車検切れの罰則は重い!罰金・違反点数・免停をケース別に徹底解説

車検切れの罰則は重い!罰金・違反点数・免停をケース別に徹底解説

車検切れでの公道走行は道路運送車両法が禁じる重大な法律違反であり「知らなかった」では済まされません。

ここでは、車検切れで問われる罰則と、車検切れに気づいたとき・期限が迫っているときの対応方法を解説します。

この記事のポイント

  • 車検切れの車で公道を走行すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
  • 行政処分として違反点数6点が加算され、30日以上の免許停止になるケースもあります。
  • 自賠責保険も切れていた場合は、さらに重い罰則・点数が追加されます。
  • 車検切れに気づいたら、すぐに運転をやめ、仮ナンバーを取得して車検場へ移動する必要があります。
  • 廃車・抹消登録・車検更新手続きは、行政書士へ代行を依頼することも可能です。

車検切れで運転するとどうなる?

「うっかり車検が切れていた」「気づかないまま走ってしまった」——そんな状況に直面したとき、真っ先に気になるのが「いったいどんな罰則があるのか」という点ではないでしょうか。結論からいえば、車検切れでの公道走行は法律で明確に禁じられており、知らなかったという事情は一切考慮されません。

車検切れ=公道走行が法律で禁止されている

車検とは、クルマが国の定める保安基準を満たしているかどうかを公的に確認する制度です。道路運送車両法第58条は、自動車を運行する際には有効な自動車検査証(車検証)を備え付けなければならないと定めており、同法第66条はこれに違反した無車検の状態での運行を禁止しています。
注意が必要なのは、あくまで「公道に出た時点」で違反が成立するという点です。自宅の敷地内や私有の駐車場の中を動かすだけであれば、道路運送車両法上の罰則の対象にはなりません。しかし、駐車場から出て一般道路に乗り入れた瞬間に違反となるため、「少しだけ移動した」「ほんの数メートルだった」という言い訳は通用しないのです。
自分のクルマの車検がいつ切れるかを確認するには、車検証に記載された「有効期間の満了する日」を見るのが確実です。また、フロントガラスの内側に貼られた検査標章(ステッカー)にも満了年月が表示されているため、日常的に目に入る場所で確認できます。
 
車検を受ける際には、車検証・自賠責保険証明書・納税証明書など複数の書類が必要です。仮ナンバーを取得して車検場へ持ち込む予定の方は、事前に必要書類も確認しておきましょう。
<参考>車検の必要書類は?普通車・軽自動車・ユーザー車検の違いを徹底解説

知らなかったは通用しない!車検満了日の1分後から違反になる

車検切れで運転した場合の罰則は、「知らなかった」「うっかり忘れていた」という理由では免除されません。道路運送車両法は故意・過失を問わず無車検運行を禁じており、たとえ初めての違反であっても刑事処分と行政処分の両方が科されます。
車検の有効期限は、満了日の当日23:59まで有効です。翌日0:00になった瞬間から無車検の状態になり、その日に公道を走れば即違反となります。「昨日まで大丈夫だったのに」と感じるかもしれませんが、法律上は1分の猶予もありません。
また「気づかずにしばらく乗り続けていた」というケースも珍しくありません。しかしその間に警察の検問に遭遇したり、第三者から通報されたりすれば、その時点で違反が発覚します。

車検切れで運転した場合のペナルティ

車検切れでの運転が発覚すると、刑事処分と行政処分の両方が同時に科されます。罰金を払えば終わりというわけではなく、免許の停止処分まで伴うため、その影響は日常生活に直結します。それぞれの内容を順に確認しておきましょう。
※参考:道路運送車両法(e-gov)

6か月以下の懲役または30万円以下の罰金【刑事処分】

車検切れの状態で公道を走行した場合、道路運送車両法第109条に基づき、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事処分が科されます。懲役と罰金のどちらが適用されるかは、違反の悪質性や過去の違反歴などを踏まえて判断されますが、初犯であっても罰金刑が科される可能性は十分にあります。
重要なのは、この違反が「赤切符」の対象になるという点です。青切符で処理される軽微な交通違反とは異なり、赤切符が切られると刑事手続きが進み、略式起訴による罰金刑が確定した場合には前科がつきます。

違反点数6点が即加算(免許停止期間30日以上)

刑事処分に加えて、行政処分として違反点数が加算されます。道路交通法施行令の別表第二に定める違反点数表によると、無車検運行(整備不良とは別に「車検を受けていない状態での運行」)には一律6点が割り当てられています。
6点の加算は、免許停止期間が30日以上となることを意味します。スピード違反や信号無視といった他の交通違反を同時期に起こしていた場合、それらの点数と合算されるため、免許への影響がさらに大きくなります。

社用車・法人名義の車両の車検切れに科される罰則

車検切れは個人だけの問題ではありません。法人名義で車両を保有する会社にとっても、車検管理の怠りは深刻なリスクを招きます。

運転者が受ける刑事処分・行政処分

社用車であっても、実際にその車を運転した従業員が刑事処分・行政処分の対象になります。「会社の指示で運転した」「上司に言われたから乗った」という事情は、法律上の免責理由にはなりません。無車検運行の違反は車両の状態に起因するものであり、それを認識しながら(あるいは確認せずに)運転した事実が問われます。
処分の内容は前の章で解説したとおりで、道路運送車両法第109条に基づく6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、および違反点数6点の加算・30日以上の免許停止が科されます。

所有者(運行供用者)にも罰則が科される

車検切れの責任は、運転者だけに留まりません。道路運送車両法第109条は、自動車の「使用者」すなわち運行供用者に対しても同様の罰則を定めています。運行供用者とは、車の使用を支配・管理できる立場にある者のことで、車検証に記載された使用者がこれに該当します。法人であれば会社そのものが、個人名義であれば車のオーナーが運行供用者にあたります。
つまり、自分でハンドルを握っていなくても、車検切れの車を他者に運行させた事実があれば処罰の対象になり得るのです。たとえば、個人オーナーが家族に車を貸したケースも同様です。「自分は乗っていない」という事情は、使用者としての責任を免れる理由にはなりません。

会社にも罰金が科される

車両が法人名義である場合、道路運送車両法の両罰規定により、実際に違反を行った従業員(運転者・管理者)に対する処罰とは別に、法人そのものにも罰金刑が科されます。従業員が会社業務の一環として無車検運行を行った場合、会社は「法人として」罰金の対象となるのです。
これは単なる金銭的な問題にとどまりません。車検管理を怠ったという事実は、会社の安全管理体制やコンプライアンス姿勢への問いかけでもあります。とりわけ、車検切れの社用車が事故を起こした場合には、自賠責保険・任意保険の効力が失われているケースもあり、被害者への損害賠償を会社が直接負担しなければならない事態にも発展しかねません。

うっかり車検切れで運転してしまったときの対応方法

車検切れに気づいた瞬間、「このまま走り続けていいのか」と焦る方も多いでしょう。しかし、対応を誤るとさらに違反が重なりかねません。落ち着いて、次の手順を一つずつ確認してください。
※参考:車検が切れたクルマを動かすにはどうすればいいのですか?(JAF)

すぐに運転をやめて安全な場所に駐車する

車検切れに気づいたら、まず走行を中断して安全な場所にクルマを止めることを最優先にしてください。路肩や近くのコンビニ・商業施設の駐車場など、ほかの交通の妨げにならない場所を選びましょう。
「自宅まであと数分だから」「目的地がすぐそこだから」という気持ちはよく分かります。しかし、その数分の間に警察の検問に遭遇したり、Nシステム(自動車ナンバー自動読取システム)で車両情報が照合されたりすれば、その場で違反が発覚します。

自賠責保険が切れていないか確認する

停車後は、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の有効期限を確認してください。車検証の表面に保険の有効期間が記載されているほか、保険会社から交付された保険証明書でも確認できます。
自賠責保険の有効期限は、通常は車検の有効期間よりも少し長めに設定されているため、車検切れ=自賠責切れとは限りません。ただし、長期間車検を放置していた場合は自賠責も切れているケースがあります。
次に解説する仮ナンバー(臨時運行許可番号標)の申請は、運行期間を満たした有効な自賠責保険への加入が前提です。自賠責が切れている場合は、保険代理店・ディーラー・一部のコンビニエンスストアなどで加入手続きを済ませてから、仮ナンバーの申請に進んでください。

仮ナンバーを取得して車検場へ持ち込む

車検切れの自動車を自走で車検場へ持ち込むには、道路運送車両法第34〜36条に定める臨時運行の許可を受け、仮ナンバー(臨時運行許可番号標)の貸与を受ける必要があります。
申請先は、クルマの保管場所に近い市区町村の役場窓口です。JAFの情報によると、申請はクルマを運びたい当日や前日でも受け付けてもらえます。申請時に必要なものは以下のとおりです。
  • 申請書(窓口に備え付けのもの)
  • 車検証
  • 自賠責保険証明書(運行期間をカバーしているもの)
  • 身分証明書
  • 手数料(750円前後/自治体により異なる)
仮ナンバーは、申請書に記載した目的・経路・期間の範囲内でのみ有効です。運行期間は必要最小限しか認められず、最長でも5日間であり、使用後は運行後5日以内に許可証とともに申請した役場窓口へ返納する義務があります。
なお、仮ナンバーでは許可された目的・経路以外の運行は認められないため「ついでに別の用事も済ませよう」といった使い方はできません。

車検を受けて登録を更新する

仮ナンバーを取得できたら、速やかに車検を受けに行きましょう。受検先は、国土交通省が指定する運輸支局(ユーザー車検の場合)または指定整備工場・ディーラーです。
車検に合格すると、新しい車検証と検査標章(フロントガラスに貼るステッカー)が交付されます。この交付をもって初めて公道走行が可能になります。仮ナンバーを返納するのを忘れずに、期限内に役場窓口へ持参してください。

車検切れで廃車・売却を検討している場合はどうする?

車検が切れている車両の今後の選択肢には、廃車・売却があります。仮ナンバーを取得して車検場へ持ち込む必要がない分、場合によってはこちらの選択肢のほうがスムーズです。

車検切れでも廃車・売却は可能

車検が切れていても、廃車手続き(永久抹消登録・一時抹消登録)や売却は法律上問題なく行えます。
車検費用や修理費用の合計が車両の市場価値を大きく上回る場合や、車齢が高く今後も継続的な修理が見込まれる場合、あるいはすでに次の車への乗り換えを決めている場合などは、廃車・売却を検討しましょう。
 
「もう車に乗らない」「修理費が高額になりそう」という場合は、車検更新ではなく廃車・抹消登録を選択する方法もあります。手続きの流れや必要書類については、以下の記事で詳しく解説しています。
<参考>廃車手続きはどうする?流れ・必要書類・費用をわかりやすく解説

積載車(レッカー)搬送を使う方法

廃車業者や買取店への持ち込みが必要な場合でも、仮ナンバーを取得して自走する必要はありません。積載車(キャリアカー)やレッカー車による搬送を利用すれば、公道を走らせることなく車両を移動できます。
搬送費用は距離や業者によって異なりますが、近距離であれば1〜2万円程度が目安です。手配方法としては、廃車専門業者や中古車買取店に直接依頼する方法のほか、JAFのロードサービスを活用する方法もあります。JAF会員であれば一定の距離まで搬送サービスを利用できるため、まずは問い合わせてみるとよいでしょう。

業者に引き取りを依頼する際の注意点

廃車専門業者や買取業者の多くは、自宅や駐車場への出張引き取りサービスを提供しています。この方法であれば、自走も仮ナンバーの取得も不要で、自宅にいながら手続きを完了させることができます。
ただし、業者選びには注意が必要です。「無料引き取り」を謳っておきながら、後から搬送費・手数料・書類作成費などを請求してくる悪質な業者も存在します。運輸支局などで必要となる行政手続きを業者が無資格のまま行ったせいで、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
なお、廃車に伴う自動車の抹消登録申請(永久抹消・一時抹消)は、行政書士に代行を依頼することができます。書類の準備や運輸支局への申請手続きを一括して任せられるため、手間を省きたい人や手続きに不安がある人は、専門家への相談も選択肢のひとつです。

まとめ

車検切れで公道を運転すると、道路運送車両法第109条に基づく6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(刑事処分)と、違反点数6点の加算・30日以上の免許停止(行政処分)が同時に科されます。自賠責保険も切れていた場合はさらに罰則が重くなり、運転者だけでなく車の所有者・法人にまで責任が及ぶ点も見逃せません。
車検の更新のための手続きや、廃車・譲渡の手続きは、行政書士に代行を依頼することができます。国内最大級の行政書士検索サイト「申請Navi」では、自動車登録・申請手続きを専門とする行政書士を地域・分野で絞り込んで検索できます。

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この記事の執筆・監修者

氏名:遠藤 秋乃
行政書士・司法書士資格保有

経歴:

大学卒業後、不動産会社で4年・メガバンクの融資部門での勤務2年を経る。

2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かしてさまざまな分野の相談に200件以上対応。

入管手続き、相続、企業法務、事業承継などさまざまな分野について最新事例の調査・研究を進め、行政書士資格保有者の立場から、読者に良質な情報をお届けしています。