企業・個人事業主が使える制度一覧と申請の流れもあわせてご確認ください。
 
ITツールの導入にあたっては、IT導入補助金もご検討ください。詳細はIT導入補助金の解説記事で解説しております。

省力化投資補助金の補助額・補助率

省力化投資補助金では、申請する補助金の種類(一般型かカタログ注文型か)と、自社の従業員数・賃上げへの取り組みによって、受け取れる補助額が大きく変わります。
まず自社の状況に当てはめて、どの程度の補助を受けられるのかを把握しておきましょう。

一般型

一般型の補助率は、中小企業が2分の1、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者・最低賃金付近で働く従業員を多く抱える事業者は3分の2となっています。補助上限額は従業員数によって異なり、最大で8,000万円(特例適用時は1億円)まで受け取れる可能性があります。
従業員数補助上限額大幅賃上げ特例適用時
5人以下750万円1,000万円
6〜20人1,500万円2,000万円
21〜50人3,000万円4,000万円
51〜100人5,000万円6,500万円
101人以上8,000万円1億円
大幅賃上げ特例は、1人当たり給与支給総額を年平均+6.0%以上(基本要件の+3.5%に加え、さらに+2.5%以上)増加させる事業計画を策定した事業者が対象です。
一般型の補助対象となる経費は、機械装置・システム構築費(単価50万円以上が必須)を筆頭に、運搬費、技術導入費、外注費、クラウドサービス利用費などがあります。ただし、汎用パソコン・車両・建物・人件費・消費税は対象外のため、設備の選定時は注意が必要です。
※参考:中小企業省力化投資補助事業(一般型)第6回公募要領

カタログ注文型

カタログ注文型の補助率は、従業員数にかかわらず一律2分の1以下(省力化製品の購入価格が製品ごとに設定された補助上限額の2倍を上回る場合は2分の1未満)となっています。補助上限額は従業員数により下の表のとおりです。
従業員数補助上限額大幅賃上げ達成時
5人以下500万円750万円
6〜20人750万円1,000万円
21人以上1,000万円1,500万円
大幅賃上げの特例による上限額引き上げは、事業場内最低賃金を3.0%以上・給与支給総額を6%以上それぞれ増加させる見込みがある事業者が対象です。
補助対象となる経費は、カタログに登録された省力化製品の本体価格(単価50万円以上)と、導入に要する費用(導入経費)の2種類に限られています。
※参考:中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)公募要領

省力化投資補助金が交付される条件

省力化投資補助金には、対象となる事業者の範囲と、申請にあたって満たすべき要件が定められています。補助金を受け取るためには、「誰が申請できるか」と「どのような事業計画を策定するか」の両方を事前にしっかり確認しておくことが重要です。

対象となる事業者

製造業・飲食業・介護・建設業・小売業・運輸業など、業種を問わず幅広い中小企業・小規模事業者が対象です。NPO法人・社会福祉法人・介護事業を営む法人についても、一定の要件を満たす場合は申請対象に含まれます。
ただし、いわゆる「みなし大企業」には注意が必要です。大企業が発行済株式の50%以上を保有している企業や、大企業の役員・職員が役員総数の2分の1以上を占める企業などは、実態として中小企業であっても申請対象外となります。
また、直近3年間の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者も対象外です。自社が該当しないかどうか、申請前に必ず確認しておきましょう。

事業者に求められる要件

補助金を受けるためには、補助対象経費の要件を満たすだけでなく、事業計画期間を通じて達成すべき数値目標を事業計画書に明記する必要があります。一般型・カタログ注文型それぞれの主な要件は以下のとおりです。
▼一般型(第6回公募)の基本要件
  • 労働生産性の年平均成長率:+4.0%以上(事業計画期間3〜5年、毎年達成が必要)
  • 1人当たり給与支給総額の年平均成長率:+3.5%以上(日本銀行の物価安定目標+1.5%)
  • 事業場内最低賃金:都道府県最低賃金+30円以上(毎年、事業計画期間を通じて)
  • 「両立支援のひろば」への一般事業主行動計画の公表(従業員数が21名以上の場合)
▼カタログ注文型の基本要件
  • 労働生産性の年平均成長率:+3.0%以上(補助事業終了後3年間、毎年達成が必要)
  • 大幅賃上げ特例を希望する場合は、事業場内最低賃金を+3.0%以上・給与支給総額を+6%以上増加させる計画の策定+従業員への表明
なお、目標を達成できなかった場合は補助金の減額・返還を求められることがあります。賃上げ要件は申請後も継続して履行が必要なため、実現可能な目標値を慎重に設定することが重要です。

加点項目(採択率アップのポイント)

要件を満たしているだけでは採択が保証されるわけではありません。一般型では外部有識者による審査委員会が事業計画書を評価するため、加点項目を意識した計画づくりが採択率向上につながります。
主な加点項目は以下のとおりです。
  • 基本要件を上回る大幅な賃上げ計画
  • 省力化効果・付加価値向上・投資回収期間など数値根拠が明確な事業計画書
  • 既存業務の改善にとどまらない、革新性・成長性のある計画
  • 認定支援機関(認定経営革新等支援機関)による事業計画の確認・支援を受けていること
特に「認定支援機関の確認」は、計画の信頼性を高める意味でも効果的です。行政書士や中小企業診断士など、認定支援機関の資格を持つ専門家と連携することで、加点につながる可能性があります。
省力化投資補助金採択に向けた事業計画書作成のポイントは事業計画書の解説記事でも解説しておりますので、併せてご参考ください。

省力化投資補助金の申請・交付の流れ

省力化投資補助金の申請から補助金受け取りまでには、複数のステップがあります。特に「交付決定前の発注・契約は補助対象外」というルールは見落としがちなため、以下で全体の流れを事前に把握しておきましょう。

自社の要件を確認する・導入設備を選定する

まず、自社が補助対象事業者に該当するかどうかを確認します。業種・従業員数・資本金などが中小企業基本法の定義を満たしているか、みなし大企業に該当しないかをチェックしましょう。
あわせて、カタログ注文型と一般型のどちらで申請するかを選択します。省力化効果が認定済みのカタログ製品(配膳ロボット・清掃ロボット・自動精算レジ等)で対応できる場合はカタログ注文型が適しています。自社の業務フローや現場環境に合わせたオーダーメイド設備を導入したい場合、または補助上限額を最大限活用したい場合は一般型が適しているでしょう。
 
生成AI、AI-OCR、チャットボット、RPA連携ツールなど、設備投資よりもソフトウェア・クラウドサービス中心の導入を考えている場合は、別の補助金が適することもあります。AI導入の目的別に使える補助金を知りたい方は、AI補助金の制度一覧と申請の流れをご覧ください。

GビズIDを取得する

本事業の申請は電子申請のみとなっており、GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。取得には書類の郵送審査があり、数週間程度かかることがあるため、申請を検討し始めた時点で早めに手続きを進めておく必要があります。
GビズIDの取得と並行して、必要書類の準備も進めておきましょう。一般型の場合は、事業計画書(指定様式)・直近の確定申告書または決算書・納税証明書・賃金引き上げ計画の表明書などが必要です。
従業員数が21名以上の場合は「両立支援のひろば」への一般事業主行動計画の公表も交付申請までに完了させる必要があります。

申請書類を作成し、電子申請を行う

カタログ注文型では、登録された販売事業者から申請フォームへの招待を受け、中小企業等と販売事業者が共同で電子申請を行います。事業計画書の作成負担が少なく、手続きが比較的簡便です。
一般型では、公募期間中に電子申請システムから申請します。事業計画書には、省力化指数(業務削減割合)・付加価値額の増加計画・投資回収期間・労働生産性の向上目標など、数値根拠を伴う詳細な記載が求められます。
書類に不備がある場合は差し戻しとなり、訂正期限までに修正されなければ不採択となるため、提出前の確認は入念に行いましょう。

交付申請と実績報告を行う(採択後)

採択通知を受けた後は、補助金交付申請を別途行う必要があります。採択はあくまで候補者としての選定であり、交付決定を受けて初めて補助対象経費の発注・契約が可能になります。交付決定前に発注・契約した費用は補助対象外となるため、このタイミングを必ず守りましょう。
交付決定後、補助事業実施期間(交付決定日から18か月以内)に設備を導入し、実績報告書・証憑書類・効果報告用の写真などを提出します。その後、中小機構による確定検査を経て補助金額が確定し、請求・支払いという流れになります。補助事業終了後も、3年間にわたって労働生産性などの効果報告を行う義務があります。

省力化投資補助金の採択率・注意点

省力化投資補助金は申請すれば必ず受け取れるわけではなく、審査を経て採択された事業者のみが対象となります。採択率の数字だけを見て「通りやすい補助金」と判断するのは禁物で、事前の準備と正確な理解が欠かせません。

採択率はどのくらい?

一般型の第1回公募では、申請1,809件に対して採択1,240件、採択率は約68.5%でした。数字だけ見ると高い水準に思えますが、注意が必要です。一般型では外部有識者による審査委員会が事業計画書を個別に評価するため、計画書の内容・質が採択可否を大きく左右します。

申請でつまづきやすいポイント

申請を自力で進めようとしたとき、多くの事業者が以下のような壁にぶつかります。
  • 事業計画書の数値根拠が求められる
  • 賃上げ要件の解釈が複雑
  • 採択後の手続きが多い
  • 公募要領の改訂が頻繁にある
加えて、公募要領には「事業計画は申請者自身が作成すること」と明記されており、作成支援を受けた場合は支援者名と報酬額の申告が義務付けられています。不正申告が発覚した場合は採択取消・返還・事業者名の公表といった厳しい措置が取られるため、専門家に依頼する際は透明性のある契約内容であることを必ず確認しましょう。

省力化投資補助金の申請を行政書士に依頼するメリット

申請書類の複雑さや採択後の手続きの多さを考えると、専門家のサポートを検討する価値は十分あります。特に一般型は事業計画書の質が採択率を左右するため、行政書士への依頼が有効な選択肢となります。

行政書士にできること

行政書士は、官公署への書類作成・申請を専門とする国家資格者です。省力化投資補助金の申請においては、以下のようなサポートを受けられます。
まず、申請のハードルとして最も高い事業計画書の作成支援があります。省力化指数の計算方法・労働生産性の目標設定・投資回収期間の根拠資料など、審査で重視されるポイントを熟知した専門家が計画書の内容をブラッシュアップすることで、採択の可能性を高めることができます。
また、申請取次行政書士の資格を持つ行政書士であれば、必要書類の収集・確認から電子申請の手続き代行まで一括して任せることが可能です。さらに、採択後の交付申請・実績報告・効果報告といった採択後の手続きも継続してサポートしてもらえるため、本業に集中しながら補助金申請を進められます。

行政書士に依頼する場合の費用の目安

費用体系は事務所によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
  • 着手金:3万〜10万円程度
  • 成功報酬:補助金交付額の5〜15%程度が相場
たとえば補助金が500万円交付された場合、成功報酬10%であれば50万円の費用となりますが、手元には450万円が残る計算です。自力申請で不採択になるリスクや、採択後の手続きミスによる補助金返還リスクを考えると、補助額が大きくなるほど専門家費用を差し引いても費用対効果は高くなります。
なお、先述のとおり公募要領では「過大な成功報酬を請求する支援業者への依頼はトラブルの原因になる」と明記されています。依頼先を選ぶ際は、有資格者かつ費用・契約内容・支援実績が明確な事務所を選ぶようにしましょう。

まとめ

省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業・小規模事業者が設備投資を行うための、国による強力な支援制度です。カタログ注文型は手軽に申請できる一方で補助上限額が最大1,500万円、一般型は事業計画書の作成が必要ですが最大1億円の補助を受けられる可能性があります。
補助金申請では、行政書士に事前相談することで、採択率の向上・手続きの負担軽減・ミスによる返還リスクの低減といったメリットが期待できます。
どの行政書士に相談すればいいかわからない方は、国内最大級の行政書士検索サイト「申請Navi」をぜひご活用ください。

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この記事の執筆・監修者

氏名:遠藤 秋乃
行政書士・司法書士資格保有

経歴:

大学卒業後、不動産会社で4年・メガバンクの融資部門での勤務2年を経る。

2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かしてさまざまな分野の相談に200件以上対応。

入管手続き、相続、企業法務、事業承継などさまざまな分野について最新事例の調査・研究を進め、行政書士資格保有者の立場から、読者に良質な情報をお届けしています。