特定技能2号の申請|1号からの変更手続き・必要書類・流れを解説

特定技能2号の申請|1号からの変更手続き・必要書類・流れを解説
特定技能2号の申請は、1号から移る場合や、2号の外国人転職者を受け入れる場合は「変更申請」を行います。2号の期間を延ばす「更新申請」が必要です。いずれの場合でも、2号の条件となる実務経験や試験合格などを満たした上で、その証明となる書類を提出しなければなりません。
 
ここでは、2026年8月時点の最新の運用をもとに、特定技能2号の許可基準に加え、必要書類や就労開始における注意点を解説します。
 

この記事のポイント

  • 特定技能1号から2号へ移行するには、分野ごとの試験合格だけでなく、一定の実務経験や受入企業・雇用契約に関する要件を満たしたうえで、在留資格変更許可申請を行う必要があります。 とくに2号では、複数の作業員を指導した経験や工程管理の経験などが求められる分野があるため、早い段階から要件を確認しておくことが重要です。申請時には本人・企業それぞれの証明書類に加え、2026年8月20日以降は「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」も必要になります。分野によって必要書類や実務経験の条件が異なるため、在留期限から逆算して余裕を持って準備しましょう。
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特定技能2号とは?1号とはどう違うのか

特定技能2号は、特定産業分野において熟練した技能を持つ外国人に認められる在留資格です。ここでいう熟練した技能とは、現場で自ら作業をこなすだけでなく、複数の作業員を指導したり、工程を管理したりできる水準を指します。1号が「相当程度の知識または経験を必要とする技能」を求めるのに対し、2号ではもう一段上の役割が想定されています。
 
現場のイメージでいえば、1号は指示を受けて着実に作業を進める立場、2号は班長や副店長のように後輩を指導しながら現場を回す立場にあたります。運用要領でも、2号特定技能外国人は1号の業務に加えて管理業務に従事することが想定されており、分野ごとに求められる役割が具体的に示されています。
 
制度上の違いを整理すると、次のようになります。
 
項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年が上限上限なし(更新を続ければ在留を継続できる)
家族の帯同原則として認められない配偶者・子を「家族滞在」で呼び寄せられる
義務的支援支援計画の策定・実施が必須必須ではない
業務内容相当程度の知識・経験を要する業務熟練した技能を要する業務(指導・工程管理を含む)
対象分野16分野11分野(介護分野は対象外)
技能水準の確認1号評価試験の合格、または技能実習2号の良好な修了2号評価試験などの合格に加え、分野ごとの実務経験
特定技能1号と2号では、在留期間や家族帯同だけでなく、技能水準、日本語要件、支援義務、永住許可との関係などにも違いがあります。申請手続きに入る前に両者の違いを整理しておきたい方は、【2026年8月最新】特定技能1号と2号の違いは?比較表でわかる在留の条件と許可基準もあわせてご確認ください。
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特定技能2号の許可の基準

特定技能2号への変更が認められるかどうかは、外国人本人・受入企業・雇用契約の3つの軸で判断されます。どれか一つでも欠けると許可は下りませんので、順番に確認していきましょう。
 
※以下、参考:在留資格「特定技能」(出入国在留管理庁)特定技能外国人受入れに関する運用要領
 

外国人本人の要件(試験・実務経験・日本語)

本人に求められるのは、熟練した技能を持っていることの客観的な証明です。柱となるのは試験の合格と実務経験の2つで、分野によってはこれに日本語能力の証明が加わります。
 
試験については、分野ごとに設けられた特定技能2号評価試験に合格する方法が基本になります。ただし国家資格や技能検定で代替できる分野も多く、たとえばビルクリーニングや造船・舶用工業では技能検定1級、自動車整備では自動車整備士技能検定試験2級、航空では航空従事者技能証明が試験合格の代わりになります。すでに該当する資格を持っている社員がいれば、あらためて2号評価試験を受ける必要はありません。
 
実務経験は、単に何年働いたかではなく、どのような立場で働いたかが問われる点に要注意です。多くの分野では、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する立場での経験が求められます。日々の作業をこなしているだけでは要件を満たさない可能性がありますので、班長や副店長といった役割を早めに任せ、辞令や職務命令書といった形で残しておくと証明がしやすくなります。
 
日本語能力については、全分野に一律の基準があるわけではありません。漁業と外食業では日本語能力試験N3以上の合格が求められる一方、それ以外の分野では試験合格と実務経験が中心になります。
 
以下では、分野ごとの試験と実務経験の目安を整理しています。実際の運用では業務区分によって細かく条件が分かれますので、あくまで全体像をつかむための表として利用してください。
 
分野試験など実務経験の目安
ビルクリーニングビルクリーニング分野特定技能2号評価試験、または技能検定1級複数の作業員を指導し現場を管理する者として2年以上
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業製造分野特定技能2号評価試験およびビジネス・キャリア検定3級、または技能検定1級国内の製造現場での実務経験3年以上
建設建設分野特定技能2号評価試験、技能検定1級、または技能検定単一等級職長・班長としての就業日数(職種により0.5〜3年程度)
造船・舶用工業造船・舶用工業分野特定技能2号試験、または技能検定1級監督者として作業員を指揮・管理した経験2年以上
自動車整備自動車整備分野特定技能2号評価試験、または自動車整備士技能検定試験2級地方運輸局長の認証を受けた事業場での整備実務3年以上
航空航空分野特定技能2号評価試験、または航空従事者技能証明区分により異なる(航空機整備は3年以上)
宿泊宿泊分野特定技能2号評価試験複数の従業員を指導しながら従事した経験2年以上
農業2号農業技能測定試験作業員を指導し工程を管理する者として2年以上、または現場での実務経験3年以上
漁業2号漁業技能測定試験および日本語能力試験N3以上操業の指揮監督を補佐する立場などで2年以上
飲食料品製造業飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験作業員を指導し工程を管理する者として2年以上
外食業外食業特定技能2号技能測定試験および日本語能力試験N3以上副店長・サブマネージャーなど店舗管理を補助する立場で2年以上
 
なお、特定技能1号から2号への移行では、2号の試験に合格できなかった場合、現在の在留資格(特定技能1号)の通算在留期間を延ばして再挑戦できることがあります。詳しくはこちらの記事をご確認ください→
 
【2025年導入済】特定技能1号の通算在留期間は5年を超えられる?6年特例・除外申立ての条件と申請方法
 

受入企業の要件

特定技能2号企業側にも満たすべき条件があります。前提となるのが、事業内容が2号の対象となる特定産業分野に該当していることです。1号の対象分野であっても2号の対象外という場合がありますので、ここは最初に押さえておきたいところです。
 
次に必要なのが、分野別協議会への加入です。転職などによって初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、在留資格の申請前に加入手続きを済ませておかなければなりません。すでに1号で受け入れ実績がある企業であれば、この点はクリアしている場合がほとんどでしょう。
 
このほか、税金や社会保険料に未納がないこと、労働関係法令を守っていること、過去に出入国や労働に関する法令違反がないことも審査の対象です。1号の申請時と同じ考え方ですが、2号への変更でもあらためて確認されます。
 

雇用契約の要件

雇用契約そのものにも基準があります。報酬額が日本人と同等以上であることが求められ、2号は指導・管理を担う立場ですから、同じ職務内容の日本人従業員と比べて説明のつく水準かどうかが見られます。1号のときの給与を据え置いたままでは、業務内容との整合性を問われかねません。
 
もう一つの柱が、従事させる業務が2号の業務区分に一致していることです。2号は熟練した技能を要する業務に就くための資格ですから、契約書や雇用条件書に記載する業務内容も、複数の作業員の指導や工程の管理を含むものである必要があります。実際の配置と契約書の記載がずれていると審査で指摘されますので、社内の役割設計と申請書類の内容をそろえて準備を進めてください。
 
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特定技能2号の申請のパターン

ひとくちに2号の申請といっても、置かれている状況によって手続きの種類も準備する書類も変わります。自社のケースがどれにあたるのか、まずは大きく3つに整理して確認しておきましょう。
 
パターン申請の種類主なケース
1号から2号へ変更在留資格変更許可申請自社で1号として働く外国人が2号の要件を満たした場合
他社から2号で受け入れ在留資格変更許可申請他社で働いていた外国人を自社で雇用する場合
2号の在留期間を延長在留期間更新許可申請すでに2号で在留中の外国人の期間を延ばす場合
 
特定技能1号から2号への変更(在留資格変更許可申請)では、企業側の要件はすでに1号の受け入れを通じて満たしていることが多く、協議会にも加入済みでしょう。焦点になるのは本人の要件(実務経験など)です。
 
他社から特定技能2号の外国人を受け入れる場合も、在留資格変更許可申請が必要です。このパターンでとくに注意したいのが、就労を始められるタイミングです。転職してきた特定技能2号の外国人が就労を開始できるのは、新しい在留カードを受け取ってからです。
 
すでに特定技能2号で在留している社員の期間を延ばす場合(在留期間更新許可申請)は、試験の合格証明書や実務経験を証明する書類をあらためて出す必要はなく、納税や社会保険の状況、雇用条件に問題がないかが中心に見られます。過去1年以内に提出済みで内容が変わっていない書類は省略できる場合もあります。
 

特定技能2号の申請の流れ

要件の確認から新しい在留カードの受取りまで、1号から2号への変更はおおむね5つの段階に分かれます。全体でどのくらいかかるのかを把握したうえで、逆算して動き始めましょう。
 
内容期間の目安
許可される要件の確認1〜2週間
協議会への加入・書類の収集2〜4週間(協議会加入が必要な場合はさらに数週間)
申請書類の作成1〜2週間
入管への申請1日
審査・追加資料対応〜在留カードの受取り1〜3か月
 
書類の準備を始めてから許可が下りるまで、トータルで2〜5か月ほどみておくと安心です。
 

許可される要件の確認

最初にすべきは、本人と会社の双方が2号の要件を満たしているかの確認です。本人については、分野ごとの2号評価試験や技能検定に合格しているか、指導・工程管理を担う立場での実務経験が足りているか、分野によっては日本語能力試験N3以上を取得しているかを見ていきます。
 
会社側では、事業内容が2号の対象分野に該当するか、協議会に加入済みか、税や社会保険の納付に漏れがないかを点検します。ここで要件を満たしていないことが判明すると、試験の受験や実務経験の積み増しから始めることになりますので、在留期限まで時間があるうちに確認しておいてください。
 

協議会への加入・書類の収集

初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、在留資格の申請前に分野別協議会への加入を済ませておく必要があります。加入手続きには一定の日数がかか書類集めと並行して早めに着手しましょう。すでに1号で受け入れている企業であれば、この工程は不要です。
 
書類の収集は、思っている以上に時間を取られる部分です。納税証明書や課税証明書は市区町村や税務署の窓口で取得し、社会保険料の納入状況を証明する書類は年金事務所での手続きが必要になります。本人に用意してもらう書類もあるため、いつまでに何を揃えるのかをリスト化して共有しておかなくてはなりません。
 

申請書類の作成

集めた資料をもとに、在留資格変更許可申請書、特定技能雇用契約書の写し、雇用条件書の写しといった書類を作成します。雇用条件書は本人が理解できる言語を併記する必要がありますので、翻訳の手配も忘れないでください。
 
作成にあたって気をつけたいのが、申請書に記載する業務内容と実際の配置を一致させることです。2号は指導や工程管理を含む業務に就くための資格ですから、契約書の記載が1号のときのままだと、要件を満たしていないと判断されかねません。
 

入管への申請(申請先・申請できる人)

在留資格変更許可申請は、申請人である外国人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ提出します。
 
申請できるのは、原則として外国人本人です。ただし、地方出入国在留管理官署から申請等取次者として承認を受けた受入企業の職員や、届出をした弁護士・行政書士であれば、本人に代わって申請できます。承認を受けていない担当者が代わりに窓口へ行くことはできず社内で対応するのであれば取次者の承認を先に取っておく必要があります。
 
なお、特定技能2号への変更申請は、在留申請オンラインシステムを使った申請にも対応しています。在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請はいずれもシステムの対象手続きに含まれており、24時間365日、オフィスから申請できます。
 

審査・追加資料対応〜在留カードの受取り

申請が受理されると審査に入ります。オンライン申請の場合は、受付完了のメールに続いて申請受付仮番号、翌日に申請受付番号がメールで通知されます。審査の途中で資料の追加提出を求められることがあり、この対応が入ると期間は長引きます。求められた資料はオンラインでも提出できますので、連絡が来たら速やかに動きましょう。
 
許可が下りたら、新しい在留カードを受け取ります。窓口で受領する方法と郵送で受け取る方法があり、オンライン申請なら申請時にどちらかを選べます。手数料は5,500円で、収入印紙を貼付して納めます。クレジットカードなどによる電子納付には対応していません。
 
急いで在留カードを受け取りたい場合は、窓口での受領を選ぶほうが確実です。郵送は必要書類を送ってから手元に届くまでに一定の日数がかかっており、入管庁自身も早期の受領を希望するなら窓口受取を案内しています。処理状況が「申請完了」または「審査中」の間であれば、あとから受領方法を窓口に変更することもできます。
 

特定技能2号の申請に必要な書類

2号の申請書類は、外国人本人が集めるもの、受入企業が集めるもの、申請にあたって作成するものの3つに分かれます。加えて分野ごとの追加書類もありますので、担当を決めて手分けして進めるのが現実的です。
 

申請人(外国人)が用意する書類

本人には、身分関係の資料に加えて、2号の技能要件を満たしていることを示す資料と、納税や社会保険の状況が分かる資料を揃えてもらいます。課税証明書や納税証明書は市区町村の窓口で取得するものが多く、本人だけでは戸惑うこともありますので、会社側でも取得先を案内しておくと進みが早くなります。
 
  • 証明写真(縦4センチ×横3センチ、申請前6か月以内に撮影したもの)
  • パスポート、在留カード(申請時に提示)
  • 特定技能2号評価試験の合格証明書、または技能検定1級など代替となる資格の証明
  • 実務経験を証明する書類(分野ごとに定められた所定様式)
  • 日本語能力試験の合格証明書(漁業・外食業などN3以上が求められる分野)
  • 住民税の課税証明書・納税証明書(直近1年分)
  • 給与所得の源泉徴収票の写し
  • 国民年金・国民健康保険の納付状況が分かる書類(厚生年金・健康保険に加入している場合は不要)
  • 健康診断の結果票
 

受入企業が用意する書類

企業側は、法人としての実体と、税や社会保険を適正に納めていることを示す資料が中心になります。すでに1号で受け入れている企業であれば1号申請時と共通する書類が多く、同一年度内に受入れ実績があれば一部の提出を省略できる場合もあります。
 
  • 登記事項証明書
  • 業務執行に関与する役員の住民票
  • 労働保険料等の納付証明書
  • 社会保険料納入状況回答票、または健康保険・厚生年金保険料の領収証書の写し
  • 法人住民税の納税証明書(直近1年分)
  • 税務署発行の納税証明書(その3)
  • 分野別協議会の構成員であることを証明する書類
  • 事業所が要件を満たすことを示す許認可等(分野による)
 

作成する書類(2026年8月20日から変更あり)

収集した資料とは別に、申請にあたって作成する書類があります。雇用条件書は本人が理解できる言語を併記する必要がありますので、翻訳の手配も含めて余裕をもって準備してください。
 
  • 在留資格変更許可申請書(特定技能用の様式)
  • 特定技能雇用契約書の写し
  • 雇用条件書の写し(外国語併記)
  • 報酬に関する説明書
  • 2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式)
 
このうち誓約書は、2026年8月20日以降の在留諸申請から提出が求められるようになった書類です※。2号は複数の作業員を指導したり工程を管理したりする業務に就くことが前提ですから、技能実習生や1号特定技能外国人の業務との違い、そして誰を指導する立場に置くのかを申請の段階で明らかにする狙いがあります。
 
記載内容と実際の業務が食い違っていると在留資格が取り消される可能性があり、虚偽の記載をした場合は特定技能所属機関としての欠格事由に当たることもあります。形式的に埋めて済ませるのではなく、社内での役割を具体的に書き込んでください。分野ごとにどのような業務が2号に該当するのかは、出入国在留管理庁が公表している特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)で確認できます。
 
※参考:2号特定技能外国人の業務内容について(出入国在留管理庁)
 

分野別に必要となる追加書類

ここまでが共通の書類で、実際にはこれに分野ごとの追加書類が加わります。たとえば建設分野では建設キャリアアップシステムの登録に関する書類が、漁業や外食業では日本語能力試験N3以上の合格証明が必要です。飲食料品製造業のように、工程を管理する立場であったことを辞令や職務命令書で客観的に示すよう求められる分野もあります。
 
分野と業務区分の組み合わせによって必要な書類は細かく変わりますので、揃え始める前に出入国在留管理庁が公開している必要書類の一覧と、自社の分野の運用要領を確認しておきましょう。
 

特定技能2号の申請でよくある質問

最後に、2号の申請を検討する企業や本人からよく寄せられる疑問をまとめます。
 

Q. 特定技能1号を経ずに直接2号を取得できますか?

A. 可能です。2号は1号を5年経験した人だけの資格ではなく、分野ごとに定められた試験に合格し、必要な実務経験を満たしていれば、1号を経ずに取得できます。1号として働いている場合も、通算5年を待たずに要件が整った時点で変更申請ができます。
 
ただし、多くの分野で実務経験は日本国内での勤務が前提とされており、しかも複数の作業員を指導したり工程を管理したりする立場での経験が求められます。海外での経験だけで要件を満たすのは難しいとお考えください。また、1号から2号へ変更する際に、同じ会社でなければならないという決まりもありません。
 

Q. 2号になると登録支援機関への委託は不要になりますか?

A. 2号では支援計画の策定と実施という義務的支援がなくなりますので、その部分について登録支援機関へ委託する必要はなくなります。1号で毎月支払っていた委託費を削減できる点は、企業にとって大きな変化でしょう。
 
一方で、支援がなくなっても受入企業としての届出義務は残ります。雇用契約の変更や受入れの終了などがあれば、期限内に入管へ届け出なければなりません。支援の負担が軽くなるぶん、社内で管理する範囲は広がると考えて体制を整えておくと安心です。
 

Q. 2号で家族を日本に呼べますか?

A. 呼べます。2号では配偶者と子の帯同が認められており、家族は在留資格「家族滞在」で日本に在留します。1号では原則として認められていませんので、ここは2号の大きな利点です。
 
ただし、本人の在留資格が2号に変わったからといって家族が自動的に来日できるわけではありません。家族については別途、在留資格認定証明書の交付申請などの手続きが必要になります。扶養できるだけの収入があるかどうかも審査されますので、本人の申請と合わせて計画を立てておきましょう。
 

Q. 2号への変更が不許可になるのはどんな場合ですか?

A. よくあるのは、技能要件を実際には満たしていなかったケースです。試験には合格していても、実務経験が指導や工程管理を伴う立場でのものと認められない、あるいは必要な年数に届いていないという例が見られます。
 
このほか、本人や会社に税金・社会保険料の滞納がある場合、報酬が同じ業務に就く日本人と比べて低い場合、契約書に書かれた業務内容が2号の業務区分と合っていない場合も不許可の理由になります。2026年8月20日以降に提出が求められている業務内容に関する誓約書についても、記載と実態が食い違えば審査に響きますし、虚偽の記載は在留資格の取消しや欠格事由につながります。申請前に要件を一つずつ確認しておくことが、遠回りのようで確実です。
 

Q. 申請は自社で行えますか?

A. 申請そのものは、原則として外国人本人が住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。会社の職員が本人に代わって申請するには、地方出入国在留管理官署から申請等取次者として承認を受けている必要があります。承認を受けていない担当者が窓口へ行っても、代わりに申請することはできません。
 
在留申請オンラインシステムを利用する場合も同様で、職員が使うには申請等取次者としての承認要件を満たしたうえで、利用者登録と利用申出を済ませておかなければなりません。利用申出の結果が出るまで1〜2週間ほどかかりますから、直前の準備では間に合わない点にご注意ください。
 
自社で対応するのが難しい場合は、行政書士や弁護士に依頼する方法があります。分野別の要件確認から書類の作成、申請の取次まで任せられますので、初めて2号の申請に臨むのであれば専門家の力を借りるのも現実的な選択です。
 

まとめ

特定技能2号の申請は、本人の技能要件、受入企業の適格性、雇用契約の内容という3つの軸で審査されます。試験の合格だけでは足りず、複数の作業員を指導し工程を管理する立場での実務経験が問われる点が、1号との大きな違いです。
 
手続きの面では、書類を集め始めてから許可が下りるまでに2〜5か月ほどかかります。協議会への加入が必要な企業はさらに日数が必要です。在留期限から逆算し、遅くとも半年前には動き出したいところでしょう。2026年8月20日以降の申請では業務内容に関する誓約書の提出も求められており、記載と実態がずれていれば審査に響きます。
 
分野ごとに要件も書類も細かく分かれるため、自社だけで判断するのが難しい場面も出てくるはずです。国内最大級の行政書士検索サイト「申請Navi」では、外国人雇用・在留資格の分野に対応した行政書士を、地域や得意分野から検索できます。

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この記事の執筆・監修者

氏名:遠藤 秋乃
行政書士・司法書士資格保有

経歴:

大学卒業後、不動産会社で4年・メガバンクの融資部門での勤務2年を経る。

2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かしてさまざまな分野の相談に200件以上対応。

入管手続き、相続、企業法務、事業承継などさまざまな分野について最新事例の調査・研究を進め、行政書士資格保有者の立場から、読者に良質な情報をお届けしています。