在留資格「留学」の基本的な要件
留学ビザ(在留資格「留学」)は、外国人が日本の教育機関で学ぶために必要な資格です。許可を得ることで、大学・専修学校・日本語学校など、本邦の教育機関において教育を受ける活動が行えるようになります。就労を目的とした在留資格(技術・人文知識・国際業務など)とは異なり、あくまで「学ぶこと」を主たる活動としているため、講義終了後のアルバイトなどは資格外活動許可が必要です。
留学ビザの日本語能力要件に関する変更の内容(2026年7月〜)
2026年7月以降、在留資格「留学」の申請では日本語能力の確認方法が大きく変わります。変更の対象や内容を正確に把握しておくことが、スムーズな申請への第一歩です。※参考:在留資格「留学」に係る適正化について(出入国在留管理庁)
学習歴ではなく試験による認定が原則必要になる
これまで日本語教育機関(日本語学校)への留学申請では、150時間以上の日本語学習歴で能力が認められていました。今回の見直しでは、学習時間ではなく、原則として試験の合格証で日本語能力を証明しなければならないとされています。面接による確認が必要になるケースとは
指定された日本語試験の証明書を提出できない場合、受け入れ機関(日本語学校など)が面接を実施することで、試験スコアの代わりとすることができます。面接による確認が現実的に必要になる場面としては、試験をまだ受けたことがない・受験の機会がなかった場合や、受験したものの証明書の取得が間に合わない場合などが想定されます。また、提出書類の記載内容に矛盾がある場合や、過去の在留歴(長期欠席・アルバイト超過など)に問題が見られる場合には、入管側が独自に面接を求めることもあります。
2026年7月から適用される留学ビザの日本語能力要件
必要とされる日本語能力の基準は、入学する教育機関の種別によって異なります。自分が進学を検討している機関がどの区分に該当するかをまず確認したうえで、対応する要件を確認してください。※参考:高等教育機関等へ入学するための日本語能力について(出入国在留管理庁)、日本語教育機関への入学をお考えのみなさまへ(出入国在留管理庁)
高等教育機関(大学・大学院・高等専門学校)に入学する場合
大学(短期大学・大学院を含む)、大学に準ずる機関、または高等専門学校において日本語で授業や研究指導を受けようとする場合は、以下のいずれかの試験スコアを満たす必要があります。| 試験名 | 基準 |
| 日本語能力試験(JLPT) | N2以上の認定 |
| 日本留学試験(EJU)日本語科目 | 読解・聴解・聴読解の合計200点以上 |
| BJTビジネス日本語能力テスト | 400点以上 |
| JPT日本語能力試験 | 525点以上 |
なお、英語など外国語のみで授業が行われるプログラムに入学する場合は、日本語で授業を受ける科目が生じるかどうかが判断の基準となります。大学院・短期大学・高等専門学校も同一の基準が適用されます。
専修学校・各種学校に入学する場合
専修学校・各種学校(設備や編制が各種学校に準ずる教育機関を含む)において教育を受けようとする場合、法務省令(平成2年法務省令第16号)上、以下のいずれかに該当することが求められます。- 法務大臣が告示をもって定める日本語教育機関(告示校)または認定日本語教育機関に置かれた留学のための課程において1年以上の日本語教育を受けた者
- 専修学校・各種学校において教育を受けるに足りる日本語能力を試験により証明された者(JLPTのN1またはN2合格、日本留学試験200点以上、BJT400点以上、JPT525点以上のいずれか)
- 学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園を除く)において1年以上の教育を受けた者
ただし、上記のうち1年以上の学習歴や在学歴によって要件を満たす場合であっても、JLPT N2相当以上の日本語能力を明らかに有していないと判断されるケースでは、審査において本来活動を行う能力がないとみなされる可能性があります。試験スコアによる証明が最も確実な方法といえます。
日本語教育機関(日本語学校)に入学する場合
日本語教育機関への入学にあたっては、「日本語教育の参照枠」におけるA1相当以上の日本語能力を有することが、試験または日本語履修歴によって確認されます。試験による証明の場合、現時点では以下の12種類が指定されています。| 試験名 | 基準 |
|---|---|
| 日本語能力試験(JLPT) | N5以上の認定 |
| BJTビジネス日本語能力テスト | 300点以上 |
| J.TEST実用日本語検定 | F級以上の認定、またはFGレベル試験250点以上 |
| 日本語NAT-TEST | 5級以上の認定 |
| STBJ標準ビジネス日本語テスト | 350点以上 |
| TOPJ実用日本語運用能力試験 | 初級A以上の認定 |
| J-cert生活・職能日本語検定 | 初級以上の認定 |
| JLCT外国人日本語能力検定 | JCT5以上の認定 |
| 実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジ(PJC Bridge) | C-以上の認定 |
| JPT日本語能力試験 / JPT Elementary試験 | 315点以上 / 68点以上 |
| 日本語オンラインテスト | JT5以上の認定 |
| 駿台日本語能力試験(S-JEP) | 300点以上 |
試験スコアを用意できない場合は、150時間以上の日本語履修歴の証明によって代替確認が認められています。また、日本語学校に在籍できる期間は最長2年間で、入学できるのは告示校または認定日本語教育機関に限られます。
日本語学校修了後に大学・専修学校へ進学を希望する場合は、進学先でJLPT N2相当以上の日本語能力が別途求められる点にも注意が必要です。
日本語能力要件が免除・特例となるケース
通常であれば日本語能力の証明が必要なところ、下記の条件をすべて満たす場合に限り、大学の日本語別科への入学・または同一大学の課程への進学において要件が免除されます。- 別科入学から課程修了までの学費(入学金・授業料・教材費等)が、大学または国の機関等から全額支給される
- 寮に入居する場合は、寮費も同様に全額支給される
- 送出国の大学からの推薦があり、課程修了後に帰国して修得した知識を本国に還元することが見込まれる
- 上記条件につき大学・国の機関等と学生との間で文書による合意が行われている
受け入れ大学側にも条件があります。別科から進学後の課程の初年度において、履修科目の過半数が外国語で行われること、および受け入れ大学が在籍管理上不適切と認められる事情のない適正校であることの2点を満たさなくてはなりません。
これらの要件をすべて提出資料で確認できる場合に限り、COE交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請のいずれにおいても、日本語能力証明書類および各種確認書の提出が不要となります。
留学生の受け入れ機関(日本語学校・専門学校等)がすべき対応
2026年の運用変更は、留学生本人だけでなく受け入れ機関にも新たな実務対応を求めるものです。対応が不十分な場合、機関の信頼性にも直結するため、早めに体制を整えておく必要があります。入学時の日本語能力確認プロセスの見直しへの対応
2026年7月(COE申請は10月期生)以降の申請分からは、指定試験の証明書または客観的な手法を用いた面接による確認が必須となります。機関としては、入学選考の段階で志願者に対して指定試験のスコア証明書または日本語学習歴証明書の提出を求めるフローを整備することが求められます。面接で確認を行う場合は、使用した評価ツール・出題数・正答数・合否基準を具体的に記録し、申請書類の一部として提出できる形にしておかなくてはなりません。入学後に要件を満たしていないことが判明した場合や、提出書類の内容が虚偽であったことが判明した場合には、機関として入管に対して適切に報告する義務が生じることも認識しておくべき点です。COE申請書類への日本語能力証明書類の添付手順についても、申請担当者と現場で共有・統一しておくことが、書類の不備による審査遅延を防ぐうえで効果的です。
資格外活動(アルバイト)の実態把握
2026年4月より、日本語教育機関(告示校・認定日本語教育機関)は3か月に1度、在籍する留学生の資格外活動状況を確認することが義務付けられています。なお、入管庁から「複数の就労先に従事している」として情報提供があった留学生については、とりわけ慎重な確認が求められます。確認の結果、週28時間の上限を超えて就労していると認められる場合、機関は直ちに留学生に対して指導を行い、状況を改善させる必要があります。指導を行っても改善が見られない場合や、留学生から「雇用主に週28時間超の勤務を強いられている」といった報告があった場合など、不法就労が疑われるケースについては、最寄りの出入国在留管理官署に報告しなければなりません。
留学生のアルバイトは、資格外活動許可を受けた場合でも原則として週28時間以内に制限されています。資格外活動許可の基本ルールや違反した場合のリスクについては、【2026年最新】資格外活動許可とは?留学生が知っておくべき週28時間ルールと厳格化の全解説も参考にしてください。
入管への報告が必要なケースの確認
留学生を受け入れる教育機関には、出入国管理及び難民認定法の省令上、在籍者の資格外活動の遵守状況を適正に管理する義務があります。在籍する留学生が正当な理由なく長期間にわたって欠席している場合や、連絡が取れない状態が続く場合は、機関として状況を把握し、必要に応じて入管への情報提供を行うことが求められます。退学・除籍処分を行った場合は、速やかに入管に届け出ることが必要です。こうした在籍管理が不十分と判断された場合、機関は不適正校として認定されるリスクがあります。不適正校に認定されると、在籍留学生のCOE交付が停止されるなど、機関の留学生受け入れ自体に支障が生じます。日本語能力確認の適切な実施と在籍管理の徹底は、適正校としての認定維持と表裏一体の関係にあるため、担当者任せにせず組織的な対応体制を整えることが大切です。
管理体制や申請手順に不備があると、不適正校と認定され受入停止に陥る恐れも。深刻な事態を防ぐため、サポート費用をご確認ください。
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留学ビザの新しい日本語能力要件が適用される時期
新しい日本語能力要件は、すべての申請に対して一斉に適用されるわけではなく、申請の種類によって適用開始時期が異なります。自分の状況がどちらに当てはまるかを確認したうえで準備を進めることが大切です。国内の留学生は2026年7月1日から適用
すでに在留資格「留学」がある場合の在留資格変更許可申請および在留期間更新許可申請については、2026年7月1日以降に申請するものから新しい日本語能力要件の確認が必要になります。7月1日より前に申請を受理されたものについては旧来の運用が適用されるため、6月末までに申請を完了させなくてはなりません。新規訪日予定の留学生は2026年10月期生から適用
これから海外から日本への留学を新たに申請する場合、在留資格認定証明書(COE)の交付申請については2026年10月以降の入学予定者に対して新要件が適用されます。2026年4月・7月入学を目指してCOEを申請する方については、現時点では旧来の運用が維持される見通しです。2026年10月入学を希望する場合、COEの審査期間は申請から交付まで通常1〜3か月程度かかるため、遅くとも2026年7月〜8月頃には申請書類を揃えておく必要があります。試験スコアを証明書類として用意する場合、JLPTは年2回(7月・12月)しか実施されないなど、試験によっては受験機会が限られます。10月入学を目指すのであれば、前年末から試験の申し込みスケジュールを確認し、余裕をもって受験しておかなくてはなりません。
試験日程や準備が遅れると、希望時期に入学・来日できなくなる恐れがあります。まずは確実な申請に向け、費用の目安をご確認ください。
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まとめ
2026年7月以降の在留資格「留学」の申請では、日本語能力の証明が試験スコア、または受け入れ機関による面接記録によって行われます。大学・専修学校などへの入学はJLPT N2以上相当、日本語学校への入学はJLPT N5以上相当が基準で、認められる試験の種類とスコアは機関の区分によって異なります。留学生の日本語能力に関する運用が変わるのは、国内の在留資格変更・在留期間更新が2026年7月1日から、海外からのCOE交付申請が2026年10月入学予定者からです。JLPTは年2回しか実施されないため、受験のタイミングを逃すと入学時期そのものに影響します。