車庫証明の必要書類は?普通車・軽自動車・賃貸・法人まで状況別に解説

車庫証明の必要書類は?普通車・軽自動車・賃貸・法人まで状況別に解説
車庫証明の申請には、駐車場の利用形態によって異なる書類が必要です。ここでは「何を用意すればいいかわからない」という人のため、持ち家・賃貸・法人など状況別の必要書類から書き方・申請の流れまで、初めての方でも迷わず手続きできるよう解説します。
 
自動車登録手続きの全体像は以下の記事でも解説しております。
自動車登録の必要書類とは?新規登録・名義変更・相続などシーン別に解説

車庫証明とは

車庫証明(自動車保管場所証明書)は、自動車の保管場所が確保されていることを警察署が証明する書類です。自動車を登録する際に運輸支局へ提出が必要であり、保管場所のない「車庫飛ばし」を防ぐため法律で義務付けられています。

車庫証明が必要になるタイミング

車庫証明が必要になる場面は、車を「買うとき」だけではありません。以下のタイミングで手続きが発生します。
  • 新車・中古車を購入して新規登録するとき
  • 引っ越しや住所変更により「使用の本拠の位置」が変わるとき
  • 車の名義変更(移転登録)で使用の本拠の位置の変更を伴うとき
  • 保管場所(駐車場)が変わったとき
「使用の本拠の位置」とは、個人であれば自宅の住所、法人であれば会社・事業所の所在地を指します。引っ越しにより住所が変わった場合は、新住所での車庫証明を取得したうえで、15日以内に変更登録の手続きを行う必要があります。

普通自動車と軽自動車の違い

普通自動車と軽自動車では、保管場所に関する手続きの種類と申請先が異なります。
普通自動車の場合は、保管場所の所在地を管轄する警察署に「自動車保管場所証明申請」を行い、交付された証明書を運輸支局での登録手続きに添付しなくてはなりません。
一方、軽自動車の場合は証明書の取得ではなく、警察署への「保管場所届出」のみで足ります。軽自動車の場合、取得した証明書を提出する必要はなく、届出という形で保管場所を申告する手続きです。
※参考:軽四輪車の車庫の届け出(軽自動車検査協会)

【状況別】車庫証明を申請するための必要書類

車庫証明の申請に必要な書類は、駐車場の利用形態によって異なります。自分はどのケースに当てはまるのか先に確認したうえで、必要な書類を揃えましょう。以下では4つの状況に分けて解説します。
※参考:自動車の保管場所証明申請(警察庁)

持ち家・自己所有の駐車場の場合

自宅の敷地内や自分が所有している土地・建物に駐車する場合は、次の書類が必要です。
  • 自動車保管場所証明申請書(2通)
  • 保管場所標章交付申請書(2通)
  • 保管場所の所在図・配置図
  • 保管場所使用権原疎明書面(自認書)
警察署に提出する申請書の2通目は、1通目のコピーでも問題ありません。自認書は「この保管場所は自分が所有・管理する土地または建物である」と申し立てるための書面で、土地なのか建物(車庫)なのかを明記したうえで押印します。
書類はすべて警察署の窓口で受け取るほか、各都道府県警察のWebサイトからダウンロードすることも可能です。

賃貸アパート・マンション・月極駐車場の場合

駐車場を借りるなど他人が所有する土地や建物を保管場所として使うときは、自認書ではなく「使用する権原があること」を貸主側が証明する書類が必要になります。
  • 自動車保管場所証明申請書(2通)
  • 保管場所標章交付申請書(2通)
  • 保管場所の所在図・配置図
  • 保管場所使用承諾証明書(管理会社または大家に記入・押印してもらう)
なお、承諾証明書の代わりとして以下の書類も認められています。
  • 駐車場賃貸借契約書の写し
  • 契約書がない場合は、駐車場料金の領収書等
承諾証明書の発行は駐車場の管理者によって扱いが異なり、発行されるまでの日数も幅があります。分譲マンションなら、承諾証明書への記入・押印は管理組合の理事長等が行うケースが多く、理事会の開催スケジュールによっては発行まで2週間以上かかることも多いでしょう。
補足として、都市再生機構(UR)や住宅供給公社などの公法人が管理する駐車場を利用している場合は、承諾証明書の代わりに当該公法人が発行する「確認証明書」を添付することが認められています。

法人名義で申請する場合

法人名義で車両を取得する場合も、申請書の書式は個人と同じです。ただし、記入内容や手続きの一部に注意点があります。
■使用の本拠の位置に記入する内容
……申請書の「使用の本拠の位置」には、個人であれば住所を記入しますが、法人の場合は会社または事業所の所在地を記入しなければなりません。
■押印に用いる印鑑
……申請書に使用する印鑑は必ずしも法人実印(代表者印)でなくても認められるケースがありますが、保管場所使用承諾証明書など相手方が記入する書類については、貸主側の規定に従った印鑑が求められます。
■本社所在地と駐車場の所在地が異なる場合の扱い
……申請先の警察署は保管場所(駐車場)の所在地を管轄する警察署となります。本社と駐車場が離れている場合は注意しましょう。
■従業員が代表者の代理で申請する場合の扱い
……車庫証明申請に委任状の添付は原則不要です。ただし、都道府県や警察署によって運用が異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

車庫証明の申請で作成する書類の記入方法

車庫証明の申請では、複数の書類を自分で作成・記入する必要があります。初めて手続きする方が戸惑いやすいポイントを、書類ごとに整理して解説します。

所在図・配置図の書き方

所在図は「使用の本拠の位置」から「保管場所の位置」までの周辺地図です。おおよそ2km以内の範囲が収まるよう描き、両地点の位置関係がわかるように記入する必要があります。手書きでも構いませんが、地図のサイトを印刷して貼り付けることも可能です。印刷した地図を貼り付けるときは、自宅と駐車場の場所にそれぞれ「本拠」「保管場所」などと書き込んでおきましょう。
配置図は、駐車場の形状・出入口の位置・駐車スペースの寸法(長さ・幅)・周辺の建物との位置関係を示す図面です。手書きで構いませんので、実際の寸法(メートル単位)をできるだけ正確に記入してください。
なお、前の車と使用の本拠の位置・保管場所の位置がまったく同じ場合は、所在図の添付を省略できます(配置図は引き続き必要です)。

自認書(保管場所使用権原疎明書面)の記入方法

自認書は、申請者自身が保管場所の土地または建物を所有・管理していることを申し立てる書面です。記入項目は、「所有」か「管理」かの区分と、「土地」か「建物」かの別が中心になります。
土地と建物のどちらに○をつけるかは、駐車するスペースの状況によって判断します。屋外の駐車スペース(更地や舗装した土地)であれば「土地」、ガレージや車庫(建物として登記された構造物)であれば「建物」を選びます。屋外の自宅敷地に停める場合は「土地」が一般的です。
押印は認印で差し支えありません。ただし、自認書が使えるのは申請者本人がその土地・建物の所有者または管理者である場合に限られます。土地の名義が親や配偶者など家族であっても、申請者本人の名義でない場合は自認書を使うことができません。その場合は名義人に保管場所使用承諾証明書を記入・押印してもらわなくてはなりません。

保管場所使用承諾証明書の記入方法

保管場所使用承諾証明書は、駐車場の土地・建物の所有者(貸主)が、申請者に対して保管場所としての使用を承諾したことを証明する書類です。申請者本人ではなく、貸主(大家・管理会社・管理組合など)が記入・押印する書類である点に注意してください。
貸主に記入してもらう際は、下記の情報を正確に伝えましょう。
  • 保管場所の所在地(地番レベルで正確に)
  • 使用者(申請者)の氏名・住所
  • 使用期間(申請日以降の日付から、契約終了日まで)
使用期間の記載について、申請日が使用期間内に含まれていることが必要です。また、使用期間が短すぎると警察署で差し戻されることがあるため、契約期間に合わせた日付を記入してもらうよう依頼してください。
管理会社や大家に依頼する際は、書類の書式(警察署窓口またはダウンロード)をあらかじめ準備したうえで、「車庫証明の申請に必要な保管場所使用承諾証明書への記入・押印をお願いしたい」と伝えると、スムーズに手続きが進みます。発行に費用がかかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

車庫証明の申請の流れ

書類が揃ったら、いよいよ申請手続きです。申請方法は「警察署の窓口に持参する方法」と「オンラインで完結するOSS申請」の2通りがあります。それぞれの流れを確認しておきましょう。

警察署で申請するときの流れ

窓口申請は、書類を持参して警察署の交通課に提出する、最も一般的な方法です。
①申請書類一式を作成・収集する
……必要書類をすべて揃え、記入漏れや誤記がないか確認します。保管場所使用承諾証明書など、貸主に依頼する書類は事前に準備しておきましょう。
②管轄の警察署窓口に提出し、手数料を納付する
……申請先は、保管場所の所在地を管轄する警察署の交通課(または交通係)です。自宅の最寄り警察署ではなく、駐車場がある地域の管轄署になる点に注意してください。手数料は都道府県によって異なりますが、証明申請が2,000〜2,200円程度、保管場所標章の交付手数料が500〜600円程度です。合計で2,500〜2,800円前後が目安となります。
③3〜7日後に証明書を受け取りに行く
……申請後、警察署による審査と保管場所の現地確認が行われます。交付までの日数は概ね3〜7日が目安ですが、繁忙期や管轄署によって前後することがあります。受け取りの際には、申請時に渡される「納入通知書兼領収書」など窓口で案内される書類を持参してください。

OSS申請では車庫証明もまとめて手続きできる

OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)は、自動車の登録・車庫証明申請・自動車保険の手続きなどをインターネット上でまとめて行える国のオンラインシステムです。
OSSを利用すると、自動車登録(名義変更など)に伴う車庫証明の手続きが一括で行われ、警察署への来署が原則不要になります。利用できる手続きは、普通自動車の新規登録・移転登録・変更登録などが対象で、ディーラーが代行するケースでも活用されています。
なお、自分でOSS申請を行うときは、マイナンバーカード(電子証明書)を用いたオンライン本人確認が求められます。法人が利用する場合は、商業登記電子証明書のアップロードが手続きの開始条件です。
ただし、軽自動車の保管場所届出はOSSの対象外となっており、引き続き警察署への届出が必要です。また、OSSの利用環境や対応状況は自治体・警察署によって異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

こんな場合はどうする?車庫証明のよくある質問

手続きを進めるなかで「自分のケースはどう対応すればいいのか」と疑問が生じることは少なくありません。ここでは特に問い合わせが多いケースを4つ取り上げ、具体的に解説します。

Q. 引っ越し後、旧住所のまま車庫証明を申請できる?

A. できません。引っ越し後は新住所で申請する必要があります。
車庫証明の申請書に記入する「使用の本拠の位置」は、現在の実際の居住地(住民票の住所)と一致していることが原則です。旧住所のまま申請しても、警察署の審査で差し戻される可能性があります。
手続きの順番としては、まず住民票の異動(転入届)を済ませてから車庫証明を申請するのが基本的な流れです。転入届後に住民票を取得できるようになるため、住所確認が求められる場合にもスムーズに対応できます。
また、引っ越しによって住所(使用の本拠の位置)が変わった場合は、車庫証明を取得したうえで、引っ越し後15日以内に運輸支局での変更登録(車検証の住所変更)を行う義務があります。手続きを怠ると道路運送車両法違反となる場合があるため、引っ越し後は速やかに対応しましょう。

Q. 家族名義の駐車場を使う場合の車庫証明の手続きはどうなる?

A. 土地・建物の名義が申請者本人でない場合は、自認書ではなく保管場所使用承諾証明書が必要です。
自認書は「申請者自身がその土地・建物を所有または管理している」場合にのみ使える書類です。土地の名義が親や配偶者など家族であれば、たとえ同居していても、名義人である家族が「貸主」として保管場所使用承諾証明書に記入・押印する必要があります。
実家に住んでいる場合でも同様です。土地の登記名義が親であれば、親に承諾証明書を記入・押印してもらうことになります。家族間であっても書類上のルールは変わらない点をあらかじめ理解しておきましょう。

Q. 賃貸契約書で承諾書の代わりになる?

A. 条件を満たせば代替可能です。ただし、都道府県によって取り扱いが異なります。
住んでいる部屋の賃貸借契約に駐車場が含まれている場合(例:「駐車場1台分込み」の契約)は、その賃貸借契約書の写しを保管場所使用承諾証明書の代わりとして使用できるケースがあります。この場合、契約書に駐車場の所在・区画番号・使用期間が明記されていることが条件となります。
一方、住居と駐車場が別々の契約になっている場合(月極駐車場を個別に契約している場合など)は、その駐車場専用の賃貸借契約書の写しや、駐車場料金の領収書等が必要です。
ただし、契約書の写しを承諾証明書の代替として認めるかどうかは都道府県警察の判断によって異なります。申請前に管轄の警察署へ電話で確認しておくと、差し戻しのリスクを避けられます。不安な場合は、管理会社や大家に承諾証明書への記入を依頼するほうが確実です。

まとめ

車庫証明の申請に必要な書類は、駐車場の利用形態によって自認書が必要なケース、保管場所使用承諾証明書が必要なケースに分かれます。書類の入手から記入・提出まで、この記事で解説した手順に沿って準備を進めれば、初めての方でも自分で申請できます。
一方で、引っ越しと同時の住所変更登録、法人名義での申請、管轄警察署の確認など、状況が複雑になるほど手続きの負担は増してきます。「書類の準備が面倒」「平日に警察署へ行く時間が取れない」という場合は、車庫証明・自動車登録を専門とする行政書士への代行依頼も選択肢のひとつです。
国内最大級の行政書士検索サイト「申請Navi」では、自動車登録・車庫証明に対応した行政書士を地域・分野から絞り込んで探すことができます。対応エリアをまとめて比較できるので、依頼先を探す際にぜひご活用ください。

この記事の執筆・監修者

氏名:遠藤 秋乃
行政書士・司法書士資格保有

経歴:

大学卒業後、不動産会社で4年・メガバンクの融資部門での勤務2年を経る。

2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かしてさまざまな分野の相談に200件以上対応。

入管手続き、相続、企業法務、事業承継などさまざまな分野について最新事例の調査・研究を進め、行政書士資格保有者の立場から、読者に良質な情報をお届けしています。